ロシア進出支援とロシア株専門の証券会社、ARUJI GATE証券(アルジゲート証券)

HOME > コラム:ロシア便り > 007:ロシア発ブランドの誕生

007:ロシア発ブランドの誕生

 1991年のソ連崩壊時に多くの国営企業が民営化された。当然、ソ連時代には民間企業は存在せず、全企業が国営であり、国家が設定する計画の下に製造が行われていた。
 新生ロシアの誕生と共に、ロシア企業は市場経済の道を歩み始める。

 市場経済への移行時に、多くの工場が閉鎖され90年代のロシア経済は混乱を極めることになる。今回は、この混乱を克服し、ブランドを確立しつつあるロシア製品を紹介していきたい。

ロシアの乳製品が並ぶ陳列棚
ロシアの乳製品が並ぶ陳列棚

 ロシアで現在、最もブランド力がある製品は、自動車メーカー「アフトワズ(AVAZ)」の“ラーダ”。アフトワズ(AVAZ)製の車はソ連時代の1970年に発売され、当時からソ連を代表する大衆車である。昨年12月にルノーが同社の株式25%を取得した。ルノーはロシア市場での一層のシェア拡大を狙っている。市場の成長に伴い、競争の激化が予想される自動車産業でアフトワズ(AVAZ)は、ルノーとの提携により技術力の向上を目指している。ラーダブランドの年間売り上げは1300億ルーブルを超える。

 ブランド力2位はビールメーカー「バルチカ・ビール(PKBA)」が発売するバルチカシリーズ。ソ連崩壊後すぐの1992年に発売が開始されたバルチカは、国民的ビールの地位を確立している。年間売り上げは500億ルーブル。
 有名ブランド上位10位には、バルチカ以外にも8位のクリーンスコエ、10位のアルセナーリノエというビールが名を連ねている。ロシアのビール市場は、健康志向の高まりを受け成長を続けており、現在世界第3位。アルコール度数の高いウォッカよりも若者の間で人気がある。

様々なフルーツジュース
様々なフルーツジュース

 ブランド力3位は「ウィム・ビル・ダン食品(WBDF)」のドーミクヴジェレーヴニェ。日本語に訳すと“田舎の小さな家”という意味。パッケージにおばあさんと牛の絵が描かれた同商品ブランドは、モスクワ郊外で生産された原材料を使用し、様々な乳製品が販売されている。ヨーグルト、サワークリーム、トゥボーログなどの乳製品はロシア人の食生活で欠かせない食料品だ。

 ブランド力4位は、現在コカコーラ社が製造を担っているジュース“ドーブルィ”。178億ルーブルの年間売り上げをあげており、“ドーブルィ”ブランドジュースをロシア人は1年間に平均20リットル飲むという統計がでている。ドーブルィというのは、ロシア語で「優しい、親切な」という意味。
 ロシアのジュースメーカーは健闘しており、“ドーブルィ”の他にも9位の“フルークトーヴィ サード”、14位の“マヤーセミヤー”など市場で販売される人気のジュースはほぼロシアメーカーで占められている。

 このように1位のラーダを除けば、2位から10位までは全てが食料品ブランド。各国の嗜好が強く反映される食料品市場では、ロシアメーカーが市場シェアを伸ばしている。パッケージデザインなども年々、向上しているように思われる。

マヤーセミヤーシリーズ 低価格が人気。
マヤーセミヤーシリーズ
低価格が人気

 10位以降を見ていくと、11位の“ヤーヴァ”。1966年にソ連初フィルター付タバコ“ヤ-ヴァ”は発売され、40年以上もロシア人に愛され続けている。年間売り上げは140億ルーブル。
 タバコブランドでは37位の“ピョートル1世”も人気だ。おもしろいことに、“ピョートル1世”ブランドは日本のJTに買収され、ロシアでの製造・販売は同社が行っている。ロシアで吸われるタバコの3分の1はJT所有のブランドタバコで占められている。

 ロシア発の電化製品ブランドは32位のSCARLETT、33位VITEKが有名だ。アイロン、ドライヤー、テレビ、DVDプレーヤーなど様々な電化製品が製造されており、低価格の商品はロシア市場でブランド確立に成功した。特にVITEKは2000年の設立以来、僅か7年で急成長している。

 プーチン政権は、多角的な経済成長を目標に、資源の輸出に頼るロシア経済において製造業を伸ばしていきたい考えだ。
 豊富なオイルマネーが設備投資に回っていくのかどうか。今後のロシア製造業の発展に期待していきたい。


<Z>