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コラム:ロシア便り: 2007年12月

005:エクストリームスポーツ

 12月12日、モスクワ市内に位置する国内最大の多目的スポーツスタジアム「ルジニキ」にて、ロシアで最初のエクストリームスポーツフェスティバル「ブレーク」が開催された。

 エクストリームスポーツとは「過激なスポーツ」という意味で、ロシア語の会話でもよく耳にするようになった。一般的に、若者の間で人気があり危険を伴う場合が多い。

 スポーツスタジアム「ルジニキ」と言えば日本でもご存知の方がいるだろうが、1980年のモスクワオリンピックが開催された場所でもある。

コーヒーショップ
フェスティバル会場風景

 モスクワオリンピックは、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議したアメリカを中心に50カ国近くの国がボイコットし冷戦の影響を受けることになったが、今でもルジニキはオリンピックコンプレックスと呼ばれている。

 1952年のヘルシンキオリンピックに、ソ連はオリンピック初参加し、71個のメダルを獲得している。
 この結果を受け、ソ連国内でより近代的なスポーツスタジアムの建設が提案されるようになる。


 立地条件としては、モスクワ中心部から遠くなく緑あふれる広大な敷地面積を確保できる場所が探されたが、この条件を満たす場所として、ルジニキに目が付けられた。
 すぐ近くをモスクワ川が流れ、森があり、空気も新鮮だ。丘を登っていけば「雀が丘」が広がり、そこから見るモスクワ市内の展望はすばらしい。
 建設は1955年に始まり、1956年に完成している。約20種類の競技を行うことができ、大スポーツアリーナ、小スポーツアリーナ、スポーツ館、スイミングプールから成っている。収容人数は10万人以上。現在では、サッカー、ホッケー、コンサート劇場などに使用されることが多い。

地下鉄アホトニリャッド駅構内
フェスティバル会場風景

 今回の催しは、小スポーツスタジアムで開催された。
 主催はモスクワ市で、料金は無料。観客は若者が中心で、スタジアムはほぼ満席だった。

 エクストリーム系のスポーツは、ヨーロッパでは絶大な人気を誇るが、ロシアでも5年程前から人気がでてきた。
 競技内容としては、フリースタイル・モトクロス、オートバイトライアル、MTBトライアル、パルクールなどが行われた。


 フリースタイル・モトクロスはモトクロスとは違ってスピードを競うものではなく、アクションの難易度で評価される。オートバイで高いジャンプを行い、空中で様々なアクションを行う。
 パルクールは障害物を飛び越え、よじ登り、自分の肉体のみを使い移動する。障害物は都市部のビルなどで、アクロバット的な動きを楽しむ。

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フェスティバル会場風景

 トライアルは、日本でも比較的人気があるスポーツであり、山・谷・川・人工物などをバイクやMTBを使い、いかに足を付かずに走りきるかを競うスポーツだ。

 これらのスポーツはエクストリームスポーツと呼ばれロシアの若者の間で徐々に人気が高まってきている。

 ロシアのウィンタースポーツはソリやスキーなどが中心だったが、新たなスポーツの流れがロシアに加わりつつあるようだ。


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004:モスクワと地方、新年の迎え方

 最近の国連の調査によると、ロシアの経済社会的発展度は「レベル6」に位置し、ボスニア、アルバニアと同じレベルらしい。

 ロシアといっても日本の総面積の約45倍という広大な土地を有する国なので、発展度にも地域によって大きな開きがある。モスクワ、サンクトペテルブルグなどの大都市圏での発展度は「レベル3」という結果がでている。これは、チェコ、キプロスなどの新ユーロ加盟国と肩を並べているということになる。

 ロシアは7つの連邦管区に分かれている。中央、北西、南方、沿ヴォルガ、ウラルシベリア、極東連邦管区が存在し、これらの連邦管区を基準に経済政治的な区分が行われている。


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「赤の広場」には仮設スケート場ができました

  最も豊かなのは、モスクワを中心とした中央管区であり、総面積は650,200平方キロメートルと日本の国土のほぼ2倍である。人口も3,700万人とロシア国内で、最も人口密度が高い。近年、人口流入が著しく、出生率も他連邦管区よりも高い。

 最も人口が少ないのは極東管区であり、日本の16倍の国土に僅か650万人の人口しか居住していない。この地域は、石油の埋蔵率が高く、ロシア政府が今後開発に力を入れることを明らかにしている。

 ロシアの開発や近代化の話題になると、「国土が広すぎ不可能だ」という意見を数多く耳にするが、はたしてそうだろうか。交通、通信、運送に時間、費用がかかりすぎるということは事実だが、広い国土は利点にもなりうる。

 このようにロシアと一言で言っても、生活レベル、気候、民族、文化などの異なる様々な地区や共和国で構成されているのがロシア連邦なのだ。特に、モスクワはロシア国家の中の国家と呼ばれるように、他地域とは異なる発展を続けている。平均収入を見ても地方の3~5倍も高い。

 まもなく新年休暇が始まり、ロシア人も休暇の計画をいろいろと立てているようだ。

 ある調査によると、モスクワ人は新年のお祭りに平均545ユーロを費やすらしい。この金額は、西ヨーロッパ諸国と比較しても高い数字だ。

 ロシア人旅行者の数も増加し続けている。


地下鉄アホトニリャッド駅構内
ボリショイ劇場前に設置されたツリー

 新年の旅行に人気があるのは、エジプト、トルコだが、富裕層の間では東南アジアも人気がある。年間2,700万人のロシア人が海外旅行に出かけており、この10年間でロシア人旅行者は4割増加した。日本人の年間海外旅行者数は約1,800万人なので、ロシア人旅行者数のほうが多いということになる。

 外食産業を見てみると、ロシアのレストラン、カフェの数は西ヨーロッパの3分の1程度しかない。モスクワ人の支出に占める外食費は6%しかなく、この数字も西ヨーロッパの3割程度だ。


 モスクワ人の基本的な新年の過ごし方は、自宅に多くの人が集まって手料理を振る舞うというくつろいだ新年休暇を楽しむ、というのが一般的なようだ。

 近年、資本主義化が進みロシアの伝統、文化が損なわれているという批判があるが、日本やアメリカほどクリスマスや年末商戦は過熱しておらず、のんびりしている。

 ロシア人は、昔からお客好きだと言われている。これは、ロシアの国土の広さとも関係している。17~18世紀のロシア貴族社会では、遠くから知人友人が訪れると、暖かい歓待で迎えるのが普通で、客が長い期間滞在することも多かったようだ。

 確かに、ロシアが市場経済化され生活が便利になった点はあるが、失われたものも多くある。ソ連崩壊後の10年間は混乱期、その後の10年間は安定を図る期間だったが、この先の10年は伝統、文化にも目を向けた10年間であってほしいと願っている。


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