ロシア株式市況: 2007年7月
7月31日のロシア市場の動き
31日のロシア株式市場は、原油など原材料相場が上昇したことをうけ値上がり。またシティ・グループによるセヴェルスタリ株の目標株価引上げにより同社株が相場を牽引した。MICEX指数は1.87%高の1734.42、RTS指数は1.68%高の1963.96で終了。不安定な動きの続く米国株式市場では、各国市場の上昇と一部ハイテク企業の好決算発表をうけ続伸してスタートしたものの、午後から住宅金融大手が新規融資のための資金手当てが出来ないことを明らかにしたことによるサブ・プライムローン問題の再燃、さらに、市場関係者が投資家のリスク許容度の低下によりヘッジファンドの最大で半分が今後5年以内で閉鎖する可能性があるとの見方を示したことが嫌気され、一転して大幅安となった。 一方、米製油所の増産に伴い、需要が供給を上回るとの観測が広がったことで、NY原油先物相場は急反発。一時78.28ドル/1bを付け、78.21ドル/1bと、終値ベースでの最高値を更新した。また銅はメキシコの鉱山で労働者がストライキに突入したことを受けて買われ、NY銅先物相場は、前日比1.7%高となった。
◆ロシア個別銘柄◆
セヴェルスタリ(CHMF)
ロシア最大の製鉄会社。シティ・グループが目標株価を25%引上げ、21ドル(約536ルーブル)とした。シティのアナリストによると、同社がロシア国内で5億ドル(約600億円)を投資する小型製鉄所建設計画は、ロシア国内の需要増と価格支配力に対する自信の表れ、としている。31日は6.32%高の447.06ルーブルで取引を終了。
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
ロンドン金属取引所(LME)のニッケル先物が3.3%反発したことで上昇。同社が2007年のニッケル生産見通しを27万-27.5万から29.5-万30万トンに引上げたことも好感された。1.18%高の5699.01ルーブルで取引終了。
メチェル(MTLR)
ロシアの証券会社Troika DialogがADR(普通株3株)の目標株価を22% 引き下げ、54.40ドル(一株当り約18.13ドル) とした。世界的な株価下落に引きずられて先週は8.8%の下げを演じたが、投資家にとって買いの好機である、とした。本日は商いが成立せず、先週末比5.2%高の14.00ドルまで買い気配を切り上げている。
セヴェルスタリ自動車(SVAV)
ドイチェ証券が目標株価を24% 引き下げ、51.50ドル(約1,318ルーブル)とした。いすゞとの合弁事業は同社にとって最も利益率の高い品揃えを提供することになるとしている。本日は値上がり率トップとなり、前日比7.89%高の961.87ルーブルで引けた。
7月30日のロシア市場の動き
30日のロシア株式市場は、世界的な株安の流れが一服したことで、下げ渋った。MICEX指数は0.02%安の1702.63、RTS指数は0.31%安の1961.04で終了。 注目された週明けの米国株式市場では、これまでの下げで、銀行、住宅建設関連企業、小売業者の株価が割安の水準になっているという有力証券会社数社による指摘が好感され、反発した。サブ・プライムローン関連の焦げ付きが懸念されていた有力銀行HSBCの決算で、予想以上に貸倒引当金を積み増したものの、市場予想を上回る純利益となり、市場に安心感が広がった。 NY原油先物市場は、米原油在庫の増加予想で小幅反落。76ドル/1b台後半で引けている。
◆ロシア個別銘柄◆
ルクオイル(LKOH)
米国大手証券会社ベア・スターンズが投資判断をアウトパフォーム に格上げし、目標株価は98.00ドル(約2,500ルーブル)。 またHSBC証券も新規に調査を開始し、投資判断をオーバー・ウェイトとした。30日は0.58%安の2034.34ルーブルで取引を終了。
Red October(KROT)
ロシアの有力菓子製造会社。先週末に伝えられた減益決算を受け、連日の下落率トップとなった。14.19%安の715.24ルーブルで取引終了。
ウィム・ビル・ダン食品(WBDF)
シティ・グループが投資判断を"売り"から"Hold" に格上げ。2.46%安の1996.06ルーブルで引けた。
薬局チェーン36.6(APTK)
ロシアの有力薬局チェーン。製薬子会社を傘下に持つ。先週明らかになった、15.8%相当の増資による株式希薄化が改めて嫌気され、3.07%安の2106.45ルーブルで取引を終えた。
統一モスクワ電力網(MSRS)
ロシアの証券会社URALSIBが投資判断を持株比率の引き下げに格下げ。目標株価を6% 引き下げ、0.094ドル(約2.40ルーブル)。本日は0.58高の2.414ルーブルで取引終了。
サンクト・ペテルブルグ銀行(STBK)当社非取扱銘柄
ロシア有力紙コメルサントが伝えたところによると、増資と同時に株式の20% を売り出すと関係者が明らかにした。売出しにより2億3,000万ドル(約273億円)を調達する予定。
7月27日のロシア市場の動き
27日のロシア株式市場は、前日に続き米国のサブプライム・ローン問題に端を発した世界的な株安の流れを受けて下落。MICEX指数は1.23%安の1703.01、RTS指数は1.49%安の1967.06で終了。世界の新興国市場ベンチマークであるMSCI Emerging Market Index(新興国市場指数)は3%以上の下げを記録した。注目された米国の第二四半期GDP成長率は市場予想を上回ったものの、個人消費の項目が予想を大きく下回り、米国経済の減速が懸念された。金融市場ではリスク資産回避の動きが鮮明になっており、社債保有リスクが過去最高水準に上昇したこともあり、安全な投資先として資金が国債へと流入。相場下落により、MICEX指数のPERは11.67まで低下し、TOPIX(東証株価指数)の21.94、ダウ工業株平均の17.47などと比べ極端に割安となっている。MICEX取引所ではこの日取引額が2,265.9億ルーブル(約1兆506億円)となり、過去最高を記録した。石油株の構成比率の高いロシア株式市場に大きな影響を与える、NY原油先物市場は、世界の原油の24%を消費する米国のGDP成長率を好感して急反発。77ドル/1b台で引けている。(株価指数PERはBloomberg調べ)
◆ロシア個別銘柄◆
ロシア統一電力システム(EESR)
ガスプロム、ノリリスク・ニッケル、Siberian Coal & Powerの三社に対し、ロシア統一電力システム株とその傘下の電力株との交換を承認した。またチュバイスCEOを含む4名の同社首脳が持ち株比率を高めたことも明らかとなった。27日は0.57%高の34.813ルーブルで取引を終了。
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
ロシア統一電力システム株とその傘下の電力株との交換が承認された。この日はロンドンのニッケル価格が上昇し、逆行高。終値は1.15%高の5634.90ルーブル。
Red October(KROT)
ロシアの有力菓子製造会社。インターサックス通信によると今年上半期の純利益は前年比42%低下。本日は下落率トップとなり、10.15%安の833.53ルーブルで取引終了。
マグニトゴルスク製鉄(MAGN)
ロシアの製鉄会社。ロシアの証券会社ルネッサンス・キャピタルが調査を開始。投資判断は「買い」、目標株価を17ドル(約434.809ルーブル)とした。1.13%安の28.402ルーブルで取引終了。
ガスプロム(GAZP)
ロシア統一電力システム株とその傘下の電力株との交換が承認された。ロシア統一電力システムによると、ガスプロムは第2卸売電力の55%、第6卸売電力の52%を保有することが可能となる。また三社の中で唯一、水力卸売電力株との交換も承認された。本日は1.30%安の270.24ルーブルで取引終了。
モバイル・テレシステムズ(MTSS)
ロシア最大の携帯電話業者。300億ルーブル(1,391億円)規模の社債発行を計画とロシアの新聞Vedomosti紙が伝えた。同社の負債の98%は現状外国通貨建てになっており、ルーブル建て収入の比率が高い同社は、自国通貨建て債務への切り替えを急いでいる。27日は0.38%安の258.99ルーブルで取引を終了。
7月26日のロシア市場の動き
26日のロシア株式市場は、サブプライム・ローン問題に端を発した米国経済への先行き不安が世界的な信用収縮懸念に繋がり、世界的に株式市場が全面安となった流れを受けて下落。世界的な新興国市場のベンチマークであるMSCI Emerging Market Index(新興国市場指数)は2%以上の下げを演じ、指数構成比率の高いガスプロムなどの大型株が下げを主導した。MICEX指数は3.16%安の1724.28、RTS指数は2.49%安の1996.91で終了し節目の2,000の大台を割り込んだ。サブプライム・ローン問題は、米国のヘッジファンド清算やサブプライム・ローンを組み込んだ証券の格下げへ波及。更に26日にはオーストラリアのヘッジファンドが投資家への資金返還を停止し、今年実施したレバレッジドバイアウトの資金調達の遅れを明らかにした。このため、クレジット・デフォルトスワップ(CDS)の保証料が上昇し、リスクの高い株式から債券へ資金移動を加速させた。さらに米国の6月の新築住宅販売が予想以上に減少、また、複数の米住宅建設企業の決算が土地価格の下落の影響により赤字となり、住宅市場悪化への懸念が広がった。このため、米国株式相場は今年2月の世界同時株安以来の下落を記録している。一方NY原油先物市場は、米原油在庫の減少を受け時間外で11ヶ月振りの高値をつけたが、リスク資産回避の動きを受け下落に転じ、74ドル/1b台後半で引けている。
◆ロシア個別銘柄◆
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
9月に入札が予定されている、シベリアでの採掘権獲得を検討中、とロシア紙コメルサントが伝えた。同社はイルクーツク地方のイイスコ-タグルカヤのニッケル鉱山の採掘権購入を検討しており、ニッケル750立方トン、銅300万トン、900トンのプラチナ類の潜在埋蔵量があるという。入札は。終値は2.47%安の5570.59ルーブル。
ズベルバンク(SBER)
ロシア最大の銀行。ドイチェ・バンクが目標株価を24%引上げ、5.10ドル(約129.90ルーブル)とした。本日は相場下落を主導し、4.59%安の104.15ルーブルで取引終了。
ガスプロム(GAZP)
サハリン事業の事業子会社サハリン・エナジーは計画変更の必要から、パイプライン建設の一時中断を当局から命じられた。新建設計画はすでに当局に提出されているものの承認には数週間要し、工事は中断される。本日は3.29%安の273.79ルーブルで取引終了。
ノヴァテク(NVTK)
ロシア第二位の天然ガス業者。今年第二四半期の生産量が前年比3.3%増と発表。会社計画によると、2015へ向け天然ガス採掘量を現在の300億立方メートルから650億立方メートルに拡大する。26日は2.36%安の140.12ルーブルで取引を終了。
インプロム
ロシアの金属商社。この10月にも全株式の30%をIPO(新規株式公開)に向け準備中、とCEOが明言した。IPOにより7,000から8,000万ドル(約83.4から95.3億円)調達し、事業拡大に向け今後5年間、42億ルーブル(約196億円)を投資する予定。
7月25日のロシア市場の動き
25日のロシア株式市場は、一時72ドル/1b台に下落した原油先物市場を嫌気して続落して始まったものの、原油先物市場が下げ止まったことで反発。またノリリスク・ニッケルへの投資判断引き上げを受け上昇を牽引した。MICEX指数は0.78%高の1780.62、RTS指数は上げきらず0.11安の2047.82で終了。ロシア市場引け後のNY原油先物市場は、25日発表の米週間石油在庫統計で原油在庫が3週連続で減少したことから急騰。76ドル/1b台で引けている。米国株式市場では、複数企業の好業績発表を受け反発。米地区連銀報告(ベージュ・ブック)で米経済の拡大が示されると上げ幅を拡大した。一方米国債市場ではいまだ信用リスクに関する懸念が払拭できず、10年債利回りはほぼ2カ月ぶりの低水準となった。
◆ロシア個別銘柄◆
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
昨日のクレディ・スイスに続き、本日はロシアの金融会社ALFA BANKが目標株価を36%引上げ、303ドル(約7727ルーブル)とした。同社のレポートによると、「ニッケル価格は5月の高値から40% 調整し、底入れの兆しがある。LION OREを買収したことにより、成長シナリオとグローバルな企業としての同社の知名度が高まった。」という。終値は2.00%安の5711.93ルーブル。
ガスプロム(GAZP)
今月末に総額100から200億ドル(1兆2,050億円から約2兆4,100億円)にのぼる30年物の社債を発行する計画があることが関係者から明らかになった。米国債に対するスプレッド(上乗せ金利)は220から225ベーシスポイント(2.20-2.25%)。25日は0.45%安の283.10ルーブルで取引終了。
ロシア統一電力システム(EESR)
ロシアの金融会社Veles Capitalが投資判断を"買い"とした。今年末の目標株価は1.7393ドル(約44.35ルーブル)。終値は1.43%高の35.564ルーブル。
レンエネルゴ(LSNG)
同社株を30%以上保有するフィンランドのエネルギー会社フォータムがそのうち3.3%を、親会社のロシア統一電力システム(50%超を保有)に売却した。同社は株式の追加発行を予定しており、ロシア統一電力システムは引き続き支配権を維持する方針である。25日は追加発行による株式の希薄化を嫌気して、2.33%安の40.191ルーブルで取引を終えた。
7月24日のロシア市場の動き
24日のロシア株式市場は、続落した原油先物市場の影響で下落。また石油メジャーBPの決算の中で、同社のロシアでの出資会社TNK-BPの利益率低下が嫌気され、下落がロシアの石油セクター全体に広がった。MICEX指数は30銘柄中29銘柄が下落する全面安となった。同指数は2.23%安の1766.928、RTS指数は1.97%安の2050.15で終了。ロシア市場引け後の米国株式市場では、米住宅金融最大手のカントリーワイド・ファイナンシャルの四半期決算が減益となり、同社が通期収益見通しを下方修正したことから、サブプライムローン問題がさらに悪化する可能性が示され、4ヶ月振りの大幅下落となった。またこれまで企業買収を通じて株式市場を牽引してきたレバレッジ・ファンドに対する審査基準引き上げで先行きに懸念が広がっている。一方NY原油先物市場は、石油輸出国機構(OPEC)が増産を示唆したことから続落。本日発表の米週間石油在庫統計を控え、利食い売りもひろがった。73ドル/1b台中盤で引けている。
◆ロシア個別銘柄◆
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
クレディ・スイスが目標株価を36%引上げ、335ドル(約8500ルーブル)とした。同社のレポートによると、「ノリリスク・ニッケルはロシアのみならず、世界的にも最も割安な金属・鉱山株のひとつである。」という。またロシアの新聞Vedomosti紙が伝えたところによると、監査前の社内データで2007年第一四半期で売上高が前年比倍増の34.3億ドル(約4125億円)、純利益同22%増の18.2億ドル(約219億円)となった。本日は上昇して始まったものの、ニッケル先物下落の影響もあって下落、終値は0.70%安の5600.19ルーブル。
ノヴァテック(CHMF)
ロシア最大の民営による天然ガス会社。ロシアの証券会社ルネッサンス・キャピタルが目標株価を15%引下げ、5.25ドル(約133.35ルーブル)とした。またVedomosti 紙は同社CEOが持ち株比率を従来から倍増させ、20.9%とした、と伝えた。同社は2005年のIPO以前にCEOを含め14人の社員の持ち株比率が63%であったという。24日の終値は3.72%安の143.46ルーブル。
7月23日のロシア市場の動き
23日のロシア株式市場は、電力、銀行など内需株主導で上昇。MICEX指数は0.88%高の1807.28と史上初めて1,800台で引けた。RTS指数は1.03%高の2091.26で終了。 ロシア市場引け後の米国株式市場は、薬品大手の好決算、海底油田・天然ガス田掘削最大手と第二位の合併など複数のM&A報道を好感して上昇。米長期金利は株式市場反発を嫌気して上昇。一方NY原油先物市場は、ロイター通信によるOPECのハミリ議長が石油価格高騰による世界経済への影響を懸念している、との報道に反落。74ドル/1b台後半で引けている。
◆ロシア個別銘柄◆
ロシア統一電力システムズ(EESR)
世界的な会計事務所デロイトの評価によると、子会社でモスクワ地域での電力販売会社Mosenergosbyt(モスエネルゴMSNGとは別会社)が先週末の時価総額のほぼ倍となる13億ドル(約1567億円)の企業価値がある、とロシアの有力紙Vedomosti紙が伝えた。Mosenergosbyt株はガスプロムが取得に動いている、との見方もあり、この2週間で約20%上昇している。親会社であるロシア統一電力システムズ株も連れ高して1.91%高の35.903ルーブルで取引を終えた。
ズベルバンク(SBER)
インターファックス通信が伝えたところによると、2007年上半期の収益が前年比31%拡大した(ロシア会計基準)。ズベルバンク株は先週実施された株式分割を実施と好業績を好感し、23日も続伸。先週末比2.44%高の112.17ルーブル。
ロスネフチ(ROSN)
先月、予定していた社債発行を断念した同社は、借入金を大幅に増やす、と関係者が明かした。旧ユコス資産購入により、多額の資金調達が必要となっており、借入金総額も当初計画の20億ドル(約2,410億円)から31億ドル(約3,738億円)に拡大する計画だ。借入先はABNアムロ、ゴールドマン・サックス、CITIグループ、BNPパリバなど世界最大手の投資銀行が顔を揃えている。前週末比0.72%高の223.99ルーブル。
ガスプロム(GAZP)
社債目論見書の中で、輸出契約量と国内供給量を確保するため、生産設備とパイプライン投資を拡大する必要がある、と明らかにした。当初同社経営陣は企業買収費用捻出のため今年の資本投資額を9%削減する計画を示している。投資計画の見直し案は7月25日に討議される予定。23日終値は0.46%高の292.16ルーブル。
ガスプロム・ネフチ(SIBN)
ガスプロムの石油関連子会社。2007年の投資総額を年初の538億ルーブル(約2,555億円)から644億ルーブル(約3,059億円)に上方修正した、とインターファックス通信が伝えた。これは2006年実績の472億ルーブル(約2,242億円)を36.4%上回る。23日は0.65%高の110.29ルーブルで取引を終えた。
セヴェルスタリ(CHMF)
ロシア大手鉄鋼メーカー。ドイチェ・バンクが今月18日に続いて再度目標株価を4.1%引上げ、20.30ドル(約515ルーブル)とした。23日の終値は2.61%高の460.00ルーブル。
7月20日のロシア市場の動き
20日のロシア株式市場は、世界的な株式市場の上昇とNY原油先物市場が76ドル/1bまで上昇したことを背景に史上最高値をつけて寄り付いた。しかしその後中国が政策金利を引き上げたことで、中国からの資源需要減退観測が週末前の利食い売りを誘発し、反落して引けた。MICEX指数は1816.88の史上最高値を記録した後0.45%安の1791.60、RTS指数は2088.04の史上最高値を記録した後0.06%安の2069.93で終了。 ロシア市場引け後の米国株式市場は、前日に史上最高値を記録したこともあり、複数の大手企業の決算がアナリスト予想に届かなかったことで大幅反落。また、米大手銀行の一角が貸倒引当金拡大を発表したことで、サブ・プライム・ローン問題が依然市場の懸念であることが示され、長期金利は大幅下落。米国株式市場は第二四半期の決算発表がピークを迎えており、今後発表される業績動向に一喜一憂する展開が予想される。
◆ロシア個別銘柄◆
ズベルバンク(SBER)
普通株1対1,000、優先株1対20の株式分割を実施し、18日以降一時取引停止となっていたが、20日に取引が再開となった。一気に流動性が増したため、出来高も急増した。終値は分割を考慮すると17日比2.26%高の109.50ルーブル
ロスネフチ(ROSN)
旧ユコス資産売却により、株主に払戻金が発生する可能性について、ユコスの破産管財人が言及。その中で、資産売却代金は8000億ルーブル(約3兆8,200億円)が見込まれるのに対し、負債は7090億ルーブル(約3兆3,860億円)であることが明らかとなった。負債の弁済が優先され、さらに課税負担が最終決定していないため、実際に株主に払戻金が支払われるかは依然不透明だ。ユコス株は現在も市場で取引されており(当社非取扱銘柄)、この日前日比14%上昇したものの、最高値より98%下落した水準である。旧ユコス資産の買収によりロシア最大の石油企業に踊り出たロスネフチは、原油先物市場反落の影響で株式市場下落を主導した。終値は前日比0.852%安の222.38ドル。
ガスプロム(GAZP)
7月月末の週に10億から20億ドル規模(約1213億から2426億円)のユーロ債発行意向を関係者が明らかにしたものの詳細は不明。格付けはムーディーズがA3,S_&Pがその2段階下のBBB。同社は3週間前に15年債を発行しており、10年物米国債とのスプレッド(上乗せ金利) は195ベーシスポイント(1.95%)となっている。20日は0.40%安の290.81ルーブルで取引を終えた。
ウィム・ビル・ダン食品(WBDF)
ロシア大手食品メーカー。ロシアの金融会社アルファ・バンクが投資判断を"買い"から"ホールド"に引き下げた。目標株価は98ドル(約2,488ルーブル)。20日の終値は0.70%高の2041.36ルーブル。
7月16日のロシア市場の動き
16日のロシア株式市場は、MICEX指数は0.08%高の1792.99、RTS指数は0.26%高の2066.74で取引を終了。ドイツ銀行による目標株価引き上げ報道を受け、ガスプロムやロスネフチ中心に石油関連株が上昇したが、その他主要銘柄は軟調に推移した。一方、米国株式市場は、ダウ工業株平均は4日続伸し43.73ドル高の1万3950.98ドルと3日連続の高値更新であったが、ナスダック総合株価指数は利益確定売りなどで反落し9.67ポイント安の2697.33で終了。ニューヨーク原油先物相場は続伸したが高値でもみ合う展開となり、期近物は前営業日比プラス0.22ドルの74.15ドルで引けた。
◆ロシア個別銘柄◆
ドイツ銀行、ガスプロムの投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げ
ドイツ銀行は、石油価格の上昇が世界最大の天然ガス会社ガスプロムが展開している新分野での利益拡大に寄与すると判断し、その投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。16日の同社の株価は1.6%値上がりし、292.22ルーブルで引けた。
ドイツ銀行、ロスネフチの予想株価を18%増に
ドイツ銀行はロシア最大の石油生産会社ロスネフチの予想株価を18パーセント引上げ14.50ドルとした。16日の同社の株価は1.2%値上がりし、224.31ルーブルに。
ノリリスク・ニッケル株価下落
ノリリスク・ニッケル(ニッケルの世界最大の生産会社)は、ニッケル価格がロンドン金属取引所で3日間続けて下落した影響を受け、約1.5パーセント値下がりし5508.41ルーブルに。
トランスネフチ株価上昇
OAOトランスネフチ(ロシアの原油パイプライン運営会社)は、7月13日に4.1パーセント上昇したが、16日は更に1.8パーセント値上がりし45,533.86ルーブルとなった。
PVM Oil Associates社によると、同社はバルト海沿岸にあるプリモルスク港へのパイプライン設置を計画しており、ハンガリー、スロバキア及び他のいくつかの中部ヨーロッパ諸国精練所への供給を削減するかもしれないとしている。
7月12日のロシア市場の動き
12日のロシア株式市場は、MICEX指数は2.89%高の1787.79、RTS指数は2.69%高の2049.18で終了。世界的な株高の流れに乗って上昇、史上最高値を更新して取引を終えた。 ロシア株式市場の引け後、米国株式市場が企業買収のニュースや小売大手の売上高が予想を上回ったこと、更に売り方の買戻しを誘発するなどしてダウ工業株平均は283.9ドル高と2002年10月以来の上昇幅となり、史上最高値を更新して13861.7ドルで引けている。原油先物相場も一時73ドル/1b台まで上昇するなどして依然堅調で、本日のロシア株式市場は更なる上昇期待が高まろう。
◆ロシア個別銘柄◆
ガスプロム(GAZP)
シュトクマン・ガス田の開発にフランスのトタルを選定したことを明らかにした。200億ドル相当の同プロジェクトを運営する会社のうち、トタルは25%の権益を獲得する。残りはガスプロムが保有するが、1社または複数の外国企業に24%の権益を提供する可能性がある。ガスプロムは既に欧州のガス需要の4分の1を供給している。11日の終値は3.06%高の284.19ルーブル。
ロスネフチ(ROSN)
昨日引け後ドイチェが目標株価を36%引上げて12.25ドル(約312.74ルーブル)としたことが好感され、大幅高となった。旧ユコスの製油所買収は同社の業績に大きく寄与し、また輸出税との兼ね合いで原油輸出より石油製品販売の方が利益率が高いため。4.61% 高の222.21ルーブルで取引を終えた。
ズベルバンク(SBER)
来週にも株式分割(普通株1,000分割、優先株20分割)が実施されることが明らかとなった。流動性向上を好感して史上最高値を記録。終値は2.74%高の106549.6ルーブル。
タトネフチ(TATN)
12日は主要銘柄の中で上昇率が最高であったが、引け後ロシアの証券会社Aton Capitalが目標株価を25%引き下げ、4.22ドル(約107.61ルーブル)とした。終値は8.86%高の136.46ルーブル。
セジモイ・コンチネント(SCON)
大手小売業者。2007年第二四半期の売上高が前年同期比34%増の3億3,600万ドル(約410億円)と発表。既存店売上高は11%増、一人当たりの購買額は11%増。12日終値は0.74%高の687.26ルーブル。
7月11日のロシア市場の動き
11日のロシア株式市場は、石油関連株を中心に上昇。MICEX指数は0.83%高の1737.63、RTS指数は0.90%高の1995.58で終了。クレディ・スイスがロシア株の投資ウエイトを引上げへ。クレディ・スイスは欧州・中東・アフリカへ投資するファンドの中で南アフリカのウエイトを下げ、石油価格上昇と割安感からロシアのウエイトを40%まで引上げるよう、推奨した。ロシア株のPERは11.3倍とカザフスタンに次いで世界最低の水準であり、また原油先物相場が年初から19%上昇しているのに対し、MICEX指数の伸びは2.6%に留まっている、とした。原油先物相場は一時73ドル/1b台まで上昇したものの、ロシア株式市場終了後、米国週間在庫統計のガソリン在庫が2週連続で増加したことを嫌気して小幅下落し、72ドル/1b中盤で取引を終えている。
◆ロシア個別銘柄◆
ロスネフチ(ROSN)
ロシア国内の空港周辺にジェット燃料ステーションを建設することでアエロ・フロートと合意。ロスネフチは航空会社向け販売拡大を狙う一方、アエロ・フロートはコスト削減効果を期待。本日はクレディ・スイスによるロシア株投資ウエイトの引上げによる上昇の牽引役となり、またドイチェが目標株価を36%引上げて12.25ドル(約312.74ルーブル)とした。0.80% 高の212.41ルーブルで取引を終えた。
タトネフチ(TATN)
ドイチェが目標株価を6%引上げて4.45ドル(約113.61ルーブル)とした。終値は1.10%安の5605.40ルーブル。
第4卸売電力(OGKD)
2006年度決算を発表。純利益は53.1億ルーブル(254億円)で黒字転換。一株当り利益(EPS)は0.185ルーブル(前年は0.002ルーブルの損失)。売上高は前年比20.5%増の261.1億ルーブル(約6,668億円)。11日の終値は1.84%高の3.21ルーブル。
ロシア統一電力システム(EESR)
シティー・グループが投資判断を"買い"から"Hold"に格下げ。目標株価は1.55ドル(約39.59ルーブル)で据え置。この数週間の上昇で上値余地が限られるとしている。終値は0.26%高の35.867ルーブル。
7月10日のロシア市場の動き
10日のロシア株式市場は、ロンドン金属取引所でニッケル価格が急落し、6ヶ月振りの安値をつけたことで、大型株であるノリリスク・ニッケル(GMKN)が下げを主導した。またNY原油先物価格が一時71ドル/1b台まで下げたことで、石油関連銘柄が下落。MICEX指数は1.74%安の1723.30、RTS指数は1.10%安の1977.85で終了。 ロシア株式市場終了後にNY原油先物価格は米製油所で予想外の施設閉鎖が続き、ガソリン生産が減少するとの思惑から再び73ドル/1b台まで上昇した後、72ドル/1b台後半で取引を終えている。米国市場ではスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が120億ドル(約1兆4640億円)相当のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン担保証券の格付けを引き下げ方向で検討すると発表したため、安全な投資先としての米国債の需要が強まり長期金利が急低下した一方、株式市場ではサブプライム住宅ローン担保証券関連の証券会社株や、住宅建設株中心に急落している。グローバルな株式市場への影響が懸念されている。
◆ロシア個別銘柄◆
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
ニッケル在庫の積み上がりが明らかとなり、需要減への思惑からロンドン金属取引所でニッケル価格が5.8%下げ、6ヶ月振りの安値をつけた。同社がロシア国内でダイヤモンド産出事業に乗り出すため、英BHP Billitonと共同で事業許可を当局に申請した、との報道があったものの、3.61%安の5402.93ルーブルで取引を終えた。
北西テレコム(SPTL)
サンクトペテルブルグ地域の通信会社。Telecominvest株15%を4.1億ドル(約500億円)で売却することが明らかになった。ドイチェ証券が、目標株価を11%下げ、2.52ドル(約64.36ルーブル)とした。終値は0.13%安の45.229ルーブル。
コムスター・ユナイテッド・テレシステムズ(CMST)
ロシアの証券会社Aton Capitalが投資判断を"Hold"から"買い"に格上げし、目標株価を17%引上げ11.60ドルとした。
10日にドイチェ証券が地域電力各社のカバレッジを開始しました。
第1地域電力(TGKA):投資判断は"Hold"、目標株価は0.0015ドル(約0.0383ルーブル)。終値は0.508%安の0.0401ルーブル。
第2地域電力(TGKB):投資判断は"Hold"、目標株価は0.0012ドル(約0.03065ルーブル)。終値は1.68%安の0.0293ルーブル。
モスエネルゴ(MSNG):モスクワ地域の地域電力会社。投資判断は"売り"、目標株価は0.21ドル(約5.363ルーブル)。終値は1.21安の5.97ルーブル。
第4地域電力(TGKD):投資判断は"Sell"、目標株価は0.0010ドル(約0.02554ルーブル)。終値は1.02%高の0.0297ルーブル。
第5地域電力(TGKE):投資判断は"Hold"、目標株価は0.0013ドル(約0.03320ルーブル)。終値は2.29%安の0.0341ルーブル。
第6地域電力(TGKF):投資判断は"売り"、目標株価は0.0009ドル(約0.02299ルーブル)。終値は0.60%安の0.0332ルーブル。
第8地域電力(TGKH):投資判断は"売り"、目標株価は0.0007ドル(約0.01788ルーブル)。終値は1.47%安の0.0335ルーブル。
7月9日のロシア市場の動き
9日のロシア株式市場は、国際エネルギー機関(IEA)による今後5年間の原油相場の高水準継続見通しにより、NY原油先物価格が一時73ドル/1bに上昇したことで、石油関連銘柄を中心に続伸。MICEX指数は1.10%高の1753.75、RTS指数は一時四月中旬以来となる2000台を回復し後1.28%高の199.87で終了。 IEAが半期毎に公表する最新の「中期石油市場報告」によれば、OPECの余剰生産能力が低水準であり、非OPEC加盟国の生産の伸びが鈍いことが大きな懸念となっている。IEAは、世界の原油需要が2012年までに平均で日量190万バレル増(年2.2%増)の9580万バレルに達すると予想。需要が最も大きく伸びるのはアジアと中東で石油とガスの価格上昇圧力は今後数年続くとの見通しを示した。
◆ロシア個別銘柄◆
ガスプロム(GAZP)
英フィナンシャルタイムズ紙において、ロシア最大の未開発天然ガス田であるシュトクマンガス田での200-300億ドル(約2兆4600億円から3兆6900億円)規模の開発事業に外資系企業の参加を認める方向で合意しつつある、とのメドヴェージェフCEOのコメントが報じられた。交渉相手は仏トタル、米コノコ・フィリップス、ノルウェイのスタトイルとノルスク・ハイドロである、と同紙は伝えている。1.18% 高の277.76ルーブルで取引を終えた。
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
ロンドン金属取引所でニッケル価格が2.1%下げ、5ヶ月振りの安値をつけた。5月の高値から3割以上下げたことになる。終値は1.10%安の5605.40ルーブル。
マグニト(MGNT)
UBSがソチで開催されるオリンピック関連銘柄として取り上げている。それによるとロシア第二位のスーパーマーケット・チェーンである同社は売上の14%をソチのある黒海沿岸地域であげており、ハイパーマーケットを8ケ所運営している。今後7年間の同地域での消費活動活性化の恩恵に与ることとなる。9日の終値は0.87%高の1160.31ルーブル。
モスクワ・シティ・テレフォン(MGTS)
INGが目標株価を44%引上げ43.70ドル(約1122ルーブル)とした。6日の終値は13.64%高の30.00ルーブル。
ロスネフチ(ROSN)
欧州系メジャー、ロイヤル・ダッチ・シェルと石油開発、精製事業など広範囲な内容での事業提携に合意した、と発表。同社旧ソ連時代の1982年以来となる石油精製設備の新設を2009年に控えており、経済面のみならず、技術面での協力が必要となった、としている。0.86%高の215.73ルーブルで引けた。
チェリャビンスク亜鉛(CHZN)
ロシア産の6割のシェアを持つ亜鉛生産会社。同社株取引の活性化を目指して、普通株の10分割を決定。これに伴う資金調達は無い。6日の終値は変わらずの160.00ドル。
7月6日のロシア市場の動き
6日のロシア株式市場は、週末前で利食い売りが先行したものの、北海油田の操業が一部停止するとの報により、NY原油先物価格が72ドル/1bに上昇したことで、石油関連銘柄を中心に小幅続伸。MICEX指数は0.31%高の1734.63、RTS指数は0.08%高の1974.66で終了。6日に発表された米雇用統計で、堅調な雇用情勢が発表されたため、利下げ観測が後退し、米国長期金利が再び上昇。グローバルな株価上昇の調整局面となる可能性がある。
◆ロシア個別銘柄◆
ガスプロム(GAZP)
英サンデイタイムズ紙のインタヴューで、メドヴェージェフCEOが時価総額で世界一を目指すことを明らかにした。世界初の時価総額1兆ドル(約123兆円)を目標とし、そのためにロシア国内の価格統制の撤廃、コスト削減、事業買収策等が必要との見通しを示した。6日の引け値ベースの時価総額は約2527億ドル。またドイチェが投資判断を"売り"から"Hold"に格上げ。目標株価も17%引上げ10.50ドル(約270.00ルーブル)とした。0.43% 高の274.52ルーブルで取引を終えた。
メチェル(MTLR)
2011年までに15億ドル(1,845億円)を設備投資に振り向け、2012年までに粗鋼生産を12%増やす計画。ロシア国内の需要に積極的に対応するため生産量の拡大に注力することをCEOが明らかにした。同社は製鉄事業でロシアのトップ5から陥落しており、市場では事業のもう一本の柱である石炭採掘に集中する、との見方もあった。終値は2日比で13.82%高の30.00ドル。
ノヴァテク(NVTK)
ロシア第二位の天然ガス会社。ドイチェがGDR(普通株10株に相当)の目標株価を12%引上げ75.00ドル(約1928ルーブル)とした。6日の終値は2.65%高の138.47ルーブル。
ラズグリャイ・グループ(GRAZ)
大手食品メーカー。ロシアの証券会社トロイカ・ダイアログが投資判断を"売り"から"Hold"に格上げ。目標株価も11%引上げ4.50ドル(約115.70ルーブル)とした。6日の終値は6.37%高の103.95ルーブル。
ヴィムペル・コミュニケーションズ(VIMP)
ロシア第二位の携帯電話会社。同社CEOが旧ソ連圏で総合通信サービスを手がけるゴールデン・テレコムに対する買収に積極的な姿勢を明らかにした。
7月5日のロシア市場の動き
5日のロシア株式市場は、2014年冬季オリンピックの開催地がロシア・ソチでの決定を好感し、関連銘柄を中心に上昇。MICEX指数は1.60%高の1729.26、RTS指数は1.54%高の1973.12で終了。 プーチン大統領がオリンピックに向け、120億ドル(約1兆4760億円)の支出を明らかにしたこともあり、ソチで事業展開する不動産業者、電話会社、電力会社などが物色。NY原油先物価格はアフリカ最大の産油国ナイジェリアでのイギリス人幼女誘拐事件が懸念され、72ドル/1bに上昇し、エネルギー関連株の上昇を牽引した。ロシア株式市場終了後、米国石油在庫統計でガソリン在庫が増加したことで一時70ドル/1b台まで売り込まれたものの、その後値を戻し71ドル/1b後半で取引を終えた。5日に発表された雇用統計との関連性が高いADP民間雇用者集計調査と6月の非製造業景況指数がいずれも市場予想を大幅に上回ったことで米国長期金利が急上昇している。欧州でも、英中銀が5日に利上げを実施し、金利上昇傾向にある、米国雇用統計がインフレリスクを示す内容となれば、世界的な長期金利上昇に拍車がかかり、株式市場からの資金流出につながることも考えられる。
◆ロシア個別銘柄◆
ガスプロム(GAZP)
ガスプロムとロイヤル・ダッチ・シェルの合弁事業「サハリン 2」は、サハリンの液化天然ガス(LNG)工場で試運転を開始。またこの日シティーグループが投資判断を"買い"に据え置いた。目標株価は15.60ドル(約401ルーブル)、5日は1.03%高の273.34で引けた。
南テレコム(KUBN)
オリンピック開催地ソチで固定電話サービスを手がける。オリンピック開催に伴い、固定電話需要拡大が見込まれる、との見方もあり上昇。終値は7.25%高の5,341ルーブル。
KUBANENERGO(KUBE) 当社非取扱銘柄
オリンピック開催地ソチで独占的に電力サービスを手がける。関連銘柄の代表として物色され、終値は17.18%高の965.47ルーブル。
Rusal (Russian Alyminiyum)
世界最大のアルミメーカー。この日年内の株式公開に向け準備中であることが関係者の発言から明らかになった。IPOによる資金調達予定額は90億ドル(約1兆700億円)で、これは5月のVTB銀行による80億ドル(約9,840億円)を上回り、今年最大のIPOとなる。
7月4日のロシア市場の動き
3日のロシア株式市場は、米国が独立記念日の休日ということもあり、小動き。MICEX指数は0.20%安の1702.04、RTS指数は0.18%高の1943.29で終了。NY原油先物価格は時間外取引でアフリカ最大の産油国ナイジェリアの石油施設が武装勢力の攻撃を受けたとの発表を受けて上昇し、71ドル/1b中盤で取引されている。ロンドン金属取引所(LME)の銅先物相場も需給懸念から上昇。ロシアへの資金流入拡大にはずみがついている。この日ロシア中央銀行(CBR)は、2007年上半期の資本流入額が670億ドル(約8.2兆円)となった、と公表。旧ユーコス資産売却や2大銀行(ズベルバンクとVTB銀行)による大規模な株式売出しが寄与した。CBRは年初に年間350億ドル、と予想していたが、この日イガンチエフCBR総裁は年間700億ドルへ上方修正。
◆ロシア個別銘柄◆
ノリリスク・ニッケル(GMKN)
ロンドン金属取引所(LME)の銅先物相場が現物引渡し用の銅在庫逼迫懸念で上昇。同取引所の指定倉庫の銅在庫は年初来40%減少している。銅産出も手がける同社は52週高値をつけ、0.86%高の5587.52で引けた。
スグルトネフチェガス(SNGS)
同社サイトが、ハッキングされ、一時閉鎖となった。ハッカーにより同社CEOが脱税容疑で収監された、という内容が同社サイト上に流出した。終値は0.27%上昇の29.287ルーブル。
アフトワズ(AVAZ) 当社非取扱銘柄
ロシアの最大の自動車メーカー。米ゼネラル・モーターズとの合弁会社の販売台数が前年比17%増の25,903台となったと発表。このニュースを好感して4日は5.02%上昇の4172.46ルーブルで取引を終了。
ウィン・ビル・ダン食品(WBDF)
フランスの世界的食品大手ダノンが同社持ち株比率を引上げたことが先日明らかになったが、ダノンは米クラフト・フーズから53億ユーロ(約8835億円)で同社ビスケット部門の買収提案を受け、今年後半にも合意の可能性があると公表。ダノンが売却資金を手に入れれば、ウィン・ビル・ダン食品株購入が加速する、との期待が高まっている。今週に入りウィン・ビル・ダン社株は、17%以上上昇。4日の終値は4.62%高の2229.56ルーブル。
7月3日のロシア市場の動き
3日のロシア株式市場は、世界的な株式市場の上昇の波に乗って2日続伸。MICEX指数は1.35%高の1705.49、RTS指数は1.47%高の1939.84で終了。 鉄鋼大手セヴェルスタリが前日好決算を発表したこと、更に米大手証券ゴールドマン・サックスが鉄鋼セクターを"魅力的"と買い推奨をしたことで、鉄鋼関連銘柄が大幅高。エネルギー・セクターもNY原油先物価格の上昇を受け堅調に推移。ロシア株式市場終了後もNY原油先物価格は引き続き底堅く71ドル/1b台で引けた。本日は米国が独立記念日の休日でグローバルな投資家が取引を控えるため、薄商いとなろう。
◆ロシア個別銘柄◆
セヴェルスタリ(CHMF)
米大手証券ゴールドマン・サックスが、今後のロシア経済発展の局面において、鉄鋼部門が主導することになろう、とする調査レポートを公表した。それによるとロシア経済発展に伴う再開発投資(既存ビル・工場・鉄道網など)の必要性から、膨大な鉄鋼需要が見込まれる。同社は同時に鉄鋼セクターのカバレッジを開始し、セヴェルスタリ(目標株価$16.80-約432ルーブル)、Evraz Group(目標株価$54.20-GDRのみの上場)、マグニトゴルスク製鉄(目標株価$18.00-約463ルーブル)の投資判断を"買い"とした。3日の終値は6.35%高の394.51ルーブル。
ルクオイル(LKOH)
CEOで同社の大株主でもあるアレクペロフ氏が14億ドル相当の同社株を購入、一方同社取締役のツベツコフ氏が12.3億ドル相当を売却したことを発表した。これによりアレクペロフCEOの持ち株比率は19%となった。インサイダーである同氏の株式買い増しは同社の先行きに楽観的な見方を市場に与え、同社株は2.55%高の2015.46ルーブルで取引を終えた。
3日、大手証券会社ドイチェ・バンクがロシアの通信銘柄の目標株価を一斉に引上げ。
ウラル通信情報(URSI):目標株価を13%引上げ、0.09ドル(約2.313ルーブル)。投資判断は"買い"。2.88%高の1.646ルーブルで取引を終了。
ヴォルガテレコム(NNSI):ADR(普通株2株相当)の目標株価を9%引上げ、8.74ドル(約225ルーブル)。投資判断は"買い"。終値は5.41%高の140.96ルーブル。
中央テレコム(ESMO):目標株価を43%引上げ、1.46ドル(約37.52ルーブル)。終値は1.84%高の24.339ルーブル。
北西テレコム(SPTL):目標株価を45%引上げ、2.83ドル(約72.73ルーブル)。終値は2.66%高の45.383ルーブル。
南テレコム(KUBN):目標株価を20%引上げ、0.30ドル(約7.71ルーブル)。終値は0.99%高の4.907ルーブル。
極東電気通信会社(ESPK):目標株価を65%引上げ、8.44ドル(約216.91ルーブル)。終値は2.33%高の128.89ルーブル。
7月2日のロシア市場の動き
2日のロシア株式市場は、鉄鋼大手セヴェルスタリの好決算、NY原油先物相場が71ドル/1b台まで上昇したことを好感し、上昇。MICEX指数は1.00%高の1682.69、RTS指数は0.74%高の1911.75と10日振りの1900台で終了。 ロシア株式市場終了後、NY原油先物価格は一時70ドル/1bを割り込んだものの、夏場に向けたガソリン需要の増加、米国での製油所稼働率上昇による石油精製量の拡大により今後原油在庫が逼迫する、との見方が根強く、終値でも10ヶ月振りの71ドル/1bを記録。イギリスでの連続テロの拡大懸念も月曜日には沈静化し、「質への逃避」が米国長期金利低下を招いたこともあって、グローバルな株式市場への悪影響はいまのところ限定的だ。
◆ロシア個別銘柄◆
セヴェルスタリ(CHMF)
2007年第一四半期決算を発表。建築ブームや自動車生産増大などによる旺盛な需要を背景に鉄鋼価格が高水準に推移し、イタリアの製鉄子会社Lucchiniの好業績も大きく寄与した。売上高は35%増の38億ドル(約4674億円)、純利益は83%増。同日の投資家向けコンファレンス・コールでCFOのノスコフ氏は生産拡大と高品質化投資のために今年の投資額を15億ドル(約1845億円)とする計画を公表した。2日の終値は2.46%高の370.94ルーブル。
ガスプロム(GAZP)
金融子会社のガスプロム・バンクが決算を発表。純利益は前年比3倍の13億ドル(約1599億ドル)、資産は75%増に拡大した。親会社であるガスプロムは1.71%高の271.99ルーブルで取引を終えた。
ロスネフチ(ROSN)
旧ユーコスの資産である石油会社Tomskneftの株式50%をVnesheconombankに売却したと発表。
売却額は明らかにしていない。Vnesheconombankも政府との関係が強いことから、ロシア政府の関与を指摘する向きもある。国営会社であるロスネフチは旧ユーコス資産の購入を進めてきたが、借入金が増大している。その返済のため、今月にも欧米で最高50億ドル(約6,150億円)のユーロ債発行を予定している。本日英フィッチは同社の社債格付けをそれまでのBB+から投資適格レベルのBBB-に格上げした。0.20%高の205.11ルーブルで取引を終えた。
メチェル(MTLR)
大手鉄鉱石・石炭採掘会社。創業者である取締役会長イオリッチ氏が退任し、後任をプロスクルニャ氏とする人事を発表。終値は1.99%安の12.30ドル。
ウィン・ビル・ダン食品(WBDF)
フランスの世界的食品大手ダノンが同社株の持ち株比率を4.6%引上げ、18.4%としたことが週末明らかになった。本日はこのニュースを好感して、一時2060.00の上場来高値を記録した後、6.64%高の2030.20ルーブルで引けた。