ロシア経済トピックス
【経済トピックス】ロシア政府:大陸棚開発事業の促進へ
ロシア天然資源・環境省は、大陸棚の開発に関する法改正に取り組んでいる。同省のドンスコイ次官によると、法改正によって、資金力・技術力を有する外国企業も、ロシア企業と同じく、ロシア大陸棚の油田開発に参加できるようになる。ガス田開発についても、同様のルールが適用される。ドンスコイ次官は、法改正の目的について、「大陸棚開発事業を促進するには、参加対象枠の拡大を始めとした法改正が必要だ。」と述べている。
ロシアの地下資源法は、アメリカやノルウェーの法律に倣っているため、ロシア特有の地理的要素(ノルウェーの場合、油田は全て海底油田だがロシアに海底油田はない)やロシアの石油・ガス市場の特長が勘案されていない。大陸棚に関する現行の法律は、サハリン1プロジェクトで外国企業と提携した経験を受けて見直されたものである。コンサルティング会社Salansの法律顧問であるIvanova氏によると、当時の見直しによって、ロシア国内の開発事業に対する外国企業の出資が制限された。
天然資源・環境省のドンスコイ次官は、大陸棚の開発事業における外国企業の参加に関する制限の一部撤廃について、予算に限りがあることを念頭に置かなければならないとしている。同次官は、資金調達に政府保証を付与する余裕があり、企業の株主に既存事業及び新技術確立のための資金力があれば、法改正の必要性はなかっただろうと述べている。
また、天然資源・環境省は、毎年50億ルーブルを大陸棚開発事業に充当することを提案している。しかし、これだけでは、大陸棚開発の一部にも満たないだろう。天然資源及び周囲の環境に関する政府委員会のデータによると、シュトクマン鉱床の開発に投下された2009年の投資額は371億ルーブルである。イワノフ副首相は、こうした投資について経済的な根拠を示すよう求めている。同副首相によると、2011-2013年の予算審議までに、北極海及び大陸棚開発における資金調達の優先順位が決まる見通しである。
UniverのアナリストであるAleksandr氏は、大陸棚に関する法律が外国企業の参加を促進する方向に改正されることを必要な措置であると考えている。同氏は、外資比率を10%以内に制限する規制がなくなれば、ルクオイルが大陸棚を開発することも可能になる(先日、コノコフィリップスがルクオイルの持分比率を引き下げる意向を発表)。
また、コノコフィリップスのマルヴァ会長は、先日、アメリカで行われた記者会見で、ロシア政府が大規模油田・ガス田の開発を請け負う企業を選定する際にガスプロムやロスネフチといった国営企業を優先していることによって、ロシアでは、民間企業の発展が阻害されていると述べた。
天然資源・環境省が作成している法律の改正案により、ロシア国内における外国企業の事業に対する制限は一部解消されることになるだろう。しかし、改正案がいつ採択され施行されるかは不透明である。外国企業は、当然のことながら、大陸棚を含む開発事業に関する協議を政府と行っている。しかし、ロシア政府が法改正に時間をかけてしまうと、企業側の関心はより有利な事業案件に移ってしまうだろう。
2010_04_01L