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プーチン首相:「最悪期は脱出。完全克服には努力が必要。」

 12月3日、プーチン首相は、毎年恒例の生放送番組「ウラジーミル・プーチンとの対話・続編」で、国民の質問に答えた。今回、質問受付センターには、200万件以上もの質問が寄せられた。

20091204topic.jpgプーチン首相は、ロシアのみならず、世界経済全体として、2009年は、非常に厳しい年であったと述べた。しかし、同首相は、金融危機の最悪期はすでに乗り越えており、経済にもポジティブな傾向が見えているとした。また、2009年におけるロシアのGDPについて、一部の専門家は10%の低下を予測しているが、8.5-8.7%の低下となる見通しであると主張。その上で、プーチン首は、金融危機を克服するには、まだ相当の時間、努力、資金が必要であるとの見解を示した。同首相は、「2010年の第1四半期、第2四半期には、まだ、実感として、金融危機が尾を引くだろう。」と述べている。

プーチン首相は、2009年通期としてのインフレ率が約9%とまずまずの数値になるのではないかと予想している。同首相は、「1998年の経済危機時と比較すると、当時のインフレ率は84%にも達していた。そして、当時、国民の貯金の殆どが失われた」と指摘。翻って、現在は、外貨準備高が再び増加に転じており、貿易収支も黒字であると言及した。プーチン首相は、「これらは、我々が問題を是正してきたことを示している。」と述べた。

プーチン首相は、2009年通期としての鉱工業生産のマイナス幅を13%と予測している。一方、一部のセクターについては、良好な実績が見込まれるとした。例として、農業セクターは0.5%、防衛産業セクターは3.7%、ロケット・宇宙産業は13%の成長率が予想される。

また、政府には、電力産業の発展に関する綿密な計画がある。プーチン首相によると、今後数年間で、ロシアには、30の原子力発電所が建設される予定である。また、既存の電力関連計画も、実行される見通しである。今後2年のうちに、ロシアには、10万メガワットの発電施設が導入される予定であり、プーチン首相は、順調なペースだと考えている。これにより、国内の石炭需要が伸び、石炭産業の回復につながるとしている。

プーチン首相は、公的支援の優先対象として、特に民間の航空機製造業を挙げた。政府は、統一航空機製造会社に対して、数10億ルーブルの資本注入を行っており、さらに、債務再建のために、460億ルーブルを拠出すると述べた。

政府は、2010年も、特に、地方自治体向けの各種機器買い付け計画を通じて、製造業に対する支援を継続する。この他、政府は、10年以上経過した中古車の買い上げに100億ルーブルを拠出する。また、プーチン首相は、欧州企業との提携により、ロシア企業の製品が刷新される見通しについても、ポジティブな見方を示した。同首相は、アメリカ企業と提携したカマズのエンジン生産を有望視している。また、プーチン首相は、アフトワズも救済可能であると考えている。アフトワズについては、世界基準レベルで、車種のモデルチェンジを図ることができる見通しがついている。プーチン首相は、政府が500億ルーブル、そして、ルノーが技術・設備・ノウハウを供与する形で、アフトワズの救済にあたることを説明した。

また、いわゆる企業城下町については、状況次第で、プーチン首相自身がピカリョヴォやその他の各都市に足を運ぶと述べた。しかし、同首相は、現在のところ、そのような必要性はないだろうと考えている。プーチン首相によると、近いうちに、ピカリョヴォで働く従業員は、2010年の契約を締結する見通しである。その上で、プーチン首相は、企業城下町の問題を根本的に解決するには、経済の多角化が必要だと述べた。

今回の「プーチン首相との対話」では、鉱工業セクターに焦点が当てられた。前回は、各市町村の特別質と中継が結ばれたが、今回カメラが設置されたのは、各企業の工場であった。そして、プーチン首相は、工場労働者に対して、何度も感謝の言葉を口にした。

また、プーチン首相は、社会環境の向上にも言及した。2009年には、年金の実質支給額が13-14%増額された。実質所得は低下したものの、0.4%の減少で済んだ。プーチン首相は、「我々は、国民所得を維持することができた。給与水準はほぼ2008年の水準にある。」と述べた。2010年には、年金支給額が46%増加する。これにより、最低生活費以下の所得しかない年金生活者はなくなる見通しである。この他、政府は、明年、住宅ローンの問題にも取り組み、金利を10-11%に引き下げるため、2500億ルーブルを拠出する予定である。

プーチン首相は、ロシア経済の大きな問題は、その非効率的な構造にあるとした。同首相は、「ロシアの経済構造はエジプトのピラミッドのようだ。力強いが、硬直的で、変化についていくことができない。」と例えた。

国民との対話で、話題に上った国際的テーマは、関税同盟の設立、及び、WTO加盟の予定に関することだった。プーチン首相は、ロシアにとって、最大の課題は、旧ソ連圏の統合であると言及した。同首相は、「関税同盟は、経済分野での成果はもちろん、実生活にも好影響をもたらすだろう。」と述べている。また、WTO加盟についても、ロシアの戦略的課題であるとしながら、アメリカを始めとする数ヵ国がロシアのWTO加盟を妨害していることに触れた。しかし、プーチン首相は、関税同盟を創設した後には、関税同盟、或いは、ロシア単独でWTOに加盟する考えを示した。

仕事に疲れていないか、休暇を取って家族と過ごしたくはないかという質問に対して、プーチン首相は、「引退は期待しないで下さい。」と手短に答えた。2012年の大統領選に立候補する可能性も否定していない。

FINAM

2009_12_07L


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