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ロシアの石油企業:ベネズエラの油田開発に参入

 2月1日、ロシアとベネズエラは、オリノコ川流域のフニン第6鉱区における原油採掘にロシア企業が参加することで、一連の合意を締結した。特に、ベネズエラの原油を採掘するための合弁企業をロシア国営石油会社コンソーシアムと設立する協定が交わされた。この合弁会社には、ガスプロム、ルクオイル、ロスネフチ、スルグトネフチェガス、TNK-BPとベネズエラの国営企業であるペトロレオス・デ・ベネズエラが入る。

20100203topic.jpg今回の協定によると、合弁会社の権益は、ロシア国営石油会社コンソーシアムが40%、ペトロレオス・デ・ベネズエラは60%である。合意文書では、今後40年間に渡るフニン第6鉱区の開発を想定している。ロシアの石油企業は、同鉱区の開発に200億ドルを投下する。開発事業は、今年中にも開始される見通しである。

フニン第6鉱区の原油埋蔵量は51億6000トンで、地質埋蔵量は88億3000トンと評価されている。専門家によると、これは非常に大きな規模である。FINAMのアナリストであるEremin氏の評価では、フニン第6鉱区の埋蔵量は、サハリンとカムチャッカの大陸棚の埋蔵量合計に匹敵する。

ロシア最大手の石油企業がこのコンソーシアム事業のためにまとまっていることからも、ロシア企業にとって、ベネズエラの事業が重大であることが分かる。Eremin氏は、「ロシアの大手石油企業5社が、国外でコンソーシアムとして結集した例はこれまでない。」と述べる。ロシアとベネズエラの合弁石油企業は、今年の年末にも、事業を開始することが見込まれる。Arbat CapitalのGromadin氏は、「オリノコ川流域全鉱区の埋蔵量が国際的に承認されれば、ベネズエラの原油埋蔵量は世界最大となる可能性がある。」と述べる。

もっとも、ベネズエラで石油企業が事業を行うことには、大きな政治的リスクがある。投資会社Capital Investment GroupのアナリストであるKryukov氏は、「こうした関係は、政治的基盤に基づくもので、チャベス大統領との合意に依存している。これまでにも、アメリカとの政治的対立が先鋭化したとたんに、アメリカの石油企業がベネズエラから国外退去となった例があった。ベネズエラの政治体制が変わったり、政治レベルで軋轢が生じたりした場合、ロシア企業も同じような目に遭う可能性はある。」と考えている。

多くの専門家は、産油国(イラク、イラン、ベネズエラ等)における政情不安は、原油採掘に対する投資の減退を招き、それによって、石油不足が起こる可能性もあると考えている。

しかし、そうしたリスクは、ロシアとベネズエラが包括的な協力関係を構築していることによって、解消されるだろう。Arbat CapitalのGromadin氏は、「両国には、油田開発に加えて、武器や自動車産業といった他の分野でも協力関係がある。また、今後、ロシア企業は、ベネズエラで発電所建設に関わる可能性がある。こうした両国の関係は、ロシア石油企業にとっての政治的リスクを大きく緩和している。」と述べる。

セチン副首相も、ロシアがベネズエラと経済協議を続けていく方針であると言及している。同副首相によると、すでにロシアは、アフトワズの自動車2500台を供給する契約に合意する旨をベネズエラ側に伝えている。また、アフトワズ以外のロシア自動車メーカーの自動車を供給する可能性もあるとしている。ベネズエラにとって、こうした援助は都合が良いとしか言いようがない。ベネズエラの自動車価格は、アメリカの自動車価格の3倍もする。

それに加え、ロシアの指導者層は、両国の経済面に特化して焦点を当てようとしている。ロシアの政府高官は、チャベス大統領とアメリカの関係については取り合わないようにしている。ロシアにとって、アメリカやEUと協議ができる体制を維持することは重要である。ベネズエラ側も、ロシアと政府的諸問題で相互理解を得ることには固執していない。ロシアが持っている油田開発技術は、ベネズエラにはないのである。

FINAM

2010_02_05L


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