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ガスプロム展望:ガス田開発事業の先行きは?

20100209topic.jpgシュトクマン・ガス田開発の第1段階を行うShtokman Development AG(出資比率はガスプロムが51%、フランスのトタルが25%、ノルウェーのスタトイルが24%)の取締役会は、同ガス田の開発を3年間延期し、2016-2017年とすることを決定した。ガスプロムは、「ガスパイプライン建設に関する最終的な投資判断は、2011年3月に決定することが予定されている。また、液化天然ガス生産の第2段階開発に関する決定は2011年末を予定している。こうした取り組みにより、2016年にはパイプライン輸送を行うためのガス採掘を開始し、2017年には液化天然ガスの生産を確立することができる見通しである。」としている。

シュトクマン・ガス田操業開始の延期は、全体的な需要の低下、及び、供給先となるはずであったアメリカ市場における供給過剰という現在の市況を鑑みたものである。多くの専門家は、この先も、開発時期に遅れが出ることは少なからずあるだろうと考えている。MetropolのアナリストであるNazarov氏は、「将来的な増産のためには、シュトクマン・ガス田の開発が必要である。しかし、現在の市況では、シュトクマン・ガス田における生産原価からすると、この投資事業の元を取ることは難しい。開発事業が延期された最大の理由はこれである。」と述べる。同氏は、今後数年間における増産のためであれば、ガスプロムとしては、ボヴァネンコヴォ・ガス田だけで十分間に合うとの見解を示している。

Arbat CapitalのGromadin氏は、2012年にもガス市場は回復し、その頃には、ガスプロムも、バレンツ海のシュトクマン・ガス田開発に難無く着手することができるだろうと予想している。今後のシュトクマン・ガス田開発事業の見通しについては、ガスプロムの提携企業であるスタトイルとトタルも注目しているが、両社とも、この開発事業から近いうちに手を引くつもりはないと発表している。

一方、世界のガス市場は大きな変貌を遂げている。このため、シュトクマン・ガス田のガスが、今後、欧州での買い手を当分獲得することができなくなってしまう可能性もある。例えば、欧州市場では、カタール産液化ガスより、バレンツ海大陸棚から産出されるロシア産液化天然ガスの方が高くなるだろう。

ガスプロムが操業開始を延期したのは、シュトクマン・ガス田が初めてではない。これまでにも、ガスプロムは、大規模ガス田であるボヴァネンコヴォ・ガス田(ヤマル半島)の操業延期を発表してきている。また、新たな油田の開発に多額の投資を行わなくても、ガスプロムは生産量を増加することができると指摘する専門家もいる。アナリストの試算によると、ガスプロムの開発済みガス田における新規坑井の内部利益率は34%である。つまり、ガスプロムは、開発済みガス田の効率性を向上させることが十分にできるという結論が導かれる。

ガスプロムは、経費削減に注力しつつも、アルジェリア、リビア、ベネズエラ、ベトナム、インドを始めとする海外のガス田開発を積極的に行っている。海外における生産コストは、ロシア国内よりも低い。もっとも、海外の事業だと、国内産地を開発する時のように、ガスプロムが自由を謳歌することはできない。また、海外の資源開発には、政治的リスクもある。

FINAM

2010_02_09L


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