ロシア経済トピックス: 2007年7月
選挙を控えた株価上昇
証券市場、国の支援策に期待か?
2007年7月13日(金)付け
ロシア株式市場が上昇を続けるなか、昨12日、RTS指数が過去最高値の2049.56ポイントを記録。来年3月に選挙を控えたロシアでは、証券市場の動向が選挙前活動の一要素とされる可能性もある。昨年以来実施された3企業(訳注:ズベルバンク、ロスネフチ、外国貿易銀行)のIPOに多くの国民が参加したため、政府は株価上昇のための支援策を取らざるを得ない。政策投資の兆候は既に現れていると各アナリストは評している。
RTS指数は昨日だけで2.7%上昇し、過去最高値を2049.56ポイントで更新。前高値は4月16日(2008.42ポイント)に更新されたが、その後1700台まで下落。以来、好調に転じ再度最高値を更新するまで約3ヶ月を要した。
この2週間、ロシア企業の株価は上昇を持続、RTS指数は7.5%上昇した。市場関係者は、高い流動性と各企業の潜在性に要因があるとしている。「今年上半期の市場には、充分な資金が流通していなかったが、現在では増大し、国内の各機関投資家による株式ポートフォリオ投資枠も見直された」(アルファバンク・トレーダー)
また、2014年の冬季オリンピック開催地としてソチが選ばれたニュースも市場を活性化させた。「今回のソチ決定によって、ロシアに対して、これまで向けられていた期待を更に上回る楽観的な見方が明らかとなった」(ドイツ銀行・主任エコノミスト)
今回の指数上昇は石油ガス銘柄の株価上昇による。昨年末から今年初めにかけて低迷を辿った石油ガス関連株に投資家が消極的になったことが災いし、第2四半期を通じてかやの外にあり、つい最近まで、モスクワ銀行設定適正価格の30%から40%低い価格で取引されていた。
昨日の取引で再び上昇基調となった石油関連株として、ロスネフチ(RTSで+4.79%)、ガスプロム(同+3.04%)、ルクオイル(同+2.69%)、スルグトネフチガス(同+1.8%)が挙げられる。「長い間、投資家は、石油が最高値に近い価格で取引されている事実に目を向けていなかった。」(モスクワ銀行・株市場分析部)最近になって各証券会社は石油価格及び株価予測を見直した。 昨日取引されたブレント原油は79ドル(/バレル)台となり、昨年8月の最高価格を上回った。ウラル石油も同日76ドル(/バレル)に達し記録を更新した。
一方で、取引関係者は、これらの基礎的要因のほかに投機による可能性も指摘している。「いくつかの兆候から、相場を維持するため、国家資金が市場へ流れたことがわかった。この現象は市場変動に好影響を及ぼしている」(CITファイナンス・資本市場取引部)
昨年IPOを実施した3企業は、当初期待された利益を未だ投資家にもたらしておらず、その中でもロスネフチに関しては、ルーブル建相場が年間で4.5%しか上昇せず、金利よりも低い数値となっている。
「選挙前運動の反対派勢力がこの状況を利用する可能性がある。現政権に対する国民支持率を維持する目的で、IPOに参加した投資家たちに利益をもたらすよう相場を維持する決定がなされた」(某投資会社)
このような現状における今後の市場変動は予測可能なものである。外国投資家が戻ってくることも考えられる。昨日、クレディ・スイスでは国別投資の中で南アフリカ向けのウエイトを下げ、ロシア向けポートフォリオの配分を40%まで引き上げた。「これは投資家がロシア市場に対して再び確信を高めたことの表れ。基本予測によると、石油の高価格及び安定した市場の肯定的な動きは維持されるであろう。今夏の終わりまでに上昇率の鈍化が起こる可能性もあるが、前進的な成長は保持されるはずである」(UFG Asset Management)
MICEX取引所、2007年も大躍進。個人投資家数は84%増
2007年7月11日
MICEX株式取引所における2007年上半期の総取引額は12兆5,800億ルーブル(約60兆円)に達し、前年同期比2倍となった。最も取引額が多かった銘柄はロシア統一電力システムで、それにガスプロム、ズベルバンク、ノリリスク・ニッケルなどが続いている。MICEXでは300銘柄が取引されており、6月30日現在、その市場時価総額は24.86兆ルーブル(約118兆円)に達し、前年同期比1.5倍となった。ロシア株式市場の隆盛はMICEX指数にも反映し、4月16日には1777.84の史上最高値を記録した。この上半期にMICEX指数の見直しを図り、指数採用銘柄数を21から30に拡大した。投資信託のベンチマークとなる株価指数として、MICEX指数の開発部門ではロシアの法的必要条件のみならず、米国の法的必要条件やEUの投資信託指令(UCITS)にも配慮している。MICEXではセクター別指数〔MICEX O&G(石油・天然ガス)、MICEX PWR(電力)、MICEX TLC(通信)〕の算出も開始した。また新規株式公開(IPO)による資金調達額は218億ドル(約2兆6,487億円)にのぼり、ロンドン証券取引所についで世界第二位となった。
特筆すべきは個人投資家の参加で、MICEXの取引参加社503社に46万超の投資家が登録している。うち42万5,000人が個人投資家で、年初の23万1,000人から84%増加した。
2014年の冬季オリンピック、ロシアのソチに決定
2007年7月9日
2007年7月4日にグアテマラシティにおいて開かれた第119次IOC総会で、2014年の冬季オリンピック開催地がソチに決定しました。
ソチは黒海に面したロシア有数のリゾート地でロシア連邦クラスノダル地方の都市です。人口は約40万人、ソビエト連邦時代に保養地として整備され、かつてはソビエト連邦の要人たちの別荘がありました。今でもプーチン大統領ほかロシアのセレブのみならず、年間数百万人の観光客が同地を訪れます。また近辺の西コーカサス山脈はユネスコの世界遺産に選ばれています。
スポーツ設備も充実しており、テニス・スクールはマリア・シャラポワを輩出したことで有名です。
【オリンピック関連銘柄】
7月5日、ロシア株式市場では2014年の冬季オリンピック開催地がソチに決定したことで、関連銘柄が物色されました。現状ソチではオリンピック施設はほとんど存在していません。施設建設が大々的に始まることで、本来建設株が賑わうところですが、ロシアには有力建設業が上場していませんので注意が必要です。
当社でオリンピック関連企業を一部作成してみました。(アルファベット記載企業は当社非取扱銘柄です。)
-南テレコム(KUBN)------ソチ近隣で固定電話サービスを手がける。
-セヴェルスタリ(CHMF)------大手鉄鋼メーカー。資材関連として。
-KUBANENERGO(KUBE)------ソチで独占的に電力サービスを手がける。
-Aeroflot(AFLT)------航空需要増加への期待
-Open Investments(OIVS)------ソチで事業展開するロシア全国でも有数な不動産業者
-Sistema-Hals(HALS)------ソチでリゾート施設を運営する子会社を持つ不動産業者
この他にロシア経済全体が大きく成長することを期待すれば、銀行株なども有望でしょう。
