ロシア経済トピックス: 2007年10月
外国からの再投資
ロシアが記録更新へ:年初から非金融部門に対して367億ドル
2007年10月9日(火)付け
ロシア中央銀行が行った国際収支概算によると、1月から9月までの非金融部門への外国直接投資(FDI)額は367億ドルとなり、昨年全体投資額(280億ドル)の31.1%増、同期比では42.2%増となった。
中央銀行によると外国直接投資(FDI)はこれまで不安定な動きをしており、四半期での資本流入が次四半期では流出していた。しかし、今年は、各四半期における流入額が121億ドルから134億ドルの範囲で平均化している。もし、今年の第4四半期のFDI額が120億ドルになれば、FDI割合はGDPの4%を占めることになる、とDeutsche UFGエコノミストのLisovolik氏はコメント(2006年は2.8%)。
尚、上半期における対銀行のFDIは31億ドル(第3四半期データは未計算)。
この1年間でロシアは約450億ドルのFDIを受けることになる、と予測するのは前述Lisovolik氏及び発展センターのPukhov氏で、FDI累積額は1,100億ドルを超えるとしている。2年前の同指標は2分の1以下の500億ドルだった。
ロシアがFDI上位10ヶ国にランクされたのは2004年、そしてこの2年間における爆発的なFDIの伸展により、ブラジル、メキシコ、ポーランドをかけ離した。外国直接投資国としてトップを占めるのは、米国(UNCTADデータによる昨年FDI額は1,773億ドル)及び英国(同1,698億ドル)。年総括では、ロシアがフランスや中国の後に続き5位から6位、香港とほぼ同順位になるのではないかとの見込みがある。
上半期(1月-6月)のFDIの3分の1(85億ドル)は、外資系企業の利益剰余金で、再投資されたものである。2006年の場合は、この割合が44%でより高いものであったが、FDI額も少なかった、とPukhov氏は言及。2005年に関しては、FDI総額90億ドルのうち82%が再投資分であった。
世界の金融市場における流動性の問題で外国人投資家が収益の一部を回収した可能性があるため、第3四半期における再投資は減少している恐れがあるが、第4四半期は落ち着いたものとなり、ロシアにおける外国人投資家の収益は拡大、再投資額も上昇する、と同Pukhov氏は予測。
2000年以降、収益は安定した伸びを見せ、その全ては再投資されている、と穀物工場Zvezdny(Fazer社所有)社長Melnichenko氏も請合う。
外国からの対ロシア投資への関心を高めることに貢献したのはロシア統一電力システム、と述べているのはMergers.ru執行取締役のIgnatishin氏。大口取引として、E.Onによる第4卸売電力株69.3%購入(59億ドル)、Enelによる第5卸売電力株29.9%購入(18億ドル)が挙げられる。また、EniとEnelはユコスのガス事業を58億ドルで取得している。第1-第3四半期の間に外国人投資家がロシアにおいて取得した資産は141億ドル相当となり、2006年同期比で2.6倍の拡大。
第3四半期には世界金融市場における問題があったにも関わらず、Absolut Bank株92.5%のKBC銀行(ベルギー)への売却(10億ドル)やAton BrokerのBank Austria Creditanstalt AGへの売却(4億2,400万ドル)といった大口取引があった。
情報提供:FINAM Investment Company
Fradkov氏のMICEX訪問
2007年9月6日(木)付け
近年、証券市場の動向が政治家の注目を集めている。昨日Fradkov首相はモスクワ銀行間通貨取引所 (MICEX)を訪問し、その後ロシア連邦金融市場局にて会議が開催された。グローバル危機と一般国民の証券市場に対する興味、これらが政府の関心事となっている。
首相による取引所の訪問は1994年のChernomirdin氏の訪問以来、13年ぶりになった。Fradkov氏はモスクワ銀行間通貨取引所のトップマネージャーからテクノセンターや取引所ホール、資料館などを案内された。首相は「遠距離からアクセス可能な保護された地域間情報ネットワークが展開している」状況に深い関心を示した。
Fradkov氏は個人投資家の増大とグローバルな金融危機という二つの要素が非常に重要であると述べ、「これはアメリカとアジアの金融市場における最近の動向と関連し、今後ロシアの経済にどのような影響を与えるのかという課題となる」と指摘した。さらに「ロシア経済の土台がしっかりしてきており、REPO等のインストルメントを投入することにより市場の動向に対して柔軟な適応が可能になる」との印象を述べた。
個人投資家に関しても状況は改善され、「リアルタイムの地域間ネットワークやセキュリティ体制など、誰でも制限なくいつでも取引に参加できるような技術的な仕組みができている」と首相は指摘した。Alexsandr Potyomkin MICEX所長は現在1秒間に平均20万件の取引がMICEXネットワークを介して実行されていると述べた。Nikolai Egorov副所長は、ロシア連邦管区に設置されている7つの支店を通じてあらゆる希望者が電子取引に参加可能であり、また約4000社のブローカーがインタネットにより直接取引所に接続し取引できると述べた。今週初めの時点で40万人の個人投資家が取引所に登録されている。
モスクワ銀行間通貨取引所の訪問を終えた後、Fradkov氏はロシア連邦金融市場局を訪問した。そこで連邦金融市場局長であり元補佐役のVladimir Milovidov氏より、現在株価指数が続伸しており(Vedomosti:昨日のMICES指数は0.49%下落)、時価総額でロシア市場が世界第12位まで上がったこと、また新規株式の60%はロシア国内での募集が行われていることなど、ロシア証券市場の状況について説明があった。また今後の課題としては中央保管機関の開設やインサイダー取引関連の法律採択など、投資インフラの改善が必要であるとの主張が展開された。
Fradkov氏は以前より証券市場に対する関心が高かったが、今回の訪問のきっかけになったのは国内IPO以後にさらに多くの個人投資家が証券市場プロセスへの関心を深めるようになったことが明らかになったためだろう、とMDM銀行のOleg Vyugin取締役会長は推測している。「証券市場における政治的役割(企業の時価総額・IPO投資家の増大、年金資金の運用課題)は拡大した」にもかかわらず、政府の注目がまだ不足していると投資インフラ機関のトップマネージャーであるVyugin会長は語る。さらにAlfa-Capital社のMikhail Khabarov代表取締役は、IPOを実施したある会社の証券が新規株式公開後に値下げとなったため投資家は不安を感じはじめたと述べた(Vedomosti:昨日のVTB株式価格は新規公開時より12%下回る)。米国の住宅ローン担保証券危機のため、ローン市場はほぼ活動停止状態に陥っており、それがロシア経済に悪影響を与えるとVyugin氏はいう。このような状況が年度末まで続くと経済発展の遅れをもたらす可能性があるとVyugin氏は予測する。
証券会社および投資会社は上述のような証券市場に対する政治側からの注目をおおむね歓迎している。それは「MMMコンプレックス」(訳注:有名な不正会計事件)を除去させるという重要な役割を持つとFinama社のVictor Remsha代表取締役はいう。「投資に積極的な国民はFradkov首相の主な演説内容を理解しており証券市場での活動の動機になると考えられる」。Khabarov代表取締役はそれがユニット型投資信託ファンドの大衆化にも貢献すると付け加えた。彼の言葉によれば、投資会社は証券市場の成長見通しや宣伝効果、政府側の支援などにより今年度の秋以降の投資家急増を期待しているという。
情報提供:Vedomosti新聞