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ロシア経済トピックス: 2007年12月

予測を上回るロシアの国内総生産

2007年12月10日(月)付け

 ロシア連邦国家統計局が発表した第3四半期国内総生産(GDP)は7.6%となり、経済発展貿易省やアナリスト達の予測を大きく上回った。この伸び率から見ると、世界市場の問題がロシアに与えた悪影響は、予想より軽微なものであったと判断できる。しかし、加工業、商業(流通)、建設業によってもたらされた今回の成長率を長期にわたって維持することはできないであろう。また、天然資源分野や教育、保健といった分野は、成長の枠外に依然取り残されたままとなっている。

 金曜日、国家統計局が第3四半期GDPの中間評価を発表。これによると、前年同期と比較して実質成長率は7.6%、名目成長率は22.1%となり、経済発展貿易省の予測評価6.7%を遥かに上回った。尚、これまでのGDP成長率は、第1四半期7.9%、第2四半期7.8%、2006年全体では6.7%となっていた。

 国家統計局が今回発表した数字と経済発展貿易省予測値の差は0.9%。第4四半期でも経済成長が減速しなければ、同省が現在予測している07年全体の成長率(7.3%-7.4%)及び大部分のアナリストによる予想を上回る7.7%-7.8%となる可能性がある。この予想が達成される場合、翌08年のGDPは、後期経済危機後の2000年以来最も良好なスタートを切ることになろう。(2000年当時、GDPは10%の成長を見せ、「1998年危機」からの復興を証明した。)

 アナリストもこれほどの伸び率を予想していなかった。「ポジティブなサプライズ」と同紙に語ったのはドイツ銀行のLisovolik氏。「10月の投資額と工業生産による好業績を考慮すれば、年末の成長減速が起きることはないだろう」。国家統計局資料によると、10月投資額及び工業生産は確かに前年同期比でそれぞれ19.6%、6.1%の増加となっている。「これらのデータから、世界市場の問題がロシアに与えた影響は予想よりも小さなものにとどまったことがわかる」(Lisovolik氏)。

 インターファックス通信による質問に回答したアナリストも、嬉しい驚きをあらわにした。トロイカ・ディアローグのStruchenevsky氏は07年全体のGDP成長率について、国家統計局データが発表される2日前に7.5%との予測を出していた(12月5日付同紙記事参照)が、今では7.8%に変更している。INGロシアのT.Orlova氏によると当行エコノミストの予測は7.7%のまま変更なし、一方アルファ・バンクの予測は7.4%であるが、同行のN.Orlova氏は、今回の統計局発表データの背景で、この予測値はかなり慎重なものであるとみなし、実際は7.5%-7.6%になるだろうとしている。

 今回の上昇は、工業成長によるものとアナリストは説明している。N.Orlova氏は「工業分野における総付加価値の成長加速」を要因としている。第3四半期の同分野総付加価値成長率は7%、過去4年間の推移(2.3%-11.8%)のうちで上限側に近いものとなった。しかし、商業(流通)及び金融業の総付加価値成長率は更に高く、それぞれ11.4%、11.6%となった。最も高い成長率は建設業で、付加価値は21.3%上昇した。経済発展貿易省が建設業の成長率の可能性について言及したのは9月のことであったが、秋期、建築材価格の高騰にもかかわらず、減速を示す数値は記録されなかった。

 成長度合いの歪なバランスが強調されるのは、主要各分野の動きだけによるものではない。今回の現象の範疇外にある分野も存在する。まず採掘業の0.8%が挙げられる。また農業(0.9%)も同様であるが、同分野は、国内外における価格の改善によって今年末にも、成長率の伸びが予測されている。その他、成長率の低い分野として、実質的な国家独占分野となっている教育(1.1%)及び保健(1.9%)がある。

 資源採掘分野の状況は容易に説明できよう。油田の大部分が枯渇に近い状態となっており、大規模な投資なくして採掘量増加をのぞむことはまず不可能である。また、2000年に入ってから数年間、「経済の多様化」や「原料依存からの脱却」といったスローガンのもと政府が同分野に適用した高い税率が効果的に働いた結果、この分野における低成長を更に招くこととなった。一方で、国家計画に相応した各分野の不振に関してはいくつかの疑問が生じている。教育分野や特に保健分野に対する06年から07年の国家投資額は、経済全体においてそれほど大きくないものの、同分野にとっては前例のない規模となった。前述Lisovolik氏は、投資額の拡大が付加価値成長にすぐに反映される建設業と異なり、農業や社会分野については、いくらかのタイムラグを経てその影響が見られるようになるため、「国家計画における投資効果が現れるまで一定の期間を置かなくてはならない」としている。このような状況が、現在の低調な動きを招いている所以である。

 教育及び保健分野がGDPに占める割合はそれぞれ2.3%、2.6%と今のところ低い数字となっており、今後数年間もほぼ同じ状態が継続するであろう。一方、過去数年においてはGDPの急激な構造変化は起きておらず、農業シェアの若干の縮小や、建設業、加工業、金融業のシェア拡大が見られたに過ぎなかった。しかし現在の成長率を常に継続することが不可能なのは明白である。今年達成されたGDP成長率を維持するには、最も保守的な分野(ロシアでは「保守的」とみなされないことがよくある)も含めた改革も必要とされているのだが、政府がこれを実施する際、時として多分の注意を払うあまり慎重になり過ぎる傾向がある。保健及び教育分野は、改革が必要とされる保守的分野リストの上位にあり、今日の課題として残っている。

情報提供先:コメルサント紙

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