ロシア株専門の証券会社、ARUJI GATE証券(アルジゲート証券)

ロシア経済トピックス: 2008年1月

Rusal、香港でIPO実施の可能性

ロシアのアルミニウム会社Rusalは当初、2007年11月にロンドンで上場し、株式(新規及び既存株主の持ち分より)の最大25%を50億ドルで売却する計画を立て、幹事会社をMorgan Stanley、J.P.Morgan、ドイツ銀行としていた。しかし最終時点で取引を断念、公式発表では市場の不況がその理由とされた。一方で同社筋の情報によると、IPO中止の主な原因は、プロホロフ氏からノリリスク・ニッケルブロック株を買い取る協議が始まったことにあると言われていた。

今では香港での売出しの話が「95%の可能性」として上がっている、とFT紙に言明したのは、Bazovoi Element(英名Basic Element、Rusal株の66%を保有)のあるトップ・マネージャー。同社関係者から当紙が聴取した内容によると、香港を含むアジア市場で上場を行う可能性がかねてより検討されているが、未だ決定はされていないとのこと。「現段階においてRusalが優先しているのは、IPO実施ではなく、ノリリスク・ニッケルとの統合」(同社関係者)。

Rusal広報担当V.Kurochkina氏は、IPOに関する計画は変更されておらず、つまり07年春の同社設立後3年以内に実施される予定であるとする。「上場市場、株数、価格などのその他要件に関しては未定」と同氏は強調。アジア市場の上場に関心を持っているのはRusalだけではなく、昨年11月には、ガスプロムが上海証券取引所における株取引の可能性を検討中であることを発表している。

ヴェドモスティ誌

ガスプロムで初取引

日本の証券会社が顧客に対し、FINAM社を通じたMICEX取引所オンライン・トレードを構築。日本の投資家は、初取引をガスプロム株で実施した。

ロシアのFINAMと日本のAruji Gate証券株式会社が、日本人投資家を対象にMICEX取引所への直接取引を設立した、とFINAM社代表が語った。MICEXで流通している全ての証券、すなわち高流動性株から低流動性株を日本人も扱えるようになる。取引には、日本語で表示されるFINAM Web-Tradeの取引システムが用いられる。このシステムによるMICEXの初取引は、1月11日に実施、日本人投資家はガスプロム株を購入した。

「ロシア市場に対する日本人の関心は昨今きわめて高くなった」と話すのはAruji Gate証券の役員アブドゥラエフ氏。「特に、日本の大企業であるトヨタや日産がロシアでの生産を開始後、その傾向は著しくなった」。これに加え、「ロシア証券市場が過去数年間、快調な伸びを見せる一方で、日本国内にある金融商品の収益率は低いものにとどまっており(日経インデックス225は2006年7%増、07年には11%減)、投資家は資金を投じる対象として、特にBRICs諸国の市場に機会を求めている」。また、「この半年間でAruji Gate証券に照会を行った潜在顧客数は約3000人。一方、FINAMに関しては、日本の規制機関の要件に適うWEB取引システムを提供した唯一の会社となった」(同氏)。取引約定はFINAMを通じて行われ、Aruji Gate証券は日本側の取次先となる。

「最初の段階では日本人投資家による月間のWEB取引額は700万から1000万ドルとなるであろう」とFINAMの国際部部長であるG.Yudashkinがコメント。当プロジェクトの費用は非公開。Aruji Gate証券にとっては、FINAMがロシア唯一のパートナーというわけではない。07年4月以降、投資金融会社Solidはボイス取引によるサービスを提供している。Aruji Gate証券は昨年2月に設立、主要株主はAruji Group 株式会社(日本)。

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ロシア株式を対象としたファンドの純流入額は、1月9日から16日の間で3億4460万ドルと最高額を更新(EPFR統計)。それまでの最高額3億4300万ドルは、07年11月28日から12月5日の間で達成された。

ヴェドモスティ誌

2007年MICEX取引総額が106兆9000億ルーブルに

MICEXグループの各市場における2007年取引高が総額106兆9000億ルーブルに達した。前年取引総額の52兆ルーブル(1.9兆ドル)を2.1倍上回るこの数字は、MICEX取引所史上の最高記録となった。また、1日の平均取引高は4310億ルーブル(170億ドル)まで拡大した。
 
一方、世界の主要取引所の中では、同取引所の取引規模が20位以内に入った(事前予測では17位)。

各部門においては、企業銘柄の証券が2.1倍、為替市場1.5倍、国家有価証券及び短期金融市場が4.8倍、デリバティブ市場2.5倍とそれぞれ拡大した。

MICEXグループ全体の取引において証券市場が占める割合は、06年の39.2%から40.7%まで拡大。非国家証券(株式、債券、レポ取引を含む)取引総額は、前年20兆3800億ルーブル(7549億ドル)より2.1倍増の43兆5000億ルーブル(1兆7089億ドル)。1日の株式取引高も1754億ルーブル(69億ドル)に達し、ロシアの主要取引所の99%を占めた(前年90%)。これは、GDRやADRを含め世界の取引所で扱われているロシア株式においては71%のシェアとなる(前年69%)。

現在、MICEX取引所では758発行体1229銘柄の有価証券が取り扱われており、このうち250発行体388銘柄は各「区分リスト」に登録されている。取引可能銘柄数及び発行体数は、ぞれぞれ27.1%、29.1%拡大。MICEX取引所における市場参加者としてリストに認められた数は636社、このうち実際に取引を行える環境にあるのは531社(金融機関302、非金融機関229)。

07年の株式取引総額は、前年比2.1%増の30兆9300億ルーブル(1兆2153億ドル)。現在取り扱われている208発行体309銘柄のうち、72発行体93銘柄は各「区分リスト」に含まれている。

ロシア、中国に追いつく

  2007年、ロシアへの直接投資流入額は70.3%増の489億ドルに上ったとUNCTAD(国連貿易開発会議)が報告している。それに対しロシア政府の評価は控えめで、410-450億ドル。UNCTADの経済専門家、藤田正孝氏によると、ロシアへの直接投資流入額は、外挿法により第1四半期から第3四半期の公式データから1年間の値を計算し求められた。

  一方、2006年の直接投資流入額は、前年比94.6%増の287億ドル(ロシア中央銀行のデータでは305億ドル)だった。約2倍の速度で増加する外国からの投資のおかげでロシアは、新興国の中で中国、香港に次いで3位となり世界では7位となった。

  ロシアへの直接投資に関して見ると、ロシアは最も増加速度が速い国の一つである。ロシアよりも早い速度は、ブラジル、チリ、メキシコ(約2倍増)、モロッコ(78%増)で見られる。比較として、欧州連合への直接投資流入額は、14.9%増、アメリカへは10%増。特別なケースとして、オランダへの直接投資流入額は2368%増の1042億ドルに上った。しかし、これはABN Amro買収に関する1回の取引の結果だとHSBC BankのAleksandr Morozov氏は話す。秋に、スコットランドのRoyal Bank、Banco Santander、Fortisから成るコンソーシアムがオランダの銀行を719億ユーロ(1010億ドル)で購入した。これは、世界において過去10年間で最も大きな取引である。

  また、フランスへの直接投資流入額は50%以上増加。フランスは地理的に欧州連合の中心に位置し、同国企業はかなり安いとHSBC BankのMatilda Lemuan氏は考える。市場が安定している先進国では、既存ビジネスの購入が主流であるが、新興国では新しい生産を生み出すことが一般的であるとUralsibのVladimir Tixomirov氏が指摘。その上、新興国の企業が、先進国の市場の主要投資家となっている一方で、先進国の企業が新興国の市場における主要投資家であると彼は話している。このような反対方向の流れの分かりやすい例の一つとして、インドのTata MotorsがFordからJaguarとLand Roverの購入を考えていることが挙げられる。一方Fordは、インドにおける自動車部品の新しい生産への投資を準備している。07年、アジア及びアラブ諸国の政府系ファンドが活発な投資家となった。China Investment Corporationは、Morgan Stanley株購入に50億ドル払っている。

  07年の外国企業によるロシア企業購入取引の合計金額は、165億ドルとMergers.ruのCEO Yuri Ignatishinが算出した。手続き段階の取引を考慮すると、その額は240-250億ドルになると彼は言う。最も魅力的な分野は従来通り燃料・エネルギーで、同分野への海外からの投資は27%、金融分野へは23%、電力分野へは15%になる。

  E.on(ドイツ)は第4卸売電力株を59億ドルで、Enel(イタリア)は第5卸売電力株を18億ドルで購入した。また、ベルギーのKBCはAbsolutbankを10億ドルで購入。EniとEnelはユコス資産を58億ドルで取得。

  今後のロシアへの直接投資流入額は、燃料・エネルギー関連株入手の制限に関する国家の態度によるとUNCTADは予想。原油高により電力分野が魅力を増し、消費者からの需要増加(つまり、他の分野への投資)を支えているとTixomirov氏は話す。また、直接投資多様化の過程は継続するとMorozov氏は確信している。「自動車、建設、開発、消費関連産業への投資が増加している」と彼は述べた。

  07年全体で、世界の直接投資額は、ここ7年間の記録を更新し1兆5000億ドルとなった(17.8%増)。1兆ドル以上は先進国によるもので、リーダーは従来通りアメリカである。しかし、アメリカ経済への投資家の不安から、同国への直接投資の流入速度は、失速した。アフリカ、アジア、ラテンアメリカへの流入額は4384億ドル(15.7%増)。一方、旧社会主義国及びCIS諸国へは、976億ドル(40.8%増)。今後2年間は、中国、インド、アメリカ、そしてロシアに直接投資が集中するだろう。UNCTADが多国籍企業を調査した結果、多国籍企業の52%は中国へ、41%はインドへ、35%はアメリカへ、21%はロシアへ投資したい意欲を示している。

ヴェドモスティ紙

2007年のロシア経済

2007年は、前年に引き続き好調な国内需要に支えられ著しい経済成長を遂げる年となった。国内需要の伸びが、生産率の上昇をもたらしただけでなく、対インフレ政策の失敗の要因ともなった。ロシアおいて、ドル安は、インフレとの闘いの助けとはならなかった。 07年初めKommersant紙は、07年経済成長見通しを、2006年とそれほど変わらない年になり、ロシアは従来通り6%を上回る急速な経済成長を遂げるだろうと予想していた。そしてその通りの結果となった。 過去数年と比べ成長は加速さえしている。2003年、GDPは7.3%、2004年は7.2%、2005年は6.4%、06年は予想通り6.7%増加した。07年1-9月のGDP成長率は、年率7.8%に達した。 また、最近GDP成長の主要な原動力となった消費関連産業はすべて順調に行くだろうとKommersant紙は予想していた(その成長率は10%を超えるとの予想)。実際に、07年1-9月に卸売及び小売販売(また、自動車輸送機関や家庭用品の修理)における伸び率は、年率10.5%に達した。一方、06年同時期では9.9%であった。つまり、国民は、かなりのエネルギーを使って消費活動を行なっている。 小売販売の売上を個別に見ると、07年1-9月で8兆5105億ルーブルとなり、その成長率は14.8%に達する。このように、小売販売では07年にこれまでよりも良い結果を得たことが分かる(2002年は9.3%、03年は8.8%、04年は13.3%、05年・06年は12.8%)。 もし、消費が経済成長の原動力であるならば、消費の原動力は国民の収入にある。07年の予想の中でKommersant紙は、ロシアの平均所得が大幅に増加すると述べた。例えば05年の平均所得は月給8555ルーブルであったのに対し、06年にはすでに10636ルーブルまで増加した。Kommersant紙は、07年の平均所得が月給15000ルーブルに達すると予想した。結果、9月には早くも13540ルーブルに達し、年間上昇率は25.4%となった。年末、関係当局によると、所得が今後も急速に伸び続けるに違いないと報告した。12月にプーチン大統領は、連邦予算から給料が支払われる職業従事者(公務員、国会議員、役人、年金受給者などが含まれる)と軍人の給予を2008年9月1日から7%引き上げるのではなく、2月1日から14%引き上げる必要があると述べた。2007年9月までには国民一人当たりの貨幣所得が12901ルーブルとなった(年間伸び率は22.4%)。 国民の貨幣所得に対し当局が注意を払い、国民が様々な商品を手に入れ、収入を早いスピードで消費し続けている、今日のロシアはソ連を彷彿させる。偶然ではないが、副首相アレクセイ・クドリンがある経済会議において、達成した急速な経済成長に満足感を表しながら、現在の成長速度と1960年代のデータを比較した。 工業生産成長率は、経済成長率のような順調な伸びは見せないだろうとKommersant紙は予想していた。03-04年は、工業生産成長率が年率8%を上回っていたが、05年には4%まで減少し、06年も同水準であった。Kommersant紙は、07年には工業成長率は約4.5%になると予想した。07年第1四半期における工業成長率は改善し、その成長速度は8.4%に達した。しかし、その後減速し始め、第2四半期には6.7%、第3四半期には4.9%まで落ち込んだ。11月には、同成長率は4.7%まで急落した。工業成長率の成長速度が、経済成長率に著しい遅れを取るという予想は的中した。 07年においても石油の史上最高値が継続し、一時1バレル=100ドルの価格が付けられたたにもかかわらず、石油生産は思わしい結果ではなかった。07年、石油採取量の増加率は2.4%となり、一方天然ガス採取量は1.3%減少した。当局は以前から採取量の減少を指摘していた。西シベリアの産地は大部分が掘りつくされており、そのため採掘量が減少しているとのこと。新しい産地での採掘量は、この減少した分を補っているにしかすぎない。07年にロシア当局は、北極における石油採取の可能性について熱を込めて論じた。ロシア下院副議長アルトゥール・チリンガロフは南極地域を訪問する意向も示した(同大陸棚は多量の炭化水素を保有している)。 石油採取量の増加が僅かなものに過ぎなかったものの、世界市場の石油価格が幸いした2007年のロシアは、オイルマネーを輸入品(食料含む)購入に充てるという石油産出国の古典的例を示した。07年7月までの石油輸出成長率は前年同期比で4.4%上昇。具体的には、1月-7月の輸出量は1億2840万トン、石油価格は6月で474.7ドル/トンに達し、7月には507.1ドル/トンまで上昇した。輸入品に関しては、07年1月-8月間における非CIS諸国からの輸入額は前年同期比49.7%増の1010億5500万ドルとなった。07年8月における非CIS諸国からの輸入額は151億5000万ドルで、前月比で2.4%増、前年同期比で32%増となった。 2007年予測のなかでKommersant紙は、政府がインフレ目標として掲げた年間8%に収めることはできないだろうと考えていたことは完全に的中し、インフレ対策は大きく崩壊した。11月の総括ではインフレ率が10.6%となっており、年間で12%を超えるかどうか疑問として残っている。仮に12%台となれば、03年以来最も高いインフレ率となる(03年は政府によるインフレ対策が遂行された唯一の年である)。07年計画の失敗に関し、政府及び中央銀行は外的要素に原因を求めようとしていた。まず、世界市場における石油価格の成長がオイルマネーの大量流入をもたらし、しかもこの流入は投機的な外国資本によっても支えられていたとしている。次に、EU諸国で補助金を減額した結果、食料品価格が上昇、この上昇した価格でロシアが輸入したこと。また代替燃料生産に対する世界全体の需要が高まり、バイオエタノール生成に好適とされた穀物の需要が高まり、穀物価格も大きく上昇した。 インフレ対策への確固たる決意を示すため、連邦政府及び地方政府は、業者に対して自主的に価格を抑制するよう説得、或いは圧力による行政措置に訴えた。逆説的ながら、まさにこのインフラ対策の失敗によって政府は、賃金引上げ計画を言明するに至った。賃金の引上げにより、物価との「インフレ・スパイラル」型の物価上昇を加速することが世界中の現象において明らかとなっているにも拘らず、である。今までの経緯に恐れをなした国民は、もはやインフレ抑制への信用をなくしてしまった。これこそが、理論的にはインフレ対策として効果的な方法とされている。しかし、07年は逆に、国民のインフレ期待は大きく高まり、結果として更なる商品購入へ拍車をかけることとなった。「明日よりも今日買っておこう」という国民の動きを喜んだ販売業者は、「明日よりも今日値上げを行う」と決断した。 同様に我々の、「2007年にドル安が進み、1ドルあたり25ルーブルより下がる」という予測もその通りのものとなった。中央銀行は、ロシア為替市場でアメリカドルが下落したとき、世界市場のドル安及びロシアへのオイルマネー大量流入を理由として挙げた。インフレ対策失敗において非難を受けた際にも、中央銀行はまさにインフレ抑制のために出来る限りの手段を全て講じていると言明。ドル安抑制措置を取らないことがインフレ対策となる。つまり、ドルを購入するために多くのルーブル紙幣を印刷する必要がなく(そのため、国内のルーブル流通量が増えることはなく)、また輸入商品の増加によって国内の商品価格競争が促される(ため、低価格が実現され、インフレ抑制に貢献するものとなる)。全体的に07年、国民はドルに対する失望を感じた。信じられないほどの下落が見られ、今後またどれほど落ち込むのかも不明である。一方政府にとっては、1990年代に固持されていた観念を放棄したある種の証明となった。ドル高は98年の経済危機以降に進んだが、03年には止まり、逆にルーブル高の傾向が始まった。これらは全て正しい経済政策の結果だと言うことができる。外貨準備高で中国と日本に継ぐロシア中央銀行のドルは、デフォルト以前の状態と同じく、1ドルあたり6ルーブルまで上昇することも論理的に考えられる。

2007年12月24日付Kommersant紙

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