ロシア株専門の証券会社、ARUJI GATE証券(アルジゲート証券)

ロシア経済トピックス: 2008年4月

ロシア金融業界への投資:債権投資の縮小及び資産拡大路線へ

2008年は保険業界及び銀行業界でM&Aが活発に行われるのではないかと予測されている(保健業界は30-40の取引、銀行業界は40-50の取引)。また、以前はあまり注目されていなかったリース・消費者金融・債務回収業の分野でも、直接取引の増加が見込まれている。

格付け機関Expertの金融機関格付け部門部長であるSamiev氏は、「外国人投資家は、継続的にロシア金融資産の取得に動いている。従って、サブプライム問題に端を発した流動性危機も、外国人投資家の投資戦略に強い影響を及ぼさなかったとみられる。銀行業界では、外国企業によるロシア企業の買収(アウト・イン)が活発化している。これは、外国の大手銀行がロシアの金融業界に多大な関心を寄せているためである。今後2-3年で、アメリカ・イギリス・日本から多くの金融業者がロシアに参入してくるだろう。今のところ、その兆しが明らかになってはいないが、外国企業が、ロシア金融市場に対して非常に高い関心を寄せていることは確かである。例として、Barclays(Ekspobank以外にも取引を実施する可能性がある)、HSBCの大手が有望な買収先を検討していることが挙げられる。」

アナリストが作成した調査レポート「ロシア金融業界への投資:債権投資の縮小及び資産拡大路線へ」によると、資金調達能力のあるロシアの金融機関は、他業種を統合することで、競争力強化を図っている。また、資金を有する銀行は、持ち株会社の設立、或いは、流動性に問題を抱える他の銀行株を買収している。

リース業者も、同様の動きを示している。もっとも積極的な事業を展開しているのは、VTB(外貿銀行)の子会社である。同社子会社は、銀行及びリース事業で資産統合を推し進める中心的役割を果たしている。VTB24は、2007年第3四半期のみで、3億ドル規模の買収取引を行った。一方で、VTB-Leasingは、金融危機が表面化する直前に、Magistral-Financeの資産取得に関する6億700万ドル相当の取引を締結した。上記に挙げた取引総額は、VTB銀行が2007年5月に実施したIPOによって調達した資金の10%以上である。

債券市場は、世界金融市場の動向を見守っており、閉塞状態にある。格付け機関Expertのアナリストは、2007年に活況であったIPO及びSPOに代わって、2008年は直接投資の取引が多くなり、直接投資がポートフォリオ投資よりも活発になるだろうと予測している。

金融業界における外国資本の割合は、今後拡大していくことが見込まれる。保険業界全体における外国資本の割合は2008年末時点で15-16%に達する可能性がある。また、銀行業界全体における外国資本はおよそ28-30%になると予測されている。しかし、外国資本といっても、実際には、海外のオフショアを通じたロシア人投資家による投資の割合が、高い水準で維持されると考えられる。それらの投資家が占める割合は保険市場で50%以上、銀行市場でおよそ30%である。

リース業界では、Expertのアナリストが指摘したように、外国人投資家が参入しているのは高い資金調達能力を持つ自動車リース業界の分野に限られている。しかし、リース会社の買収は金融業者がロシアに進出する上で、非常に有効な手段である。リース会社の主要顧客は、急速に成長している中規模企業である。リース会社を通じて、貸付から債券の発行、保健業務に至るまで、金融サービス全般を中規模企業に提供することも可能となるだろう。また、アナリストは、ロシア市場へ進出する際、銀行・保険会社よりもリース会社として参入した方が経費・時間・手間がかからないと指摘している。リース市場は、急速に発展している。しかし、まだ規制が緩い。リース事業への参入にあたって、諸機関(中央銀行・政府・保険事業監督機関等)から許可を得るための手続きは、比較的容易である。アナリストは、直接投資の対象としてリース事業への関心が高まっていることを指摘している(2008-2009年、およそ10-12件のM&A取引があると予測)。

また、債権回収業にも大きな成長が見込まれる。債権回収及びファクタリング事業は、未開発の分野であり、成長の可能性が大きい。ロシアのファクタリング業社は、住宅ローン・携帯電話・保険業者への進出を開始したばかりである。格付け機関Expertは、「ファクタリング・インボイスディスカウント・消費者金融は、今後需要が増加するだろう。こうした事業は、生産業に従事する中小企業、相対取引及び卸売業側からの需要によって拡大するだろう。」と予測している。

FINAM

 

原油相場に左右されないロシア資産

4月21日、原油相場は、終値ベースの最高値を更新し、初の117ドル/バレル台で取引を終えた。一夜明けた22日、記録更新された最高値をわずかに下回る価格で取引が開始された。ニューヨーク・マーカンタイル取引所の米国産標準油種(WTI)の5月渡しは117.48ドル/バレル、ロシア産輸出ブレント原油(REBCO)の先物は、108.27ドル/バレルを付けた。また、ロンドン国際石油取引所(ICE先物)における北海ブレント原油の先物は114.43ドル/バレルに達した。

原油高騰の背景には、ドル安の進行以外に、原油の供給不安を煽る地政学リスクがある。先週、ナイジェリアで、ロイヤル・ダッチ・シェルの運営するパイプラインが武装勢力によって襲撃された。ロイヤル・ダッチ・シェルは、フォースマジュール(不可抗力による出荷不履行)を宣言し、ナイジェリアにおける石油生産は中断している。同国南部のニジェールデルタ地域では、武装勢力ニジェール・デルタ解放運動によるパイプラインの破壊が繰り返されている。また、スコットランドの製油所は、北海沿岸で労働組合がストを計画していることを伝えている。

原油に対する需要は拡大の一途をたどっている。石油消費量でアメリカに次ぎ2位となっている中国の2008年3月における原油輸入量は、前年同期比25%増の日量407万バレルとなった。しかし、石油輸出国機構(OPEC)は、原油の高騰を抑制する目的での増産には消極的である。ヘリルOPEC議長は、原油在庫が豊富な状態で増産しても、原油相場に変化はないという見解を示している。

以前、産油国に対して増産を求めていた国際エネルギー機関(IEA)の田中事務局長も、20日から22日に開催されたローマの国際エネルギーフォーラムでは、こうした増産要請を控えた。同氏は、「産油国が現在の水準で生産を維持すれば、消費国の原油在庫は基準量を満たすだろう。そうすれば、市場のバランスはとれてくるだろう。」と述べた。

イランのノザリ石油相及びOPECのアルバドリ事務局長を始めとする産油国は、原油高騰を招いたのはドル安との見解を示している。ノザリ石油相は、「ドル相場が下落するや否や、投資家は原料市場に投資先を移行した。」と指摘する。

一方、Sobinbank分析部部長のRazuvaev氏は、原油相場の先行きに関して、100ドル/バレル或いはそれ以下の水準に戻る可能性があるとしている。それは、4月30日に開催される連邦公開市場委員会で、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が、政策金利の引き下げを実施しないことが前提である。しかし、政策金利の引き下げは実施される公算が大きい。

しかし、Razuvaev氏は、仮に政策金利が据え置かれれば、全体としてマクロ経済に肯定的な影響を与えることになり、ドル高及び原油価格の下落が見込まれるとしている。この場合、ロシア市場の下落が懸念されるが、Razuvaev氏は、下落したとしても、急激に反発し、RTS指数は最高値を記録するだろうと予測している。同氏は、「原油相場が90-100ドル/バレルで推移しても、ロシア資産は、投資先としての魅力を失うことはない。」と強調している。

現在、2008年に原油相場が120ドル/バレルに達するだろうという観測が大勢を占めている。石油価格の高騰は、ロシアマクロ経済にはプラスに作用するだろうが、インフレを加速させるという点ではマイナスである。Sobinbankでは、鉱物資源採掘税の引き下げが予想されることから、ロスネフチ(ROSN)、ガスプロム(GASP)を始めとする石油ガス関連企業に対する関心は今後も維持されるだろうとしている。

アルファ・バンクのアナリストも同様の見解を示している。原油終値は、6営業日連続で最高値を更新し、44営業日で16回史上最高値を記録した。アルファ・バンクによると、ロシア企業は、石油価格の高騰に慣れてきている。原油相場が現在の水準に止まれば、ロシア企業株の成長が減速することはないだろうと予測される。

石炭企業:事業展開のチャンス

石油及び天然ガスは、埋蔵量及び産出地域が限定されている。一方、石炭は膨大な埋蔵量があり、比較的採掘が容易な資源である。こうしたことから、現在、石炭関連企業は非常に発展している。

現在、世界の熱力・電力エネルギーのおよそ25%が石炭によって生産されている。世界の石炭埋蔵量は推定9100億トンとされている。現在の採掘ベースを前提に計算した場合の石炭採掘可能年数は、およそ300年である。石炭埋蔵量が多い地域は、アジア(54%)北アメリカ(28%)、ヨーロッパ(9%)に分布しており、アメリカ・中国・ロシア・ドイツに主要産地が集中している。世界の石炭埋蔵量においてロシアが占める割合は、およそ18%である。

現在、世界でもっとも石炭の生産量が多い国は中国である。中国以外の代表的な石炭生産国として挙げられるのは、アメリカ・インド・オーストラリア・南アフリカ・ロシア等である。石炭燃料の最大な消費者は電力業界である。同業界は世界の石炭採掘量の45%を消費する。近年、東南アジア諸国における経済発展によって、電力業界の石炭需要は増加している。また、天然ガスの価格が高騰しているため、天然ガスを燃料とする電力生産施設の一部が、漸次的に石炭を燃料に切替える動きをみせている。

電力業界以外の大きな石炭消費者は、製鉄冶金業界である。製鉄冶金業界においても、石炭に対する需要は伸びる考えられる。国際鉄鋼協会は、2015年、中国における未精錬鉄鋼の生産量を2005年比45%増、ロシアにおける生産量を同年比30%増と予測している。その他、ガス価格高騰のため、多くの製鉄冶金関連企業が、天然ガスをベースとした直接還元製鉄から粉炭を還元剤とした製鉄法に切替える計画を立てている。

投資会社AntantaPioglobalのアナリストは、今後、世界の石炭に対する需要は伸びるだろうと考えている。それは、石炭価格を支える材料となるだろう。

2008年、世界市場におけるコークス炭の価格は著しく上昇しており、それに追随して、一般炭の価格も上昇している。従って、ロシアの石炭企業が、前年ほどではないにせよ、大きな成長を示し、投資家を満足させることは十分に可能だろう。AntantaPioglobalのアナリストによる計算では、石炭業界全体の成長見込みはおよそ45%である。

こうした著しい成長に寄与しているのは、急激な価格高騰である。現在、コークス炭及び一般炭の精鋼価格は、前年の水準を2倍以上も上回っている。こうした傾向は、今後も続くだろう。電力業界及び製鉄冶金業界からの需要が高いことは、石炭価格を支える材料となっている。また、中国における経済発展は、製鉄冶金業界の成長と深く結びついており、コークス炭及び一般炭の需要が伸びることは必至である。

その一方で、石炭企業に事故などの問題が発生したため、2008年は市場で石炭不足の状態になることが懸念される。オーストラリアでは、洪水が発生したために鉱山が浸水し、稼動停止を余儀なくされている。また、南アフリカにおける石炭会社は、電力の供給不足という問題を抱えている。また、2007年、ロシアの鉱山でも、事故が発生したために、石炭供給量が著しく減少したことも忘れてはならない。中国の石炭輸出量が次第に減少していることも、さらなる価格高騰を招いている。

ロシア企業に関しては、国外の同業者と比較して、石炭採掘1トンあたりの原価が低いことに着目したい。原価が低い分、ロシア企業はより魅力的である。原価を抑えられるのは、地表採掘(地上採掘)の大部分が露天掘りで行われているためである。

しかし、リスクに関しても考慮に入れなければならない。リスクの中には、バブル効果と呼べるものがある。石炭価格の高騰はすでに1年以上継続しており、そのテンポも均等ではない。早かれ遅かれ、こうしたバブルははじけるだろうと考えられる。

AntantaPioglobalのアナリストは、石炭価格の急激な下落はないとしている。しかし、今後2-3年のうちに、石炭価格が少し下がることは十分に考えられる。2010-2013年の石炭及び精鋼の価格は、5%の範囲で下落する可能性がある。

長期的な視点からすると、今後起こりうる石炭価格の下落は、石炭企業にとってリスクとなるだろう。従って、石炭企業が事業を展開するにあたって、現在は良い時期である。世界の金融市場が落ち着きを取り戻せば、石炭企業の株価は再び上昇するだろう。石炭企業に必要なのは、前進のみである。現時点で、石炭企業には成長見込みがある。また、ロシアの石炭企業は、世界の同業社と比較して大幅に低く評価されている。

FINAM

建設関連企業が鉱工業生産成長率を促進

ロシア連邦国家統計局が発表したデータによると、2007年におけるロシアの実質GDPは前年比8.1%の上昇となった。専門家の多くは、GDP増加の主要な要因として石油価格の高騰を挙げている。投資会社IKProspectは、原料価格が高値を更新し続ける限り、GDPの値も増加傾向を示すだろうと予測している。

一方、モスクワ銀行は、GDP成長率が上昇した大きな要因として、家庭の消費が増加したことを指摘している。その他、国家の財政投資及び企業の設備投資が、少なからずGDPに影響したものと考えられる。

統計によると、3月期も依然として高い鉱工業生産成長率が維持されている。3月期、鉱工業生産指数は前年同期比6.5%上昇し、2008年第1四半期の鉱工業生産成長率は6.2%となった。これは、2006年の数値(6.3%)と同等である。

表:鉱工業生産(年率%)
                                   1月        2月         3月     07年    08年第1四   08年予測     
全体                                  4.5%     7.5%       6.5%    6.3%     6.2%      5.0%
加工生産                           4.0%   11.2%    10.4%     9.5%      8.7%       6.5%
鉱物資源採掘                       0.6%     2.3%   -0.7%     1.9%      0.7%       2.2%
電力・水・ガスの生産供給      12.8%      2.0%      1.7%    0.2%      5.6%        3.0% 

出典:ロシア連邦国家統計局 モスクワ銀行

モスクワ銀行の分析部部長のTremasov氏によると、前年と比較して2008年の採掘業における成長が減速しているのは、石油採掘量の低下が関連している(平均採掘日量は前年第1四半期比0.9%減少した)。また、同氏は、加工産業の指数が堅調な推移を示していることを指摘している。加工産業の成長に大きな役割を果たしたのは、建設資材産業・冶金産業を始めとする建設関連産業である。また、自動車製造業及び食品産業においても2桁の成長率が維持された。

表:産業別製品の生産動向(年率%)
                2006年     2007年   2008年第1四半期
石油加工       
1次加工品         5.7%       3.8%      5.8%
ベンジン           7.4%       2.1%      0.7%
鉄鋼
圧延材            6.5%      2.4%      7.2% 
鋼管            17.7%     10.2%     -7.1% 
建築用鉄鋼資材              32.7%     13.6%
化学・石油化学
有機肥料       -2.7%        8.9%      1.1%
合成樹脂         7.4%     15.4%      6.1%  
建設用資材  
セメント          12.8%      9.4%      1.9%
レンガ            1.6%     12.0%     10.7%
鉄筋コンクリート     5.7%     13.2%      8.4%
運輸関連
軽自動車        9.9%      9.5%     14.4%
トラック         19.5%     16.4%      2.0%
旅客・貨物車両   26.1%     17.1%      18.2%
食品
肉          1 3.3%      14.6%     19.7%
ビール           9.8%      15.9%       0.4%

出典:ロシア連邦国家統計局 モスクワ銀行

モスクワ銀行のアナリストは、2008年における鉱工業成長率の予測を据え置き、5.0%の水準としている。しかし、同行アナリストは、第1四半期を総括すると、投機的建設ブームが継続していることから、予測したよりも大幅な成長となったと言及している。一方、採掘業の成長は、予測以上に石油採掘量が減少したことによって、前年の業績を下回るだろう。モスクワ銀行のTremasov氏によると、同行は、近いうちに、2008年における工業生産に関する予測の見直しを実施する予定である。

FINAM

 

石油価格の高騰がGDP成長率を加速?

ロシア連邦国家統計局は、2008年第1四半期、消費者信頼感指数が0.4%まで上昇したと発表した。専門家は、1998年末に観測を始めて以来、初めて同指数がプラスの値を示したことを指摘している。2007年第4四半期から、同指数は5.4%上昇した。

VTB銀行のマクロ経済分析部部長であるVorobev氏は、消費者信頼感指数が高水準に推移したことは、第1四半期という時節、すなわち、種々のボーナスが支払われたことに関係していると考えている。つまり、第1四半期に、追加的な資金が消費を促進し、ロシア連邦国家統計局が調査している消費者信頼感指数に影響を与えた可能性もあるとしている。

ロシア連邦国家統計局の専門家は、2007年におけるロシアの実質GDPが前年比8.1%上昇したことに注目している。また、専門家の多くは、消費者信頼感指数及びGDPにもっとも大きく影響したのは石油価格の高騰であるという見解を持っている。

しかし、VTB銀行のVorobev氏は、GDPの伸び率にもっとも寄与した要素として家庭消費の増加を挙げている。同氏は、家庭消費の増加以外にも、国家の投資及び企業の資本投資も少なからず作用したと指摘する。

モスクワ銀行は、2008年の実質GDPを6.7%と予測している。また、同行のアナリストであるTremasov氏は、名目GDPの予測を40兆9000億ルーブルまで引き上げたと言及した(前年比24%増)。

投資会社IKProspectは、現在、原料価格が高値を更新し続けていることから、今後、GDPも上昇を示すだろうと考えている。

4月15日、石油価格は最高値を更新した。原油先物相場は、午前の取引で形質スイート原油(5月限)が112.39ドル/バレルとなった。ブレント石油の価格も110.40ドル/バレルという記録的な高値を付けた。

コンサルティング会社の2K Audit-Business consultingのマーケティング部部長のTolstaya氏は、「石油価格が高値を更新しているのは、産油国の石油採掘量に影響を受けているためである。ナイジェリア及びイラクにおけるパイプライン設備修理のために、OPEC諸国の3月の石油採掘量が日量26万5000バレル減少し、3201万バレルとなったことが明らかになって以来、石油価格は押し上げられてきた。また、ベネズエラでも石油採掘量が減少している。アラブ首長国連邦及びサウジアラビアにおいても石油採掘量が削減されている。」と指摘する。

その他の要素も、石油価格に大きな影響を及ぼしている。特に、ドル安によって、原油市場は投資先としての魅力を増している。そのため、石油に対する需要は加熱している。

ドル安の影響に関しては、VTB銀行のVorobev氏も同意しており、石油価格が高値を更新する背景には、原料資源を投資先として考える最近の傾向が関係していることを強調している。同氏は、「金融市場が不安定な状況で、より多くの投資家が、石油を含めた原料資源に投資先資産を移行し、投資家は、金融市場の混乱を避けようとしている。また、この数ヶ月間加速しているインフレから資産を守るためにも、原料資源に対する投資が活発になっている。」と分析している。

現在、石油相場は、世界市場の情勢に大きく左右されている。一方では、季節的に石油の需要が減少することが見込まれることから、それに続いて、石油価格も抑制されるだろうと予測される。しかし、もう一方では、アメリカ経済に対する悲観的な予測に関連してドル安傾向が続き、石油価格を押し上げることも考えられる。石油採掘量の減少及びドル安によって、短期的に、石油市場は安定的に推移するだろう。

2K Audit-Business consultingのTolstaya氏は、「長期的には、2008年末までに、石油価格は多少下がるだろう。OPECは現在石油採掘量を削減しているが、今後、生産能力が上がる余地は大いにある。従って、市場において石油不足は発生しないだろう。」と指摘する。また、同氏は、世界経済の混乱は夏までに収束に向かい、それ以降、原料市場に投入された資金は流出し始めるだろうと予測している。2K Audit-Business consultingは、以下のような見解を取っている。「季節的要因及び世界経済が安定化することによって、石油相場はいくらか抑制されるだろう。しかし、石油価格の大幅な低下は期待できない。石油に対する需要は、中国・インド等の発展途上国によって支えられるだろう。従って、石油価格は、90-100ドル/バレルで推移するだろう。」

FINAM



 

世界銀行からの債務を期限前返済

ロシアは、世界銀行からの債務の一部を6月に返済する。これは、4月14日、財務次官のPankin氏が発表したものである。また、同氏は、将来的に、世界銀行からの資金の借入は受けずに済むようになると述べた。2005年、ロシアは、国際通貨基金及びパリクラブに対する債務を前倒しで清算しており、今後、世界銀行及び韓国に対する返済が予定されている。Pankin財務次官は、「現在、ロシアは融資を受ける必要がない。予算に余裕があり、安定化フォンドの資産を投資に回すことが議題となっている。その一方で、世界銀行より借入を行うのは合理的でない。」と語った。

ロシア財務省の事前評価に基づくと、2008年4月1日時点で、予備資金フォンド(元安定化ファンド)は3兆1000億ルーブル、国民福祉フォンド(元安定化ファンド)は7740億ルーブルに達しているとみられる。こうした多額の資産を備蓄していることに対して、クドリン財務大臣は批判にさらされてきた。一方、ロシア統一電力システムのチュバイス会長は、ロシアが世界市場における問題に対処できているのは、安定化フォンドのおかげであると強調してきた。チュバイス会長は、仮に97年にこうした予備資金があれば、98年のデフォルトは回避できたかもしれないと述べる。

専門家は、世界銀行に対する債務を期限前に返済することによって、金利分を節約できると指摘する。SobinbankのアナリストであるPenkina氏は、対外債務を削減することによって、現在安全圏内にあるロシアの債務率はより低くなると述べる。

投資銀行TrustのアナリストであるBragin氏によると、期限前の債務返済は、ロシアのイメージを向上させる狙いで実施された。同氏は、「実際、債務は大きな金額ではない。対外債務の総額は、GDPと比較するとほんのわずかといってよい。しかし、返済の義務を負っている状態は好ましくないという考えから、こうした決定に至ったのだろう」と述べている。

投資会社Antanta Capitalの主任アナリストであるOsadchiy氏は、ドル安の時にドル建て債務を返済するのは懸命であるとは言えないと指摘する。こうした決定を行うには、状況を良く見極めなければならない。しかし、ロシアのクレジット格付けを上げるという財務省の意図が重要視されたものと考え、債務のコスト及び金額という観点からすると、返済は非常にプラスであるとしている。

財務次官のPankin氏によると、単一通貨での借入が6月に返済される。2008年中に、多通貨での返済が期限前に実施されるだろう。将来的に、ロシアは、世界銀行が参加するプロジェクトの資金を自己資金で調達することが可能となるだろう。

専門家は、債務返済には財務省の経済的側面以外に政治的側面も関係していると考える。SobinbankのPenkina氏は、世界銀行に対する債務がなければ、ロシアが世界銀行側から受ける圧力は弱まると指摘する。先に言及したように、ロシアが期限前に債務を返済するのは、今回が初めてではない。アメリカに対する農業債務(3億4325万ドル)も期限前に返済された。ロシア財務省のデータによる2008年1月1日時点の対外債務は449億ドルであり、前年比13.7%削減された。

投資銀行TrustのBragin氏は、期限前に債務を返済することによって、将来起こり得る衝突を回避することにもなると指摘する。同氏は、「財政という観点からすると、債務の返済がもたらす効果はないに等しい。国債の一部銘柄の格付けが上がることは考えられるにせよ、市場が債務の返済に大きく左右されることはないだろう。従って、債務返済による特別な効果はないと思われる。しかし、この債務を引き合いに出して、将来の国家予算が審議されることは少なくなるだろう。」と述べる。

ロシア財務省は、世界銀行に対する債務返済の他に、旧ソ連時代における商業債務をユーロ債に転換する申請を7月までに完了したいとしている。専門家の評価によると、その額は6-7億ドル相当である。また、韓国に対する債務の期限前返済に関しても、協議が実施される予定である。この債務の額は12億9000万ドルである。政府間の取り決めによると、韓国に対する返済は、現金或いは商品の供給によって2025年までに実施されなければならない。

 

金融危機の影響がもっとも深刻なのは世界の大手銀行

格付け機関Fitchの主任アナリストであるFoks氏は、アメリカのサブプライム問題に端を発した金融危機による影響がもっとも深刻なのは、先進国の国際的大手銀行であり、それが、今までの金融危機と異なる点であると指摘する。4月7日、Fitchは新しい報告書「銀行部門の構造的リスク」を公表した。その中には、銀行業務の環境がより厳しい条件に直面していると述べている。構造的リスクが高まり、アメリカで起きたサブプライム問題の影響でアメリカ・スイスの銀行システムが弱体化し、世界的に貸付の動きが急速に鈍化していることが認められる。

アメリカ・スイスの銀行システムに対するFitchの格付けは「非常に安定的」であったが、そうした高評価には値しなくなったとFitchは指摘する。しかし、従来どおり、アメリカ・スイス型の銀行システムは、「安定的」と格付けされている多くの先進諸国で一定の水準を保っている。現在もアメリカの損失は拡大し続けているものの、銀行システムの全体的な資本に影響を及ぼすほどの額ではない(一般的な銀行危機の基準)。しかし、2008年には、前年に14%であった貸付額の上昇率が9%にまで急激に低下し、多くの発展途上国にも景気停滞の兆しが現れてくると予測されている。

Fitchの試算によると、アメリカにおける銀行システムの景況判断指数(BSI)が「A」から「B」に引き下げられたことは、2007年10月から、30以上の銀行及び金融機関の個別格付けに下方修正があったことを反映したものである。

Fitch北アメリカの統括部長であるMoss氏は、「2008年を通じて格付け下方修正の傾向が継続されると予測しているが、BSIの今後の引き下げは考えていない。アメリカの大手銀行は、現在、銀行全体における時価総額の10%或いはそれ以上に相当する600億ドル以上の追加資金を調達している。」と述べている。

全体として、先進諸国のマクロ経済指標(MPI)は、発展途上国よりも高い。MPI3(もっとも高リスク)に属する先進諸国は4カ国である。そのうち、もっとも深刻なのは、アイスランドである。先週、アイスランドの大手銀行3行が「ネガティブ」格付けウォッチの対象となっている。アイスランド以外にMPI3に属しているのは、オーストラリア・カナダ・アイルランドである。しかし、これらの国における状況はアイルランドほど深刻ではない。「BSI A」(非常に安定的)に格付けされているのは、5カ国の銀行システムのみであるが、オーストラリアもその中に入っている。他にはルセンブルグ・オランダ・スペイン・イギリスが「BSI A」の評価を受けている(これらの国のマクロ経済指標はMPI2である)。イギリスにおけるノーザン・ロック銀行の破綻を別とすれば、これらの国では大手銀行に対する個別の格付け引き下げは実施されていない。イギリス・スペインでは、不動産部門の景気が悪化することが予測され、それが、銀行に対する評価の引き下げ材料となる可能性はある。また、イギリスでは、法人及び投資事業における収益が減少するとの予測があることから、こうした事業を積極的に関与している銀行の評価に影響が出る可能性もある。

アゼルバイジャン・イランはもっとも低いE3の格付けがされている。しかし、アゼルバイジャンの場合、GDPに対する貸付の低さが格付け引き上げの材料になると見られる。ロシアはD3に格付けされている。同じくD3に属しているのは、カザフスタン・ルーマニア・トルコである。カザフスタンの銀行システムが外国資産に依存していることは、世界的金融危機の影響が早くに現れたことを意味している。現在、同国の貸付は急速に鈍化しているが、政府の強力な支援があるために構造危機は表面化していない。ルーマニアは、2007年、ヨーロッパの発展途上国の中でもっとも貸付額が伸びた国であり、今後貸し付けが低下するような気配はない。トルコでは、反対に貸付が低下している。マクロ経済指標がMPI3に入れられたスロバキアと同様、2007年におけるトルコの貸付の伸びは、MPI3に属している他のヨーロッパ発展途上国における貸付の伸びが30-60%であったのとは異なり、MPI3の枠内にかろうじて入るほどの上昇を示した。スロバキアの銀行システムは(BSI C)、発展途上国の市場にしては比較的安定的といえる。

ペルシア湾岸のアラブ諸国は、総じて安定的な銀行システムを有している(BSI B)。また、このところ、これらの国では、貸付に対する需要が多く、金利が引き下げられたことによって流動性が増し、貸付の急速な増加が認められる。カタール・アラブ首長国連邦におけるインフレ上昇率は2桁となっている。両国のマクロ経済指標は「MPI3」に入れられた。ラテンアメリカでは、初めて「MPI3」に格付けされた国が現れた。ブラジルである。ブラジルは平均と比較するとより安定的である(BSI C)。

今後数ヶ月間のドル相場

今後数ヶ月間のドル/ユーロ相場はどのような推移を示すだろうか。多くのアナリストは、2008年前半のドル安傾向と2008年後半のドル安回復傾向を予測しているが、異なる見解を持っているアナリストもいる。Citigroup、Deutsche Bank、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのアナリストは、2008年10月までにドル/ユーロ相場は1.55-1.65ドル/ユーロまで下落すると予測している。上記3行による為替取引は、Bloombergの計算によると、世界の取引全体のおよそ40%に達する。有名な投資家であるジョージ・ソロスは、先週、インタビューの中で自分の資産をドルで所有したいと考える投資家は減ってきていると述べた。

しかし、全てのアナリストがアメリカドルに対して悲観的な予測をしているわけではない。アナリストに対して実施したアンケートによると、ドル/ユーロ相場は2008年9月には1.51ドル/ユーロ、また、アメリカ経済の安定化及びヨーロッパ経済の減速が見込まれる2008年末には1.48ドル/ユーロになるという予測が平均的な見方である。

ドル安には、プラスの面もある。ドル安によって、海外市場における国内製品の競争力は高まる。アメリカは、輸出よりも消費により重点を置いてきた国である。それは、1月における貿易収支の赤字が過去最高の582億ドルに達したことからも明確である。しかし、アメリカ商務省の報告書によると、2008年1月の同国輸出は1.6%の増であり、ドル安が輸出増に寄与したことが示されている。金融危機の中で、輸出増は、アメリカのGDP成長率に貢献する可能性が唯一見込める頼みの綱であるかもしれない。

4月11日、アメリカ・日本・ドイツ・イギリス・フランス・イタリア・カナダの代表者が集うG7の会議が開催される。2月9日に東京で開催された会議で、G7は、為替相場の大きな変動は望ましくないとしながらも、ユーロに対するドル安がさらに8%程度まで進むことは容認するとした。何か、特別な事態が起きない限り、主要国の中央銀行が外国為替市場に介入することはないだろう。現在の取引相場は、およそ1.56-1.57ドル/ユーロであり、中央銀行の介入が懸念されるような相場ではない。注目されるのは、マクロ経済的統計である。

 

ズベルバンク(SBER)、東ヨーロッパ諸国における大手銀行を買収の意向

今後5年間、ズベルバンクは、時価総額で世界の10指に入る金融機関となることを目指している。4月4日、記者会見で、同行副頭取兼理事であるBugrov氏はこうした計画について言及した。

投資会社Veles Capitalの主任アナリストであるZak氏は、「5年間は長い期間である。5年あれば、多くの変化が期待できる。ロシアの経済発展及びズベルバンクに流入してくる金額を考慮に入れると、世界10位以内の銀行となることも、理論的には可能である。当然、事業及び企業価値が今後5年で何倍にも拡大されるだろう。問題は、発展スピードをどのくらい早めれば、世界の大手銀行に追いつけるかということである。」と述べる。

Petrocommerce銀行の主任アナリストであるZaytsev氏は、ズベルバンクの現在の時価総額は(720億ドル相当)、金融部門で現在時価総額世界最大であるHSBCホールディング(1800億ドル)のおよそ5分の2であると指摘する。また、同氏は、世界の大手銀行は(Citigroup、UBS等)、アメリカのサブプライム問題を端とする金融市場の混乱によって、時価総額を2分の1以下に減らしたが、ズベルバンクの時価総額は、その間、およそ30%低下したと言及する。

AntantaPioglobalの主任アナリストであるOsadchiy氏は、世界市場における金融危機がさらに混乱の度合いを増せば、先進諸国における金融機関の株価は暴落し、政府の支援を受けているズベルバンクは、事業を拡大しなくても、時価総額で10位以内に入ることができるだろうと述べる。

現在、ズベルバンクは世界の主要金融機関の中で17位である。専門家は、大手10行に入るという課題を達成するには、多大な努力が必要だと指摘する。投資会社OtkrytieのShekhmametev氏は、「世界大手10行入りを目指す銀行が、一つの市場でのみ事業を展開するのは充分ではない(中国市場は例外)。世界大手10行となるには、世界の市場に進出しなければならない。そのためには、合併・買収に関する明確な戦略を練る必要がある。」と指摘する。

合併・買収の必要性については、ズベルバンク経営陣も理解している。同行副頭取のBugrov氏は、記者会見で、同行の主要目標が国際業務による収益を現在の1%から20%に増加させることであると発表した。SobinbankのアナリストであるPenkina氏は、この計画は大きすぎると考えている。同氏は、「ズベルバンクが国際市場に進出する場合、恐らく、その業務内容はロシア企業の対外貿易に対するサービスに限定されるだろう。ズベルバンクにとって、もっとも魅力的な市場はCIS諸国であると思われる。同行は、すでにウクライナ及びカザフスタンに同行傘下の銀行を所有している。ズベルバンクが発展するための最優先課題は、ロシア国内における事業拡大である。」と言及する。

ズベルバンク副頭取のBugrov氏は、記者会見で、国際市場における発展計画を立てているにせよ、ロシア国内の事業が最優先であると述べた。同氏によると、ズベルバンクが、ロシア国内で発展する余地は大きく残されている。予測によると、ロシアの銀行システム全体における収益の70%までが、小売事業による収益になるとされている。Bugrov氏は、ズベルバンクも小売事業の拡大に積極的に取り組むことを望んでおり、個人向け事業に力を入れないのは合理的でないとした。

また、Bugrov氏は、ズベルバンクが東ヨーロッパ諸国の大手銀行を取得する可能性もあることを示唆した。同氏は、取得することで、数カ国の市場に進出する基盤を得られるような大手銀行の買収を検討していると明らかにした。

SobinbankのPenkina氏は、Gref氏率いるズベルバンク経営陣が経営の質及び透明性を向上させ得ると確信している。また、同氏は、「金融市場の情勢が改善すれば、ズベルバンクはロンドン証券取引所における上場を実施するだろう。それは、時価総額上昇の好材料である。」と言及する。

しかし、投資会社OtkrytieのShekhmametev氏は、ズベルバンクの新しいCEOであるGref氏が、まだその経営手腕を発揮していないことから、今後のズベルバンクについて予測することは時期尚早であるとしている。同氏は、「以前の経営陣は非常に消極的であった。そのため、ズベルバンクには、ロシア国内における他行と同様、世界市場で受身の姿勢が見られた。経営陣が入れ替わり、今後実現されるべき新しい目標が定まってきた」と指摘する。

Sobinbankは、近いうちに、ズベルバンクでは一連の改革があるだろうとの見解を持っている。また、アナリストはズベルバンクに対する評価を「買い」としている。ズベルバンク普通株の適正価格は5.13ドル/株。優先株は3.85ドル。

FINAM

 

ロシア産業エネルギー省:2008年の主要事業

ロシア産業エネルギー省が発表した2008年の主要事業。

化学
1. ポリ塩化ビニール生産工場建設開始
2008年の投資額:367億ルーブル
年間予測生産量:44万トン
高オクタン価のガソリン基材製造のため異性化技術の導入:環境基準ユーロ3対応のガソリン生産
工場所在地:ニジニ・ノヴゴロド州 クストヴォ市
2. 1月に締結したトヨタ・カムリ自動車へのゴムタイヤ供給契約
2008年の投資額:24億5000万ルーブル
年間予測生産量:自動車50000台
工場所在地:サンクト・ペテルブルグ
3. Kuranakhskoeチタン・マグネシウム産地を基盤とした二酸化チタンピグメント生産に着手
2008年の投資額:40億ルーブル
年間予測生産量:五酸化バナジウム9600トン、精鋼90万トン
工場所在地:アムール州 極東
4. プロピレン・ポロプロピレン製造の脱水素化設備を建設に向けたトボリスク-ポリマー社の区画整備事業
2008年の投資額:539億ルーブル
年間予測生産量:ガス70億立方メートル、ポリエチレン40-50万トン、ポリプロピレン45-50万トン
工場所在地:トボリスク
5. 塗料生産会社Korundにおける生産開始
2008年の投資額:4億2000万ルーブル
年間予測生産量:2万5000トン
スペインの設備Oliver+Batlleによる多彩なエナメル・塗料の生産
工場所在地:ニジニ・ノヴゴロド州 Dzerjinsk
6. Kujbyshevazot社における高粘性ポリアミドの生産開始
2008年の投資額:36億ルーブル
年間予測生産量:9万6000トン
食品・薬品の包装資材となる耐久性に優れたポリアミド6の生産
工場所在地:サマラ州

自動車製造業
1. シボレーの軽自動車、Sens・Lanos・Aveoの製造開始
2008年の投資額:189億ルーブル
従業員数:およそ12000人
年間予測生産量:12万台
工場所在地:ニジニ・ノヴゴロド州
2. ゴーリキー自動車におけるGAZ Siberの製造開始
2008年の投資額:70億1000万ルーブル
従業員数:1500人
年間予測生産量:6万5000台(2010年)
生産ラインの85%をオート化
工場所在地:ニジニ・ノヴゴロド州
3. PSA-Mitsubishi型の軽自動車生産工場の建設開始
2008年の投資額:49億ルーブル
従業員数:1400人
年間予測生産量:5万台(30万台まで)
工場所在地:カルーガ州
4. フォードの欧州向け乗用車モンデオの製造開始
2008年の投資額:73億5000万ルーブル
年間予測生産量:2万5000台
工場所在地:レニングラード州

薬品工業
1.ロシア・ポーランドの合弁企業BIOTON VOSTOKにおけるインスリン生産を11月に開始
2008年の投資額:12億ルーブル
予測生産量:18000瓶/時
遺伝子工学・生物工学・薄層クロマトグラフ技術の分野における最先端化学を利用した遺伝子操作を基にしたバイオテクノロジーによるインスリン剤の生産
工場所在地:オルロフスク州

木材業
1. 木材加工施設の建設開始(2008年7月)
出資者:Kraslesinvest
事業の経費:733億ルーブル
予測生産量:針葉樹の晒クラフトパルプ85万トン、クラフトライナー50万トン、漂白材木70万立方メートル、中密度繊維版(MDF)25万立方メートル
従業員数:2600人
工場所在地:クラスノヤルスク州

金属業
1. ロストフ電気冶金工場の生産開始
2008年の投資額:およそ6億ドル
従業員数:およそ1000人
予測年間生産量:鉄鋼75万トン
工場所在地:ロストフ州
2. 統一冶金会社における鋳造圧延施設の稼動
2008年の投資額:およそ10億ドル
従業員数:およそ1000人
予測年間生産量:口径20-530Mmの鋼管製造のためのストリップ150万トン
3. CHTPZグループにおける鋼管90万トンの生産能力を持つ鋳造圧延施設の稼動
2008年の投資額:およそ3000万ユーロ
従業員数:およそ1000人
予測年間生産量:90万トン
工場所在地:ニジニ・ノヴゴロド州 Pervouraldsk市
4. TMKにおける連続性管圧延設備の稼動開始
2008年の投資額:およそ49億ルーブル
予測年間生産量:パイプ製品75万トン
工場所在地:ヴォルゴグラード州
5. Lebedinsky採鉱コンビナートにおける熱間圧延製品製造機械の稼動
2008年の投資額:およそ4億ドル
従業員数:およそ100人
予測年間生産量:160万トン
工場所在地:ベルゴロド州 Gubkin市
6. Kirov非鉄金属工場における設備の稼動(一貫した冶金サイクル)
2008年の投資額:およそ9億8000万ルーブル
予測年間生産量:1万1000トン
工場所在地:キーロフ州
7. ハカスアルミニウム工場において30万トンの一次アルミニウムを生産設備を稼動
2008年の投資額:およそ75万ドル
従業員数:およそ640人
予測年間生産量:30万トン
工場所在地:ハカス共和国

FINAM

 

ロシアに対する好感度はアメリカ以上日本以下

ロシアに対する世界の目が厳しさを増しているという意見は、定説となっている。先進諸国では、ロシアには民主主義が機能しておらず、反抗するものは厳しい迫害を受け、言論の自由もないという考え方が大勢を占めている。旧ソ連時代から、核兵器を振りかざすのがロシアの常套手段だと思われてきた。それから、多くの変化があったが、今猶、先進諸国のマスコミがロシアを取り上げる報道の調子は、旧ソ連時代のままである。しかも、クレムリンがエネルギー資源(ガス・石油)の力を借りて、他国を支配しようとするイメージが付け加えられた。だが、実際のところ、このような見方が全てではない。最近の調査によると、徐々にではあるが、確実に、ロシアを見る目は良くなってきている。

少なくとも、BBCが社会調査期間GlobeScanに委託して毎年実施している世界アンケート調査の結果はそのことを裏付けている。この調査はすでに4回実施されており、その間ロシアが順調に世界の共感の輪を広げていることは間違いない。今年は、34カ国の17500人がこのアンケート調査に参加した。アンケートでは、次の14カ国に対する見方を問われた。国名:イギリス・ブラジル・中国・フランス・ドイツ・インド・イラン・イスラエル・日本・北朝鮮・パキスタン・ロシア・アメリカ・ヨーロッパ連合加盟国。このアンケートから判断すると、マスメディアに取り上げられる頻度がもっとも高い国は今回の調査対象となった。世界経済に及ぼす影響は今回の調査で二次的なものである。例として、北朝鮮、パキスタンが世界の経済に及ぼす影響は微々たるものであるが、その政策は世界を動揺させている。この調査を実施した調査期間は、こうした国々に対する意見を取りまとめた。

アンケートの結果、ロシアが世界において肯定的な役割を果たしているとの回答は全体の37%であった。34%は否定的な回答であった。一年前のアンケートでは、否定的な回答が40%で肯定的な回答はわずか28%であった。先に言及したように、目に見えて進歩している。

今回のアンケートでは、もう一つ興味深い傾向が表れた。アンケートが実施されているこの4年間、アメリカに対する見方は悪くなる一方であったが、今回のアンケートではそれが少し改善した。アンケートでアメリカに対して肯定的な回答を示したのは全体の35%であったが、1年前には31%となった。アメリカに対する好感度が最も低かったのはカナダ・リビア・エジプトであった。また、今回のアンケートで、被験者のおよそ半分がアメリカをやや否定的に見ているが、1年前と比較するとその数は減少した。このアンケート結果を研究した専門家は、アメリカに対する好感度上昇の背景を次のように説明している。今年実施される大統領選挙の結果、政権交代が期待され、アメリカの外交政策が変わる可能性がある。それを受け、被験者の期待が今回のアンケートに反映されたと思われる。敵対国の“民主化”を目指すホワイトハウスの方針に同調しない人が数多くいることは、周知のとおりである。そうした意見はアメリカ国内にも広がっている。アメリカの各都市で実施されたアンケートの結果がそれを証明している。それによると、アメリカ人は、ホワイトハウスが自尊心を満たすために国家予算を浪費し、NATO軍兵士の命を危険にさらしていることに不満を募らせている。ヨーロッパ諸国は、アメリカの対テロ戦争をより批判的に見ている。NATOの加盟国においてさえ、イラク・アフガニスタンからの兵士撤退キャンペーンが実施されており、NATOの基盤が揺らいでいる。

アメリカ国務省は、公表されたアンケート結果に対する反応を示している。同省のヨーロッパ・ユーラシア担当副秘書官Kurt Volker氏は、「どの国も好かれたいと願っている。しかし、アメリカは超大国であり、大きな責任がある。世界がアメリカの行動を非常に注意深く観察していることは自然なことだ。」と述べている。一般的に、否定的な側面は、明確に捉えられることが多い。そうした観点からすれば、もっとも欠点が目立たない国はドイツと日本である。アンケートの結果によると、この2カ国は世界でもっとも好感度の高い国である。ドイツ及び日本に対する回答は全体の57%が肯定的なものだった。好感度のもっとも低い国はイランとイスラエルであり、それぞれ否定的な回答が54%及び52%であった。GlobeScan代表Miller氏によると、核計画を実施し、アメリカとの対抗姿勢を見せていることがイランに対する評価の低さとなって表れた。

イスラエルに関しては、同国政府は少し安心しても良いだろう。なぜならば、前年のアンケートではイスラエルがワースト1であり、57%が否定的な回答を寄せていた。今回のアンケート結果では、小さくはあるが、改善傾向が示された。しかし、イスラエルに対する嫌悪感はアメリカに対する反感より根深い。アメリカに新しい大統領が誕生した後に、好感度が高まる可能性がある。一方で、イスラエルの場合、パレスチナとの深刻な問題などを解決するのは困難であるため、好感度の著しい改善は期待できない。

アンケートの被験者は世界における自国の影響力についても回答が求められた。世界で中国が良い役割を果たしていると回答した中国人は91%であった。また、ロシアが良い役割を果たしていると回答したロシア人は78%であった。この結果から判断すると、ロシア人は中国人よりやや自己批判的であること、または、中国人の国民性が統一されていることがわかる。

FINAM

ロシア財務省の税制改正案

3月28日、ロシア財務省は「2009-2011年における税制改革の主要方針」を政府に提出した。当初、2008年2月に政府は今後3年間の税制を審議する予定であったが、大統領選挙があったため延期されていた。大統領選挙も終わった今、税制改正案の審議を妨げるものはない。

税制改革の主要方針では、付加価値税に関する管理体制の改善などが審議されている。第一に、財務省は、輸出に課される付加価値税免除のために必要となる提出書類の簡素化を提言している。特に、企業による取引支払証明書の提出が不要となる可能性がある。また、輸出品の供給先が外国人でなければならないとの条件も撤廃されるとみられる。第二に、ロシア財務省は、輸出管理を強化するため、税務署及び税関が輸出品目に関する情報共有システムを確立することが不可欠であると考えている。

また、2008年中に、輸出企業に対する付加価値税の一部が税関で返還されるようになる。これによって、申告の監査後、控除の適用が正当である場合及び控除が不当である場合の二通りの対応策がその場で提示されることになるだろう。

税制改革の主要方針には、社会的サービスに従事している非営利団体の付加価値税を撤廃する法案がすでに作成されていると明記されている。対象となるのは、病人・障害者・老人の看護、就学前幼児の保育である。こうした付加価値税が撤廃されれば、サービス提供者によって違っていた税金が等しくなり、政府(地方自治体)機関であっても、非営利団体であっても違いはなくなる。

一方、付加価値税の税率を下げることに関しては、財務省の主要方針の中で、2008年8月までにこの問題が解決されるだろうとしか言及されていない。

また、ガス関連企業に対する鉱物資源採掘税については、2011年まで現行の水準を維持する財務省の方針が確定した。随伴ガス採掘に対する鉱物資源採掘税の免除は、採掘事業者の随伴ガス利用度によって段階的に撤廃される予定である。

燃料に課される物品税に関しては、品質を基準に税率が変更される課税体系が2008年末までに採択される予定である。

また、クドリン財務大臣は、特別税(推定収益統一税体系、簡素化された課税体系、農業統一税)を整備する意向である。財務省のデータによると、2002-2007年における特別税適用納税件数は200万件から370万件に増加し(そのうち100万件は企業によるものである)、1.8倍となった。また、特別税として支払われた税金の額は3.3倍に増加した。

多くの企業は特別税適用の対象となるために、あらゆる手段を講じている。財務省は、企業が特別税適用によって課税される金額を最小限に抑えるため、故意に企業組織を分割している事例も多く見受けられると指摘する。従って、政府では、大企業ではなく、零細企業が特別税を適用され、利益を得られるように、企業の基準を明確にする必要があることを認めている。その例として、推定収益統一税体系に従業員数の制限を設けることが考えられる。

財務省の主要方針では、外国企業に対する課税についても言及されている。財務省は2009年からロシア国内において発生した外国企業の収益に対する課税体系に関する問題の解決に着手するとしている。課税対象となる外国企業は、多数の地域において活動する場合でも、ロシア国内に駐在所を設立する必要があるとしている。

財務省は、外国企業が有限責任事業組合形態でロシア市場へ参入する場合、ロシア国内に駐在所を置くことが必須条件であることを盛り込むように提案している。こうすれば、有限責任事業組合は外国企業(株式・有限会社など)と同様な扱いを受け、発生した収益に対し、24%の税率が課税される。

個人所得に対する収入別累進課税への変更が、以前から提案されていたが、政府は現行の税率13%を維持することに固執した。

しかし、個人所得税に関しては税制の見直しも行われる予定。例として、子ども一人当たりの扶養控除を600ルーブルから800ルーブルに引き上げることが提案された。同時に、適用制限も撤廃される可能性がある。

FINAM

2007年、ロシアM&A市場は2倍に拡大

コンサルタント会社KPMGによるデータによると、2007年、ロシアのM&A市場での取引額は2倍に拡大し、過去最高のおよそ1300億ドルに達した。KPMGのアナリストTsarev氏は、「1300億ドルの大台に達したロシアのM&A市場は、6年連続で堅調な伸びを示している。2007年後半にみられた世界的な投資減退傾向がロシアのM&A市場に影響を及ぼすことはなかったが、将来、取引に伴う資金調達に悪影響が出る可能性は残っている。M&Aの取引件数は5%増であったが(2006年のM&Aは817件、2007年のM&Aは855件)、ユコス資産の売却及びロシア統一電力システムの再編という大きな取引があったことに加え、ロシア資産価格の上昇及び市場透明性の改善などが市場拡大に大いに貢献した。

KPMGによると、2007年、海外からの直接投資が増え、外国資本によるM&A規模がさらなる拡大を遂げた。M&Aが積極的に実施された理由として次の2つが挙げられる。1つは、ロシア企業が、新たな市場獲得、新技術導入、資金調達などを目的に、海外企業との協力体制の構築を目指していることである。次に、ロシア国内投資環境が整備され、成長の可能性を秘めているロシア資産に対する外国人投資家の関心が高まったことである。

KPMGのアナリストは、次のように指摘する。「外国人投資家によるロシア資産のM&Aは、さらに増加するだろう。事業拡大戦略上、ロシア市場を重視している企業は、ロシア国内資産を購入することによって、はじめて市場シェアの獲得ができる。購入せずに独自で事業拡大を試みる場合、時間的ロスが発生する可能性が高い。しかし、将来性のある企業を選ぶことは簡単ではない。」

2007年部門別M&Aの状況

石油・ガス
2007年、石油・ガス部門で行われたM&Aの総取引額は約120億ドルであった(ユコス資産の売却を除く)。しかし、同部門における取引数は2006年、90件であったが、2007年には64件となった(ユコス資産の売却を除く)。石油・ガス部門は企業統合が進んでいるにもかかわらず、M&Aの規模は衰えることなく維持されている。同部門における統合が進んだ結果、全石油の95%を採掘する11の大企業が誕生した。

冶金・採掘
この2年間、同部門はM&Aをもっとも積極的に実施している。取引総額は197億ドルであった。そのうち10億ドル以上の取引が全体の7割以上を占めた。また、ロシア企業による外国資産購入取引が過半数を占めた。
消費・小売
同部門における取引は、2006年と同様の水準であった。そのうち、小売の割合は70%を占めた。取引総額は77億ドル。2006年の取引数は130件で、2007年は140件まで上昇した。平均取引額は前年比200万ドル減の5500万ドルとなった。

通信
2007年の取引数は69件、取引総額は前年比35.7%増の57億ドルになった。アジア・アフリカ諸国への事業拡大及びブロードバンドサービスの発展が、同部門のさらなる拡大の原動力となるだろう。

金融
2007年、同部門における取引は2006年ほど活発ではなかったが、猶、高い水準で実施されている。2007年の取引総額は40億ドルであった。銀行分野における取引額減少が、取引低下の原因となった。2006年の銀行分野における取引総額は、30億ドルであったが、26億ドルまで減少した。今後、取引数増加が見込まれるが、取引額は減少傾向に転じると予測される。その理由としては、M&A取引が可能なメガバンクが少なくなっているため。
一方で、保険分野でのM&A取引が増え、銀行分野減少分を補完した。取引総額は10億ドルの大台を超えた。そのうち90%は外国人投資家によるもの。この傾向が続く場合、市場規模は4年間で2倍に拡大する予想。

今後注目される部門

2007年、電力・機械製造・建設・交通・マスメディア部門の割合は総取引の48%を占め(ユコス資産の売却を除く)、前年比2倍増となった。

電力
2007年の取引総額は250億ドルとなり、記録を更新した。取引数は70件であった。

機械製造
取引総額は60億ドル。取引数は32%上昇の64件となった。同部門の企業は40-60%位過小評価されているために、今後注目されるだろう。

建設・不動産・ホテル事業
同部門における取引総額は2006年の20億ドルより大幅に上昇し、50億ドルという大台に近づいた。

運輸・輸送
2007年、運輸及び交通インフラ整備事業の資産に対する需要は非常に大きかった。取引は2006年と同様の水準に止まり、19億4000万ドルとなった。取引数は40件であった。

マスメディア
2006年に起きたブームは2007年に見られなかったものの、同分野は投資先として依然として将来性がある。取引総額は前年比47%減の13億ドルとなった。取引数は49件に止まった。

FINAM


 

本資料はロシア株式に関する各種情報の翻訳・提供を目的としたもので、当社が正確かつ信用にたると判断した種々の情報源から資料を入手しています。そのため本資料に記載されている情報等が一部重複している場合もあり、またその正確性、確実性、実現性について保証するものではありません。