ロシア経済トピックス: 2009年1月
世界エネルギー企業ランキング:ロシア企業の順位は?
エネルギーコンサルティング会社PFCエナジーの試算によると、原油価格の急落、及び、世界的な証券市場の下落を背景に、2008年、世界エネルギー企業最大手50社の時価総額合計は、以前の5兆2000億ドルから46%減少し、3年前の水準である2兆8000億ドルとなった。これは、PFCエナジーが年間ランキングを発表して以来、最大の縮小幅である(前回の減少は、2001年の12%、2002年の7%であった)。また、ランキングの順位にも、大きな変化があった。
専門家によると、2008年、時価総額の下落幅がもっとも大きかったエネルギー企業は、国営の石油ガス関連企業であった。民間石油統合型会社の時価総額合計が35%縮小したのに対し、国営石油ガス会社の時価総額合計は64%縮小する結果となった。
こうしたことを背景に、エネルギー企業大手50社ランキングの上位3社は入れ替わった。1位には、アメリカのエクソンモービル(時価総額4061億ドル、下落幅は15%)が入り、前回1位であったペトロチャイナ(時価総額2597億、下落幅は64%)が2位に後退した。次いで、3位には、ガスプロムに代わって、ロイヤル・ダッチ・シェル(時価総額1611億ドル、下落幅38%)が入った。今回、ガスプロムは、トップ10に届かず11位に転落した。また、ガスプロムの時価総額は、830億ドルに縮小し、その下落幅は、ランキングの中でも最大の74%であった。
全体として、ロシア石油関連企業は、中国企業と並んで、順位を下げた。大手50社に入ったロシア企業4社の時価総額合計は69%も縮小している(ランキング内の中国企業3社の時価総額合計は63%下落)。今回のランキングでは、ロスネフチ(20位)、ルクオイル(25位)、スルグトネフチェガス(33位)は、共に、5-7順位下がった。ロシアの石油関連企業の成績が芳しくなかったのはなぜだろうか。
ロシア証券会社メトロポールのアナリストであるNazarov氏は、このところ、外国人投資家は、カントリーリスクという点から、ロシア株をより敬遠していると考えている。同氏は、「特定の企業(例として、メチェル・ウラルカリー化学)に対するロシア政府の対応によって、ロシアのカントリーリスクは他の国より高いことが露呈された。そして、グルジアとの紛争、及び、ガスをめぐるウクライナとの対立は、ロシアのカントリーリスクに対する外国人投資家の認識を決定づけた。」と説明する。
投資会社OtkrytieのアナリストであるMilchakova氏は、石油ガスセクターに属するロシア企業の時価総額が大きく下落した要因について、国家予算形成に大きく関わっているためと指摘している。同氏は、原油価格の下落、及び、世界的金融危機を背景に、ロシア経済が不安定な状況にあることから、外国人投資家は、国家予算における歳入の主要源泉である石油ガスセクターの株式からすっかり手を引いたと述べる。
メトロポールのNazarov氏は、今後の見通しとして、国営という事業形態が変わらない限り、ロシア企業の時価総額が急激に上昇することはないため、PFCエナジーによるランキングの順位が上がることもないだろうとしている。また、同氏は、今後しばらく、ロシア企業の株は、割安な価格で取引されるものと予測している。しかし、それぞれの株価については、種々の要素に左右されるだろう。特に、ガスプロムでは、最近のガス供給問題がすでに時価総額に悪影響を及ぼしている。Kapital Investment Groupの試算によると、ウクライナとの対立によって天然ガス供給スキームに変更が加えられた結果、ガスプロムは、株主資本のおよそ2%を失った。長期的には、その縮小幅が7%に達する可能性がある。また、天然ガス供給停止による欧州諸国への損害賠償に関しても、織り込む必要が生じるかもしれない。
一方、投資会社OtkrytieのMilchakova氏は、より楽観的な見通しを示している。同氏は、現在、ロシア石油関連企業の株式は、とてつもなく低い価格で取引されていることから、2009年における時価総額の上昇には期待が持てると考えている。Milchakova氏は、「ロシア企業は、PERにしても、原油備蓄量に対する時価総額にしても、新興国・先進国の同業他社と比較して大幅に低い。最新データによると、ロシア石油ガスセクターの平均PERは2倍である。一方、エクソンモービル等が属する多国籍企業の平均PERは5.7倍である。また、BRIC諸国の石油ガス企業の平均PERは5.3倍である。こうしてみると、ロシアの石油関連企業株は、非常に割安な価格で取引されていることが分かる。投資家は神経質になりすぎている。それでなくとも、ロシア企業の2008年決算内容は、堅調である。」と述べる。また、Milchakova氏は、2009年の決算は不振が予想されるものの、ルーブル安によって、原油の輸出には、多少、弾みがつくだろうと期待を寄せている。
FINAM
2009_01_28L
ロシア政府:冶金関連企業に支援策
プーチン首相は、金属価格の下落によって、2009年の収益が最低でも2分の1に落ち込むことが見込まれる国内冶金関連企業に対して、公的支援を実施することを決定した。1月21日、ナビウリナ経済発展相、並びに、ノリリスク・ニッケルのストルジャルコフスキーCEOを交えて行われた会談の席上、プーチン首相は、ニッケル、及び、銅の輸出関税見直しについて言及した。同首相は、「冶金関連企業の構造的特質と世界金属市場の現状を考え、ニッケル輸出関税の撤廃、及び、数種類の銅・銅合金の輸出関税引き下げや撤廃を決定する。」と述べた。今後7日の間に、必要書類へ署名がなされ、純粋ニッケル・銅カソードの輸出関税はゼロとなる。精錬銅・銅合金の輸出関税は、現行の10%で据え置きとなる。
ノリリスク・ニッケルのストルジャルコフスキーCEOは、従来の輸出関税(銅は10%、ニッケルは5%)が継続されるようであれば、すでに、輸出関税が撤廃されている外国のニッケル・銅生産企業に対して、国内冶金関連企業は、不利な立場に追い込まれるだろうとの見解を示した。経済発展省は、今回、輸出関税が撤廃されたことによって、ロシア企業には、3億ドル相当が残るだろうとの試算を出している。
プーチン首相は、ノリリスク・ニッケルのみならず、その他ニッケル生産企業にとっても、輸出関税の撤廃は有効であり、生産回復につながるものとの期待を示した。また、同首相は、輸出関税の引き下げによって、銅生産企業の財政負担も軽減されるだろうとの認識を示した。さらに、プーチン首相は、「こうした対策が、まず、雇用の安定という形となって、社会に反映されることを望んでいる。」と述べた。
Kapital Investment GroupのアナリストであるShelekhov氏は、「プーチン首相は、言及しなかったが、今回の輸出関税撤廃によって、最大の利益を得るのは、ノリリスク・ニッケルとウラル採掘冶金会社の2社である。Russian Copper Company、Yuzhuralnikel、Ufaleynikelといった企業もあるが、Russian Copper Companyは、供給先が国内に特化されており、Yuzhuralnikelは、現在のところ、採算が見合わず、生産を停止している。」と指摘する。
市場は、輸出関税が撤廃されたことに対して、特に、大きな反応を見せていない。ニッケル・銅の輸出関税廃止に関しては、2008年12月から審議されていた。従って、今回の措置は、予想外のものではなかった。それに加え、現況では、輸出関税が撤廃されても、厳しい状況にある企業の閉塞感を緩和できるような効果を期待することは難しい模様である。結果として、21日のMICEX市場では、ノリリスク・ニッケル株も0.4%下落し、輸出関税の撤廃は、支援材料とはならなかった。これについて、モスクワ銀行のアナリストは、各冶金関連企業が1つのホールディングへ統合されるかもしれないという不透明な情報が招いたものだろうと考えている。
もっとも、輸出関税の引き下げ自体は、ノリリスク・ニッケルにとってポジティブな要素であり、同社の規模からすると大した額ではないとはいえ、やはり、大幅な節減となるだろう。アルファ・バンクでは、「輸出関税撤廃により、2009年におけるノリリスク・ニッケルのEBITDAは、2億2000万ドル増加するだろう(年間のニッケル輸出量を23万トン、銅輸出量を30万トンと評価)。」との試算を出している。モスクワ銀行の試算では、2009年、ノリリスク・ニッケルが節減できる経費は2億5000万ドルとされている。同行アナリストであるVolov氏は、「今後、金属価格が上昇すれば、節減幅は広くなるだろう。少なくとも、今後数年間は、主要非鉄金属に対する輸出関税が復活することはないだろう。」と指摘する。
ニッケル市場では、慣習として、産業消費者と最終消費者を区別している。産業消費者は、主に、ステンレス鋼の製造等、直接ニッケルを使用する業種である。世界のニッケル消費全体に占める産業消費者の割合は、およそ70%に達している。一方、最終消費者は、ニッケルを含む最終製品の生産者である(機械製造業・建設業・化学産業・食器その他の日用品生産業等)。また、ニッケルの主要消費国は、生産国に限られてはいない。
近年、世界におけるニッケルの消費量は、中国の需要増によって大きく伸びている。中国が世界の需要に占める割合は25%相当である。国際格付機関Fitchの専門家によると、2009年下半期のニッケル需要は、若干伸びる可能性がある。中国政府は、11月、インフラ再建事業、及び、四川省で起きた地震の復興事業に対する5800億ドルの拠出を発表した。
ノリリスク・ニッケルの輸出構造に占める割合がもっとも大きいのは、ヨーロッパ市場である。専門家は、世界の鉱工業生産は縮小しているものの、同社が、ニッケルの販売で苦境に陥ることはないだろうとの見解を示している。また、ノリリスク・ニッケルは、当初より、2009年の輸出量が22-23万トンに減少するとの見通しを立てていた。Kapital Investment GroupのアナリストであるShelekhov氏は、「供給過剰が発生する可能性もあり、そうなると、今後、金属価格は、さらに下落する恐れはある。しかし、どちらにせよ、生産したニッケルを100%販売できなくなるようなことはないだろう。」と結論している。
FINAM
2009_01_23L
2009年のロシア経済:ハードランディングへの準備
金融危機に関する話題は、次第に、発生源であるとか責任の所在に関してではなく、こうした状態がどれほど続くのか、或いは、もっとも影響が大きいのはどこかといった内容に変わってきている。以前には「安全地帯」と目されてきたロシアであるが、今後の見通しは、残念ながら、楽観視できるものではない。国連のエコノミストは、2009年における景気の後退による影響が大きい旧ソ連諸国として、ロシア、カザフスタン、ウクライナを挙げている。
[過酷な現実]
報告書「世界の経済情勢、及び、2009年の見通し」によると、2009年には、一人当たりの所得低下、及び、輸出の伸び悩み、資本流入ペースの停滞、大幅なドル安が予測されている。この他、発展途上国にとっては、借入コストの増大も不可避とみられている。国連のエコノミストは、今後の見通しについて、複数のシナリオを提示している。シナリオを複数提示することは、最近、良く見受けられる。第1のシナリオでは、世界のGDP成長率は1%に減速すると予測されている(2008年は2.5%)。また、先進国に限定したGDP成長率は0.5%に低下するとされている。経済過渡期にある新興国についての国連予測では、原油価格・金属価格の下落、及び、世界的金融危機の影響を背景に、2008年に6.9%であったGDP成長率が2009年には4.6%に減速することが見込まれている。
国連のエコノミストは、「現在、先行きの不透明感が非常に濃厚であることを考慮に入れると、悲観的なシナリオが妥当だろう。」と考えている。同エコノミストは、2009年に、先進国が深刻な景気後退に陥り、それによって、発展途上国の経済成長率が2.7%まで低下する可能性も排除していない。こうしたシナリオが現実のものとなれば、貧困層の大幅な拡大、並びに、政情不安・社会不安が台頭してくることが懸念される。
Kapital Investment GroupのアナリストであるNaumov氏は、「ロシア、ウクライナ、カザフスタンの経済が深刻な打撃を受けるだろうという国連の見通しは、恐らく、正しいだろう。ロシア、及び、近隣諸国の経済見通しに関しては、現在、さまざまな意見が出されている。準備金も天然資源もなく、政治的にも不安定なウクライナがもっとも厳しい情勢に追い込まれるだろうという見解を示している者がいる一方で、上記諸国には、それぞれに適応余力があり、経済の自由化・省力化も可能であるため、回復は早いだろうという意見もある。しかし、それは、経済が非常に非効率的であるということでもある。そこに、強みがあるとは考えられない。」と述べる。
Naumov氏は、上記3国の中でも、カザフスタンはいち早く金融危機の影響を早く受けたが、金融危機を克服することは可能だろうと考えている。同氏は、「我々は、民主化を目指しているが、カザフスタンは、反対に、自国の政策を堅持している。カザフスタンは、自国通貨の切り下げを実施しておらず、政府債務も少ない。従って、原油価格が急落しない限り、深刻な経済危機を回避することは可能だろう。」と考えている。
一方、ロシアの2008年における成果は、多くの専門家を失望させる結果となったようだ。メリルリンチのチーフエコノミストであるTseplyaeva氏は、「政策が非効率的であり、公的資金の拠出先が限定的、かつ、中小企業の流動性が不十分であることからすると、ロシア経済は、ハードランディングする可能性が高い。メリルリンチでは、ロシアの経済成長予測を3.7%から0.9%に引き下げた。」と述べる。
[遅きに失する反応と対策]
国連では、経済政策を担う新興諸国の政府は、インフレの進行に気を取られ、2008年第3四半期の貴重な時間を無にしてしまったと指摘している。また、同機関の専門家は、中国・日本・ヨーロッパ諸国の金融政策に関しても、今後、さらに有効な対策が打ち出されることに期待を寄せている。
各国が協調して金融危機対策を講じるようになったのは、2008年10月以降であった。金融市場の機能回復を図るために、各国政府が投入した金額は、およそ4兆ドルに上る。しかし、国連では、今後、各国中央銀行がさらなる政策金利の引き下げを実施しても効果は薄いだろうと考えている。また、アメリカ・中国・韓国が打ち出している自国経済活性化のための予算配分も有効ではあるが、まだ不十分であるとしている。
国連は、「有効と言えるような経済活性化対策に向けた国際協調システム、或いは、金融政策は、今のところ出ていない。」との見解を示している。こうしたシステムの構築は必要不可欠であるが、そのためには、国際金融システムの抜本的な改革が求められる。
FINAM
2009_01_22L
2009年経済自由度指数:ロシアの順位は?
アメリカのヘリテージ財団がウォールストリート・ジャーナル紙と共同で作成している経済自由度指数は、15年の歴史がある。今回発表された2009年経済自由度指数は、残念ながら、ロシアにとっては良い結果ではなかった。183カ国が対象となった中で、ロシアは146位であった。145位にはベトナム、147位にはハイチが入っている。ロシアの格付は、2008年には134番目であり、2007年には120番目であった。しかし、このような結果が出たからといって、ロシアの自由度が、過去数年と比較して、後退しているわけではない。ロシアの順位後退は、他国より経済自由化の進行が緩やかな国々が、新たにリストに加えられたことが関係している。この指数は、主に、経済の自由度を示すものであるが、ロシアのポイントは、貿易の自由度が向上したことにより、2008年年初に対して1ポイント増の50.8となった。ロシアのポイントは、主に経済統制が実施されている国々のグループに入っている。経済自由度指数は、各国毎に10分野に対して評価を行っている。その中には、貿易、ビジネス、投資の自由度、所有権の保護等に関する項目が含まれている。
ヨーロッパ諸国の中で、ロシアが勝っているのは、ベラルーシとウクライナのみである。決して、良い結果であるとは言えない。旧ソ連圏の中で、もっとも上位に入ったのは、13位のエストニアであった。もっとも経済自由度が高いと評価されたのは、香港であり、次いでシンガポール、オーストラリアとなった。興味深いのは、GDPが高い国だからといって、経済自由度指数ランキングの上位に入っているとは限らないということである。アメリカは6位、イギリスは10位、ドイツは25位、フランスは64位、ブラジルは105位、インドは123位、中国は132位であった。一方、下位には、ジンバブエ、北朝鮮が入っている。
ヘリテージ財団のコメントによると、ロシアが平均値を上回っているのは、税制の自由度、予算制度の見直し、及び、政府規模の分野に止まっている。石油ガスセクターによって、経済成長は大きく促進されてきたが、エネルギー資源に対する依存が非常に高いために、国家としての競争力が損なわれるリスクは高い。また、政府による経済介入の他、公共機関による自由経済の圧迫もある。さらに、関税外規制は、対外貿易のコストを大幅に増大させている。また、ロシアのインフレ率は高く、政府による物価コントロールもままならない。事実上、外国投資は、公式的にも非公式的にも障害に直面しており、その中には、官僚の動揺、汚職、及び、エネルギーセクターを始めとする収益の出ているセクターに対する直接的な統制が含まれている。
ロシアがもっとも低い評価を受けた項目は、汚職(平均値40.3に対してロシアは23)、並びに、所有権(平均値44に対してロシアは25)の問題であった。ヘリテージ財団は、「ロシアでは、汚職はどこにでもあることだと認識されている。」と指摘している。トランスペアレンシー・インターナショナルが2007年に行った汚職調査では、ロシアは179カ国中143位であった。汚職は、その数からしても、賄賂の額からしても、全体的なものである。汚職は、財政資金の横領、国有財産の搾取、取引時の収賄、検察関係者の恐喝・癒着として表れている。また、税関職員も、法規制適用で非常に矛盾した行動を取っている。
ヘリテージ財団の報告書には、所有権の保護が不徹底であるとの記述もある。裁判制度は明確でなく、汚職が横行しており、複雑なケースに対処することが技術的に難しい状態にある。契約履行に至るまでも煩雑であり、社会に根付いたそうした風潮が、ロシアと欧米社会との統合を阻害している。住宅ローンも、まだ、これからの段階にあり、知的財産権の侵害は深刻な問題となっている。
一方、税制に関しては、ロシアは高い評価を得た(平均値74.9に対してロシアは78.9)。これには、個人所得税の税率(13%)が低いこと、並びに、法人税の税率(24%)が妥当な水準にあることが寄与している。近年、国家予算がGDPに占める割合は36.9%である。
今回発表された経済自由度ランキングに関しては、自由主義経済に応じた親米国家ランキングと捉えて、懐疑的な目をむけることもできる。しかし、ロシア経済の自由度が低いことについては、一考する余地があるだろう。無秩序と90年代に蔓延した何でもありの風潮は、受け入れられない。全体的に経済統制が機能している今こそ、経済の実質的な自由化を図る時ではないだろうか。
FINAM
2009_01_21L
外貨準備高は4500億ドルとなる見通し
ロスバンク金融市場分析管理部長
アンドレイ・ストヤノフ
「外貨準備高は4500億ドルとなる見通しです。石油価格に関しては、史上最高値を記録した08年7月後に起きたこととは逆の状況が起きると考えられます。石油採掘による収益性がほぼゼロとなっている現在のような状況は、長くは続かないでしょう。新規案件は言うまでもありません。
そのため、アメリカ経済で起きているシナリオには関係なく、石油価格が70ドルから80ドルにまで回復するのには時間はかからないと思われます。外貨準備高に関する懸念はありません。石油価格がここまで回復すれば、景気対策のために支出されるだけでなく、補充されると考えられます。予測と現時点の準備高には300億ドルの差がありますが、09年に石油市場が安定するまで、おそらく中央銀行が支出することになると思われます。 」
2009年1月
石油価格はロシアにとって劇的なものではない
UBS銀行
ロシア・CIS諸国主席エコノミスト兼新興市場マクロ経済分析共同ディレクター
クレメンス・グラフェ氏
「近年ロシアが石油及びガスの輸出で莫大な収入を得たことは確かですが、その大部分は安定化基金形成の一環として、国によって海外資産に投資されてきました。
つまり、国内経済には取り込まれていなかったのです。エネルギー資源価格の上昇により、石油・ガスの輸出による増収分(対前年比)は、05年は490億ドル、06年は410億ドル、07年は270億ドルとなっています。前述3年間の増収分のうち、国内経済に向けられたのはそれぞれ130億ドル、220億ドル、250億ドルに過ぎず、残りは予算準備金の補充と輸入への融資に使われました。
05年、06年、07年における国内総需要がそれぞれ1400億ドル、1990億ドル、3100億ドル増加したことを考えると、石油ガス収入の増加分は9%、11%、8%となります。また、GDP成長率への寄与率はそれぞれ0.7%、1%、0.8%に過ぎません。金融市場が正常化してくれば、石油価格はロシアにとって劇的なものではなくなるでしょう。 」
2009年1月
GDP成長率は5%台の見通し
主席エコノミスト エフゲニー・ナドルシン氏
「09年ロシアのGDP成長率は5%台となるでしょう。もちろん、世界経済減速の影響は免れませんが、ロシア経済は、ルーブル切り下げの恩恵を受けた国内生産者に支えられ、比較的高い成長率を見せると考えられます。すでに実質10-15%の切り下げが実施されており、中央銀行はさらなる切り下げを行っていくでしょう。」
2009年1月
外国投資受入額は150億―200億ドル規模へ
アーンスト・アンド・ヤング
パートナー アレクサンドル・イヴレフ氏
「09年には投資は減速するでしょう。危機下では充分に予測されることです。08年9ヶ月で外国からの直接投資の受け入れは500億ドル以上に達しましたが、09年は150億―200億ドル程度となる見込みです。外国の大口投資家はロシア市場から撤退しないと考えられますが、そのほとんどは投資規模を見直すでしょう。最初に見直されるのは石油・ガス、通信、金融セクターやデベロッパーだと見られます。09年上半期には、主要市場の動きや、政府が打ち出した対策の効果のほどが明らかになってくるでしょう。」
2009年1月
原油価格の先行き:安定化に期待は持てるか?
中東における軍事衝突を受け、原油価格は急激な上昇を示した。12月26日から1月6日にかけて、短期市場では、Brent原油が50ドル/バレル、WTI原油が48.5ドル/バレルを付け、スポット市場では、Urals原油が48ドル/バレルとなった。しかし、こうした上昇も、先週のうちに半減してしまった。中東における紛争の危機感が、多少ではあるが、後退の色を見せ、また、原油備蓄量の増加、及び、原油需要の低下を示す米エネルギー関連情報機関の統計が公表されたことが影響したとみられる。また、原油価格の下落を誘引している要素として、通貨市場でのユーロに対するドル高傾向も挙げられる。こうしたことを背景に、現在、3月渡しのBrent原油先物は、46ドル/バレル相当の水準で取引されている。今後、原油価格は、どのように推移していくだろうか。
現在のところ、多くのアナリストは、2009年の予想原油価格を引き下げている。昨年末、UniCreditAtonのアナリストは、世界的な原油需要の見通しが不透明なことから、2009-1013年の予想原油価格を平均25ドル/バレル引き下げた(2009年は48ドル/バレル、2010年は59.05ドル/バレル、2011-2013年は64-68ドル/バレル)。
短期的な観測については、2009年第1四半期の見通しとして、Petrocommerce銀行は、Brent原油、並びに、WTI原油の価格を38ドル/バレル、また、Urals原油価格を34ドル/バレルと予測している。同行アナリストは、「地政学的リスクは非常に高いが、我々は、今後、需要がさらに低下していく可能性を排除していない。従って、今期、Urals原油価格が38ドル/バレルを上回るとしても、この水準から大幅に離れることはないだろう(楽観的観測による今期の原油価格は46ドル/バレル)。」と考えている。
一方、投資会社Veles CapitalのアナリストであるLyutyagin氏は、仮に、OPEC加盟国が12月に決定した原油減産割当を順守するならば、春までに、原油価格が55-60ドル/バレルの水準を超える可能性もあると考えている。同氏は、「そうなれば、市場は需給バランスに影響され、中期的には、価格上昇傾向となるだろう。」と述べる。また、Lyutyagin氏は、今年末までに、アメリカ経済が持ち直せば、Brent原油価格が85-90ドル/バレルまで上昇することもあり得るとしている。
投資会社Dohodのアナリストは、もっとも悲観的な数値を挙げている。同専門家は、「仮に、主要国の経済が回復しなければ、原油価格は25-30ドル/バレルに下落する可能性がある。」と考えている。原油価格の下落は、2009年のロシア経済にとって、もっとも大きなリスクである。また、投資会社Dohodのアナリストは、原油価格が25-30ドル/バレルの水準に落ち込んだ場合、政府は、民間消費の減少を公共費で補うために、準備金の積極的な利用を余儀なくされるだろうとしている。
原油価格の下落は、ロシア石油ガス関連企業の業績にも、影響を及ぼすだろう。燃料エネルギー中央局のデータによると、昨年12月におけるロシアの原油採掘量は、前月比1.2%減少している。モスクワ銀行のアナリストは、原油の輸出収益が上がらない現状から、市場は、採掘量の減少を予測していたと述べる。2008年通期としての原油採掘量は、4億8810万5000トンであったが、これは、前年の採掘量を0.7%下回る水準である。2008年における原油採掘量の低下は、10年ぶりのことである。また、2008年、ロシア産原油の遠方諸国に対する輸出量は6.2%減少した。
コンサルティング会社2K Audit-Business consultingの専門家であるKlyuev氏は、頭打ちとなっている原油採掘について、西シベリア地方に位置する産地の多くが枯渇していることに関係していると指摘する。その上で、同氏は、ルクオイルのYuzhno-Khylchuyuskoye油田における採掘が軌道に乗り、サハリン2プロジェクトでの原油採掘が始まったことから、大幅な採掘量の減少は回避できたとしている。
Klyuev氏は、近い将来、ロシアは、東シベリアにおける大規模油田の開発によって、採掘量を若干伸ばすことができると考えている。モスクワ銀行アナリストの試算によると、現在、ロシアの原油採掘量は、日間966-968万バレルの水準で行われている。これは、経済発展省による年間採掘量の予測値である4億8000万-4億8200万トンに整合している。
投資会社Veles CapitalのアナリストであるLyutyagin氏は、ロシア石油関連企業の原油輸出減について、第1に、国際原油価格の動向に基づいた時間差のある輸出関税が、特に年末に影響したと指摘する。同氏は、「石油関連企業としても、利益の上がらない仕事はしたくない。それで、企業は、原油を備蓄に回し、国内市場における供給量を増加させた。」と説明する。
多くのアナリストは、2009年におけるロシア産原油の輸出状況について、安定化するとの見解を示している。現状では、原油相場が急激に変化することはないため、石油輸出関税も、現在の原油価格に即したものとなるだろう。また、Lyutyagin氏は、「1月1日より、輸出関税が引き下げられたことによって、石油関連企業は、輸出収益を上げることが可能になるだろう。また、財務省のコメントから判断すると、2月1日からは、さらに、輸出関税が低減される見通しであり、石油関連企業は、輸出収益の増加に期待できるだろう。」と述べる。
FINAM
次のバブル市場は?
次のバブル市場は? 上昇している市場では、The Greater Fool Theory(大馬鹿理論)が機能している。換言するならば、常に、さらなる上昇相場を見込み、大金を投じて、商品、或いは、有価証券を買う楽観的な市場参加者がいるということになる。最近では、この理論を否定する研究も出されている。しかし、事実上、この理論は、現在も働いている。投資銀行グループ"トラスト"のチーフエコノミストであるナドルシン氏は、「投資家が、投資資金を投下している市場のことを良く理解していないということは、よくあることだ。そうした投資家は、よく知ろうともしていない。市場が上昇すれば、それでいいのである。2007年には一度もデフォルトはなかった。しかし、2008年は、全企業が破綻の憂き目にさらされるほどの売り越しとなった。」と述べる。こうした種類の投資家が、主として、バブル経済を生むのである。流動性が低下している現在のような状況では、こうした投資家の多くが、現状に対して、実際よりも暗い認識を持っている。しかし、再び、資金の流れが良くなれば、立て続けに泡沫的な投機現象が起きる可能性はかなり高くなる。ロシア証券市場では、バブルがはじけたばかりだ。通貨市場も、すでに、バブルが膨らんでいる。次にバブル市場となるのはどの市場だろうか。
[代替エネルギー]
投資会社エコライブのチーフエコノミストであるバイスベルグ氏は、「現在のところ、ロシア代替エネルギー市場は、自由化されていない。同市場が急激に発展してきたのは、公的支援があったためである。公的資金の注入が大幅に削減されれば、時をおかずして、代替エネルギー市場はバブルの様相を呈し、続いて、バブル崩壊するだろう。」と述べる。しかし、その上で、同氏は、金融危機によって、ヨーロッパ諸国におけるエネルギー計画の資金調達が縮小している現状があるとはいえ、ロシア代替エネルギー市場がバブルの方向に向かうまでには至らないだろうと考えている。従って、バブルがはじけるのは、個人投資家が同市場に投資資金を投下するようになった後ということになるだろう。
近い将来における代替エネルギー市場の成長路線は、2つの要素によって、左右されることになる。エコライブのバイスベルグ氏は、「原油価格が現在の水準にある限り、従来のエネルギー資源分野では、大幅な投資不足の状態となる。これは、恐らく、原油価格の上昇要因となるだろう。今後10年間で、従来のエネルギーによる発電コストと、代替エネルギーによる発電コストは、同等になるだろう。」と指摘する。代替エネルギー分野のプロジェクトで採算が取れるようになれば、個人投資家の関心も増すだろう。
また、投資会社アイコン・プライベート・エクイティの投資顧問であるドミトリエフ氏は、二酸化炭素排出削減に向けた国際戦略の一環として、今後、数年間のうちに、同市場には大規模な公的資金が投入されるものと考えている。バラク・オバマ氏が大統領選挙運動で掲げた公約の1つであるNew Energy for Americaプログラムは、その一例として挙げられる。同プログラムの推進にあたっては、再生可能エネルギー分野に10年間で1500億ドルが投下される予定である。莫大な公的支援、及び、代替エネルギー分野における収益性の向上を土台として、バブルが発生する可能性は高い。バイオエネルギー市場で発生し、崩壊したバブルも、丁度このような経過をたどった。
エコライブのバイスベルグ氏は、「当初、EUは、2020年までにガソリンに含まれるバイオエタノールの割合を20%に引き上げるという壮大な方針を掲げた。しかし、その後、消費危機が懸念されたために、同計画に対する投資資金は削減され、バイオエネルギー関連企業数社の事業破綻を招いた。」と述べる。
[ナノテクノロジー]
ナノテクノロジーというテーマが脚光を浴びたのは、最近のことである。2001年、アメリカ国立化学財団(NSF)は、同分野の将来は明るいと予測し、2015年までの投資額を2兆9000億ドルとした。それ以降、悲観的な予測が優勢になることはなかったが、急速に発展する市場で利益を得ようとする投機的欲求は形成されなかった。
ペトロコマース銀行のチーフアナリストであるビジン氏は、「ナノテク分野では、現在に至るまで、商業的に成果が期待できるようなプロジェクトが1つも推進されていない。」と述べる。このような状況でも、先進諸国の政府は、ナノテクノロジーの発展に多額の投資を続けている。ちなみに、ロシアに設立された国営企業に対して、公共投資資金が分配されるようになった2007年、最初に予算が割り当てられたのは、国営ナノテクノロジー企業のルスナノであった。当時、ルスナノには、資金調達を必要とするような承認済みのプロジェクトはなかった。2010年までの期間に、ルスナノには、およそ1300億ルーブルの公共投資資金が割り当てられる。
ナノテクに対する政府の関心に後退の色がないことは明らかである。コンサルティング会社2K 監査コンサルティングのカシヤノフ社長は、「現在のところ、ナノテクノロジー市場は未開発分野であり、バブル現象を発生させるに十分な資金を調達することが可能だろう。金融危機が起きたことによって、若干、情勢は変わったが、状況が安定すれば、ナノパイプという言葉を口にする者には、大企業の部長クラスの給与が支給されるだろう。」と考えている。
RBK誌「2009年のロシア市場予測特集」
2009年1月
2009年のロシア経済予測
年が明けた。多少なりとも、将来の見通しを明らかにしなければならない。これまでの歴史からみても分かるように、占星術師、預言者、予知者の類による影響力は大きい。政府首脳でさえも、それに反応している。ロシア政府もまた然りである。個人的な各種占い、或いは、黙示録的な予言等を信じるか否かは、それぞれの自由である。さて、2009年は丑(うし)年だ。牛は、上昇相場の象徴でもある。
投資家が、2009年の株価上昇に期待を抱くことはできるだろうか。月並みな言葉になってしまうが、全ては、やはり、金融危機によって、種々の問題が発生している中、世界経済がどのように進行していくかにかかっている。従って、やはり、金融専門家、エコノミスト、政治家等、現実世界の中にいる専門家による経済の展望に耳を傾けた方が有益だろう。
[金融危機終息はいつになるか?]
現在、ビジネスマンのみならず、一般市民も、金融危機の沈静化がいつになるのかという問題に頭を抱えている。これについては、専門家の間でも、意見が分かれているが、金融危機のピークは、2009年第2四半期になるとの見方が大勢ではある。しかし、中には、不況の底入れはもう間もなくとの意見もあれば、2009年中に底入れすることはないのではないかとの意見もある。
ロシア下院金融委員会委員のMedvedev氏は、「すでに、底が近いことは確かだろう。私としては、やや楽観的な認識を抱いている。12月はまだ許容範囲内であったが、1月はお手上げといった感になるだろう。最初のうち、一種の停滞に見舞われることは仕方がないが、2009年を通じてであれば、わずかとはいえども、成長を期待しても良いのではないかと思う。」と述べる。
中央銀行、及び、財務省の要職を歴任し、現在、国家開発プロジェクト研究センター所長を務めているCherepanov氏は、「近いうちに、金融危機の影響は終息に向かうと考えている。総合的に判断すると、金融危機のピーク、すなわち、ロシアの社会経済情勢が底を打つのは、2009年半ばになるだろう。」と述べる。
経済専門家グループの長であるGurvich氏は、「金融危機のピークは2009年第2四半期になるだろうと考えている。各種国際機関の予測が正しいとするならば、2008年末に、世界的金融危機からの脱却が始まり、そうなると、まもなく、ロシアにも回復傾向がみられるだろう。」と述べる。
投資会社UralsibのチーフストラテジストであるUifer氏は、「Uralsibでは、2009年第4四半期にならないと、経済に回復の兆しは見えてこないと考えている。2009年の第2四半期末までは非常に厳しく、3-4月には経済の落ち込みがもっとも深くなると予測される。その後、景気が回復するまでに、夏から初秋にかけて、調整局面があるだろう。ロシア経済の回復は、原油需要、及び、金属需要に大きく左右されているため、世界経済の情勢如何にかかっている。」と述べる。
ロシアING銀行のチーフアナリストであるPonomarenko氏は、「2009年に金融危機のピークが来ることを信じたい。しかし、その上で、失業率の増加、実質所得の低下、赤字予算、経常赤字、2009年上半期におけるGDPのマイナス成長、さらなるルーブル安、資産価格の下落、貸付市場の劣化等を考慮に入れた最悪の場合も想定しておくべきである。」と述べる。
メリルリンチ銀行ロシア・CIS諸国部署のチーフエコノミストであるTseplyaeva氏は、「ロシア経済の安定化は、アメリカ政府、及び、EU各国政府の政策にかかっている。各国政府が然るべき政策を取れば、2009年末までに、金融危機を乗り越えることができるだろう。しかし、単なる人気取りの手段としての対策しか打ち出されなければ、さらなる危機に見舞われる可能性もある。」と述べる。
[原油価格の動向は?]
多くのエコノミストも指摘しているように、原油価格は、猶、ロシアの経済情勢を決定する重要な要素である。専門家によるもっとも悲観的なシナリオでは、30ドル/バレルの原油価格が想定されている。Tseplyaeva氏は、原油価格を30ドル/バレルとすると、2009年には赤字予算を補填するために、準備金の全てが充当されるとの観測を示している。しかし、暗い見通しばかりではない。多くの専門家は、2009年の情勢が最悪の事態に行き着くことはないだろうと考えている。
Tseplyaeva氏も、原油価格が長期にわたって30-25ドル/バレルの水準に止まるとは考えていない。同氏は、「第1四半期には、こうした水準に停滞する可能性もあるが、その後は、反発に転じるだろう。25-30ドル/バレルの水準では、産出国の多くが、原油の生産に支障をきたす恐れがある。これは、原油価格の上昇要因となるだろう。」と述べる。
投資会社UralsibのUifer氏は、より楽観的な見解を示している。同氏は、「Uralsibでは、今後2年間における原油の平均価格を70ドル/バレルと予測している。しかし、2009年第1四半期には、取引価格がさらに下落し、25ドル/バレルを切る可能性もある。OPECは、需要の低下を受け、原油の生産削減を決定した。しかし、これまでと同様、減産が価格上昇の誘引となりうるのは、需要の低下に歯止めがかかってからである。需要が回復するのは、2009年春以降となるだろう。」と述べる。
一方、トロイカ・ダイアローグのチーフエコノミストであるGavrilenkov氏は、ロシア経済の問題は原油価格の安値ではなく、実情に即していないルーブル為替相場にあると考えている。同氏は、「ルーブルは、98年当時のように、切り下げる必要がある。労働生産性に見合う水準にまで、ルーブル相場を下げなければならない。」と述べる。
[預金通貨として選択すべきはどの通貨か?]
専門家の多くは、今後も、ロシア中央銀行は漸次的なルーブルの切り下げを実施するものと考えている。どの通貨を預金通貨にすべきか決めるにあたっても、占いは必要ない。エコノミストは、信頼性の高い銀行に、ユーロ、及び、ドルを同比率で、預金することを勧めている。
トロイカ・ダイアローグのGavrilenkov氏は、「年末には、立て続けにルーブルの切り下げが実施された。1月末までは、通貨バスケットの変動については考えない方が良いだろう。1月末になれば、政府も、均衡レートを特定するだろう。」と述べる。その上で、国家開発プロジェクト研究センターのCherepanov氏は、中央銀行が対通貨バスケットのルーブル下落を容認しているが、今後、世界市場におけるドル、ユーロの地位がどのように変化するか分からない以上、それぞれの通貨を同比率で保有すべきとしている。
一方、投資会社UralsibのUifer氏は、若干異なる見解を示している。同氏は、「次期アメリカ大統領は、経済回復のために、多くの資金を拠出しようとしているが、通貨供給量の増大は、通貨の価値下落を招くため、ドルの地位は大幅に後退するだろう。従って、年初めは、円、或いは、ユーロを選択すべきだ。その後、第2四半期には、最安値に近づいている英ポンドに移行し、2009年下半期になれば、ルーブルに戻っても良いだろう。」と述べる。
FINAM