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ロシア経済トピックス: 2010年1月

銀行セクター:2010年の展望はポジティブ

 

20100113topic.jpgロシア地域銀行協会のアクサコフ会長は、「論拠と事実」紙の会見で、「銀行システムにとって、最悪の時期は過ぎた。これからは、小幅ながらも、着実な成長が期待できる。」と発言した。当初は、銀行破綻件数の急増が予測されていたが、実際の破綻件数は、それほど多くなかった。金融危機以前は、種々の理由から、年間に20-25件の銀行が廃業していたが、2008年には28行、2009年には42行が破綻した。アクサコフ会長は、2010年の銀行破綻件数を30行以下と予測しており、また、それには、不透明な営業行為による銀行ライセンスの取消し、及び、金融機関の整理・統合という2つの要因が関わってくるだろうと予測している。2010年第2四半期までに銀行の最低資本金を9000万ルーブルに引き上げるとしたロシア下院の決定も、銀行の統合を促すだろう。

地銀協会アクサコフ会長のデータによると、2009年、ロシア銀行システムの金融資産は21%増加した。もっとも、こうした結果は、対外経済銀行を通じた劣後ローンという形で公的資金を受けた国営の大手行によるところが大きい。2009年1-11月で、個人貸付残高は、前年比10%減となった。一方、個人預金残高は、預金の利率を法外に引き上げた銀行もあったことから、18%増となった。また、昨年は、不良債権比率も増加した。しかし、不良債権の増加率は目に見えて低下しており、一部では、正常化も認められる。公式的には、不良債権比率は8%とされているが、アクサコフ会長は、総貸付高の15%程度が不良債権であると評価している。この数字は、貸倒引当金控除前のものである。また、同会長は、多くの銀行が顧客に対して1年間の支払猶予を実施したことから、不良債権問題が先鋭化するのは、まさにこの第1四半期になると考えている。

次に、住宅ローンについてであるが、アクサコフ会長の資産によると、2009年、住宅ローンの貸付高は6分の1に落ち込んだ。しかし、2500億ルーブルの予算がついたことで、状況は好転することが期待される。この予算は、銀行が住宅購入者に供与した住宅ローンを政府が買い取り、住宅市場を下支えるために計上された。政府は、住宅抵当融資公社を通じて、6-8%の利率で銀行から住宅ローンを買い取る意向である。もっとも、将来的には、インフレ率に応じて、買取レートが10-11%に上昇する可能性もある。

FINAMのストラテジストであるSergievsky氏は、「2009年、ロシアの銀行は、不良債権処理を見込んで、積極的に、貸倒引当金を拡充してきた。新規貸付はないに等しかったが、既存顧客に対しては、積極的に、高い利子でのローン借換に応じてきた。こうした対策の結果として、多くの銀行は、2010年に向けて確かな基盤を構築してきている。」と述べる。まず、平均資金調達コストよりも、貸付利子の方が上昇していることから、2010年における各行の純利鞘は拡大するだろう。また、債務者の支払能力向上を背景に、各行の貸倒引当金繰入額は、2009年よりも大幅に減少する見通しである。FINAMの分析部では、上記の要因が融資の活性化が相まって、2010年における銀行セクターの業績を牽引するだろうと考えている。

Swed銀行リテール業務部部長であるCharyshnikova氏は、2010年の展望について、銀行セクターでは、成長を期待する見方が優勢であるが、引き続き、2008-2009年における不良債権問題に対応していかなければならないため、成長率はごく小幅に止まるだろうと考えている。同氏は、「各行の流動性に不足はないが、ロシアの銀行システムは、実体経済が回復する兆しを心待ちにしている状態である。回復の兆候が見えてくれば、資金の流れも促進されるだろう。また、2010年のトレンドとしては、中央銀行による銀行資本規制強化を背景とした資本構造の強化、或いは、銀行からノンバンクへの転向が見込まれる。」と予想している。リテール部門では、前年と比較して、住宅ローン、及び、自動車ローンが回復するだろう。また、Swed銀行では、2009年末における食料品の販売状況からすると、各行は、リテール業務の中でも、以前は、個別の部門として取り扱っていなかった富裕層を対象とした事業をより積極的に展開していくだろうと考えている。Charyshnikova氏は、「富裕層顧客には、特別なアプローチが必要だ。富裕層顧客は、種々の金融商品に関心があり、求めるサービスの水準も高い。」と述べる。

投資会社Arbat CapitalのアナリストであるZavaraev氏は、銀行が多額の貸倒引当金積み増しを打ち切り、実体経済への貸付をスタートさせる時期がいつになるかということが問題だと考えている。2009年第4四半期には、不良債権の増加率が大幅に低減した。従って、悲観的なシナリオが顕在化することは、もうないだろう。Zavaraev氏は、「2010年末までには、銀行セクターの回復が期待できる。2010年上半期には、まだ、銀行は実体経済への積極的な貸出に二の足を踏むだろう。しかし、下半期に入れば、不良債権に関する指標は低下することが見込まれる。依然として、銀行セクターには、不透明感もあるものの、全体として、見通しは楽観的である。」と述べる。

FINAM

 

2010_01_14L

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