ロシア進出支援とロシア株専門の証券会社、ARUJI GATE証券(アルジゲート証券)

製造業業界: 2009年7月

ゴーリキー自動車(GAZA)、アルファ・バンクが債務の再建策に応じる構え

 アルファ・バンクがゴーリキー自動車の債務再建策に合意したことによって、ゴーリキー自動車の破綻リスクは解消されたものと考えられる。アルファ・バンク以外の債権者からは、すでに債務を再構成することで合意が取れている。FINAMは、今回のニュースをゴーリキー自動車の株価が上昇するきっかけになるのではないかと考える。

 マスコミ報道によると、7月29日、Basic Elementのオーナーであるオレグ・デリパスカが傘下企業の債務再建策に関して、アルファ・バンクと協議を行った。現在のところ、折り合いが付いているのは、ゴーリキー自動車の債務再構成のみである。

 FINAMは、今回のニュースをポジティブに評価する。アルファ・バンクは、債権者である銀行12行中、唯一ゴーリキー自動車の債務再建策に応じていなかった。そのため、ゴーリキー自動車には、破綻のリスクがあった。アルファ・バンクが債務再建策に合意したことにより、破綻リスクは解消されたものと考えられる。従って、今回のニュースは、ゴーリキー自動車株の好材料になるだろう。

 同社の負債額は約400億ルーブルである。負債の借換は次の条件となる見通しである。金利の支払いは半年後からとなり、元金の返済は2年後からとなる。2009年の利率は17%で、2010年からは中央銀行リファイナンス金利プラス4%で決定される。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の目標適正価格は21.9ドル/株(およそ687ルーブル)。

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:3億1330万8975ドル

普通株の株価:16.25ドル/株(およそ510ルーブル)
週間変化率:54.8%
月間変化率:25%
年間変化率:-87.5%

20090730GAZA.gif

2009_07_31L



アフトワズ(AVAZ)、2009年の生産計画を再び縮小

 アフトワズの2009年生産計画が縮小されたことは、同社製品に対する需要の急激な落ち込みを示唆している。これは、2009年通期の同社決算にネガティブに作用するだろう。このため、同社は、従業員の25%削減を予定している。これは、適切な措置であり、損失の低減にもつながるだろう。しかし、同社代表は、人員整理に関する情報を肯定していない。

 7月28日、アフトワズの部品製造業者による会合が開かれた。この会合の席上、アフトワズのKomarov副社長は、2009年生産計画の見直しについて言及した。2009年通期として、同社は、29万300台の自動車を製造する予定である。また、車両製造用部品1式の生産量は3万9000組となる見通しである。以前の生産計画では、2009年に47万5000台の自動車が生産される予定であった。この他、会合出席者の情報を基にしたマスコミ報道によると、アフトワズは、現在の従業員の25%に相当する2万7700人を削減する計画を立てている模様である。もっとも、同社は、表立ってはこの報道を肯定していない。

 FINAMは、生産計画の縮小に関するニュースをネガティブに評価する。同社が2008年に生産した自動車、及び、部品1式は、94万3000台相当であった。従って、今年の生産台数は、前年比65%減となる見通しである。以前の計画と比較しても、生産計画は25%縮小されたことになる。生産計画の大幅な縮小は、需要の低迷、及び、年初の在庫調整によるものである。FINAMは、こうした厳しい状況で、経費の圧縮、及び、損失の低減が見込める人員整理に踏み切ることは妥当な選択であると考える。

 FINAMの計算によるアフトワズ普通株の2010年末時点における適正価格は0.56ドル/株(およそ17.2ルーブル)。適正株価までの予想株価上昇率は45%。アフトワズ優先株の2009年末時点における適正価格は0.22ドル/株(およそ6.7ルーブル)。適正株価までの予想株価上昇率は157%。評価は「買い」。

《アフトワズの会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に軽自動車を生産。以前は、VAZ商標のもとで「ジグリ」、「ニヴァ」、「オカ」車種の製造に従事。現在は、LADA商標のもとで自動車の製造を行っている。同時に、旧車種用を含めた部品の生産を実施。ロシア国内以外に、CIS諸国、エジプト、シリア、ギリシャ、ウルグアイに自動車・部品を輸出している。

時価総額:10億4564万3808ドル

普通株の株価:0.37ドル/株(およそ11.3ルーブル)
週間変化率:0.2%
月間変化率:-13.8%
年間変化率:-62.6%

20090729AVAZ.gif優先株の株価:0.084ドル/株(およそ2.6ルーブル)
週間変化率:-2.4%
月間変化率:-14.5%
年間変化率:-84.9%

20090729AVAZp.gif

2009_07_30L


 


 

産業貿易省:環境基準ユーロ4の導入時期を延期する模様

 より厳格な環境基準ユーロ4の導入時期が延期されることにより、上記基準に対応するエンジンの改良に向けた投資は2年間延期することが可能となる。これは、ロシア自動車業界にとってポジティブとなるだろう。上場企業の中で、環境基準ユーロ4導入の延期により最も恩恵を得るのは、カマズ及びゴーリキー自動車グループであると考えられる。

 7月27日、ロシア連邦産業貿易省は、環境基準ユーロ4の導入を2年間延期する予定を明らかにした(当初予定の2010年年初から2012年年初に延期)。なお、ロシアで認定を受けていない新型車を対象とするユーロ4の導入時期は、2010年年初となる。

 FINAMは、同ニュースが全ロシア自動車業界にとってポジティブであると評価する。環境基準ユーロ4導入の延期によって、上記基準に適応するためのエンジン改良に向けた投資は延期することが可能となる。需要が急激に落ち込み、資金調達コストが上昇している状況でエンジン改良に向けた資金を投下することは、国産自動車の大幅なコスト上昇につながる可能性がある。そうなると、国産自動車の価格競争力が低下し、需要にネガティブに作用することが考えられる。

 FINAMの試算によると、環境基準ユーロ4導入の延期で、主に恩恵を得る企業は、規模の小さいロシアブランド生産会社である。なぜなら、環境基準ユーロ4に対応するエンジンの改良は大きな設備投資であり、海外メーカーと比較して、ロシア産エンジンはより根本的な改良が必要であるためである。上場企業の中で、環境基準ユーロ4導入の延期で最も恩恵を得るのは、カマズ、及び、ゴーリキー自動車グループであると考えられる。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の2009年末時点における適正価格は19.7ドル/株(およそ605ルーブル)。適正株価までの予想株価成長率は45%。カマズ普通株の2009年末時点における適正価格は1.9ドル/株(およそ58.4ルーブル)。適正株価までの予想株価上昇率は83%。

《カマズの会社概要》
ロシア大手自動車会社。主にトラック、トレーラー、バス、トラクター、自動車部品を生産。主要な企業はタタールスタン共和国のNaberezhnye Chelnyに位置。ロシア以外に、ポーランド、カザフスタン、アゼルバイジャン、ウクライナ、エチオピア、ベトナムにおいて生産活動を展開。製品は40カ国に輸出されている。

時価総額:8億146万2525.48ドル

普通株の株価:1.02ドル/株(およそ31.3ルーブル)
週間変化率:-3.1%
月間変化率:5%
年間変化率:-83.1%

20090727KMAZ.gif

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:2億6588万3049ドル

普通株の株価:13.65ドル/株(およそ420ルーブル)
週間変化率:36.5%
月間変化率:-4.2%
年間変化率:-90.7%

20090727GAZA.gif

2009_07_29L


 


 

ゴーリキー自動車(GAZA)、3社がGMへオペル買収案を最終提示

 ゼネラル・モーターズは、7月20日、オペルの最終的な買収案を3社、すなわち、マグナ、ズベルバンク、ゴーリキー自動車が組成した企業連合、及び、ベルギーの投資会社RHJ、さらに中国の北京汽車工業(BAIC)、から受けた。FINAMは、この3社中、最有力候補は、マグナ、ズベルバンク、及び、ゴーリキー自動車による企業連合であると考える。この企業連合がオペルの買収に成功すれば、ゴーリキー自動車は、オペル車の組立を行うことができるため、乗用車製造施設の効率的な稼動が可能となる。これは、同社の財務市場にポジティブに作用するだろう。

 7月20日、GMは、3社からオペルの最終買収案を受けた。この3社は、マグナ、ズベルバンク、及び、ゴーリキー自動車が組成した企業連合、及び、ベルギーの投資会社RHJ、中国の北京汽車工業(BAIC)である。GM取締役会は、7月22日に上記三つの買取案を検討した上で、最終的な決定を下す見通しである。

 FINAMは、マグナ、ズベルバンク及びゴーリキー自動車の企業連合がオペルの売却先となる可能性が最も高いと考える。マグナには、自動車事業における専門知識があり、ズベルバンクは、融資供与の用意がある。なお、ゴーリキー自動車は、ロシアにおける自動車組立を請け負うことができる。これによって、ロシア国内で販売されるオペル車の生産原価は、抑制されると見込まれる。

 上記企業連合の買取案では、人員整理の規模が最小限に抑えられている。買取案が採択されれば、ゴーリキー自動車グループは、操業停止状態にある乗用車製造ラインをフル稼動させることが可能となる。これは、同社の財務指標にポジティブに作用するだろう。

 ベルギーのRHJは、自動車製造に関する経験を持ち合わせていない。中国のBAICは、オペルの技術取得、並びに、中国国内における生産拠点の設置に関心がある。従って、BAICの買取案がドイツ政府から支持されるとは考えにくい。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の2009年末時点における目標適正価格は17.9ドル/株(およそ552ルーブル)。

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:2億1144万7545ドル

普通株の株価:12.75ドル/株(およそ400ルーブル)
週間変化率:0%
月間変化率:-30.7%
年間変化率:-93.1%

20090721GAZA.gif

2009_07_22L


 



ソレース(SVAV)、政府が外国中古自動車の輸入に新たな行政措置を導入

 外国中古自動車の輸入に新たな行政措置を設けることは、ロシアの国産自動車メーカーに対する追加的な支援策となるだろう。FINAMは、国内上場企業の中では、車種が豊富で、極東での自動車製造を計画しているソレースがもっとも恩恵を得るものと考える。

 7月15日から、ロシアに輸入される全ての中古自動車は、ロシア連邦農業・畜産監督局による植物検疫を受けなければならない。また、研究所で分析を行うために、最大で20日間、輸入自動車が留め置かれる場合がある。この検疫は、国境と到着先の2箇所で実施されることになる

 FINAMは、今回導入される輸入中古自動車に対する植物検疫がロシア国内自動車メーカーに対する追加的な支援策になる可能性があると考える。こうした措置が導入されれば、国内自動車メーカーは有利である。FINAMは、国内企業の中では、ソレースがもっとも恩恵を得るものと考える。同社は、車種が豊富で自動車市場の各部門に参入しており、極東における自動車生産の計画も立てている。極東では自動車市場の80%以上を中古輸入自動車が占めている。

 FINAMの計算によるソレース株の2009年末時点における目標適正価格は13.4ドル/株(およそ435ルーブル)。評価は「買い」

《ソレースの会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。持株会社であり、ワズ(UAZA)、Zavolzhsky motor plant、ZMAの株式を保有。主に乗用車、オフロード車、トラック、バス等を製造。韓国のSsangYong、イタリアのFiat、日本のISUZUと共同で生産を行っている。

時価総額:2億1144万6881.03ドル200

普通株の株価:6.17ドル/株(およそ195ルーブル)
週間変化率:-2.2%
月間変化率:-33.7%
年間変化率:-89.4%

20090715SVAV.gif

2009_07_16L


 



ソレース(SVAV)、極東での自動車生産を計画

 ソレースが極東における自動車の組み立て工場建設を計画していることは、同社の財務基盤が堅固であることの証拠である。現在、輸入自動車には高い輸入関税がかけられている。一方で、輸送コストを縮小することができれば、極東での生産を考えているソレースの自動車は、競争力を向上させることができるだろう。

 7月13日、沿海州のダリキン沿海地方知事は、ソレースが大手船舶修繕会社Dalzavodの買収交渉を行っていることを明らかにした。ソレースは、この船舶修繕会社の跡地に、自動車組立工場を建設したいとしている。ソレースは、いすゞのトラック、及び、Fiatの商用車Ducato、双龍自動車のオフロード車の組立を行う方針である。2009年末、或いは2010年初頭の製造開始を予定している。

 FINAMは、今回のニュースをポジティブに評価する。第1に、極東における自動車組立工場の建設を計画していることは、ソレースの財政状態が安定していて、借入が可能であることを示唆している。また、極東に自動車組立工場を建設することで、ソレースは、韓国・日本からの自動車部品、及び、自動車本体の輸送経費の縮小を図ることができるため、大きなアドバンテージを得ることになる。また、外国の新車・中古車には、高い輸入関税がかけられているため、ロシア国内で生産される自動車は競争力を向上させることができるだろう。

 FINAMの計算によるソレース普通株の2009年末時点における目標適正価格は13.6ドル/株(およそ450ルーブル)。目標適正株価までの予想株価上昇率は129%。評価は「買い」。

《ソレースの会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。持株会社であり、ワズ(UAZA)、Zavolzhsky motor plant、ZMAの株式を保有。主に乗用車、オフロード車、トラック、バス等を製造。韓国のSsangYong、イタリアのFiat、日本のISUZUと共同で生産を行っている。

時価総額:2億767万7163.54ドル

普通株の株価:6.06ドル/株(およそ200ルーブル)
週間変化率:-6.7%
月間変化率:-37.6%
年間変化率:-89.7%

20090714SVAV.gif

2009_07_15L


 

 

ゴーリキー自動車(GAZA)、債権者委員会と債務再編策で合意

 ゴーリキー自動車が債権者委員会と債務再編策で合意したことによって、同社の財務基盤は安定するだろう。また、現在の商用車市場の動向、並びに、同社の債務負担の大きさを勘案すると、今回、合意に至った利子率は、低水準であると考えられる。しかし、アルファ・バンクとの折り合いはついていないため、交渉が長引く可能性はある。

 マスコミ報道によると、ゴーリキー自動車の債権者委員会は、債務再編策に合意した。これで、銀行各行の了承を得るという次の段階に移ることになる。債務再編のスキームは、以下の通りである。利子の支払いが開始されるのは半年後からとなる。また、負債本体の返済が開始されるのは2年後からである。2009年の利子率は17%で2010年以降は中央銀行の貸出レートプラス4%となる。しかし、債務の償却を求めているアルファ・バンクは、この条件に同意していない。

 FINAMは、債権者委員会が債務再編策に同意したというニュースをポジティブに評価する。ゴーリキー自動車の債務再構成に関わる問題は、徐々に解決に向かっているといえるだろう。政府からは、同社負債の半分を保障する200億ルーブル相当の国家保障が供与される。同社が負担することになるのは、残りの半分についてである。同社の債務負担の規模、及び、現在の商用車市場の動向を勘案すると、金利は低水準であると評価される。

 ネガティブな要素としては、アルファ・バンクとの折り合いが付いていないことが挙げられる。このために、交渉が長引く恐れもある。両者の交渉に、政府が介入する可能性も考えられる。ゴーリキー自動車の社会的影響力を考慮に入れると、政府としては、同社の破綻を避けたいだろう。FINAMは、現在の状況からすると、同社資産を売却したとしても、全債務の償却はできないため、債権者は、債務の再構成に応じた方が得策であると考える。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の2009年末時点における目標株価は22.1ドル/株(およそ707ルーブル)。

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:2億4848万8065ドル

普通株の株価:12.75ドル/株(およそ408ルーブル)
週間変化率:-1.9%
月間変化率:-36.3%
年間変化率:-92.2%

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2009_07_14L


 



 

ゴーリキー自動車(GAZA)、アルファ・バンクが勝訴

 アルファ・バンクは、ゴーリキー自動車グループ傘下2社を訴えていた裁判で勝訴した。今回の勝訴によって、同行は、上記2社の破産手続きを求める権利を得た。もっとも、訴額が小さいことを勘案すれば、ゴーリキー自動車グループとしての返済は可能であると考えられる。アルファ・バンクは、国家保証が提供されても、同グループの債務再構成に応じない姿勢を示していることから、債務の再構成は国営銀行が行う可能性もある。

 7月9日、アルファ・バンクがゴーリキー自動車グループ傘下2社(ゴーリキー自動車工場、及び、ゴーリキー自動車買付け会社)に対して、4470万ルーブルの支払いを求めていた裁判で、8日に勝訴したとのニュースが報道された。判決は確定したが、訴訟額は返済されていない。そのため、アルファ・バンクは、上記2社に対して、破産を求める権利がある。また、アルファ・バンクは、200億ルーブル規模の国家保証が提供される同グループの債務再構成の条件に異を唱えている。

 FINAMは、同ニュースをネガティブに評価する。12行のうち、11行は200億ルーブルの国家保証が提供される債務再構成の条件に応じた。しかし、アルファ・バンクがこれに応じていないため、ゴーリキー自動車グループと銀行側、並びに、政府との合意は、無効となる恐れがある。アルファ・バンクは、国家保証が融資の半分にのみ供与されることを不服としており、債務再構成期間が終了してから、ゴーリキー自動車グループの債務償却に、再び、支障が出るリスクがあると指摘している。

 ロシア政府は、ゴーリキー自動車グループを破綻から救済する必要があるとしている。こうした政府の立場を考慮すれば、アルファ・バンクからの融資の借り換えは国営銀行が行うことも考えられる。

 アルファ・バンクが勝訴した訴額は小さいため、ゴーリキー自動車グループとしては、融資を受けることなく、同額を返済することができる。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の2009年末時点における目標適正価格は22ドル/株(およそ701ルーブル)

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:2億6145万2247ドル

普通株の株価:13.45ドル/株(およそ428ルーブル)
週間変化率:3.5%
月間変化率:-36.7%
年間変化率:-91.6%

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2009_07_13L


 


ゴーリキー自動車(GAZA)、政府が200億ルーブルの政府保証

 ゴーリキー自動車は、最大規模の200億ルーブルの政府保証を受ける見通しである。これによって、債務の再構成に関する銀行側との交渉は妥結することになるだろう。

 マスコミ報道によると、シュヴァロフ第1副首相が委員長を務める金融危機対策委員会は、7月7日、ゴーリキー自動車に対して、200億ルーブルの政府保証を提供することを採択した。しかし、政府保証は100億ルーブル以下と定めた規定があるため、この決定に対する調印はまだである。

 FINAMは、ゴーリキー自動車に多額の国家保障が提供されるというニュースをポジティブに評価する。200億ルーブルの国家保障が提供されれば、銀行側は、例外なく、債務の再構成に応じるだろう。債務の再構成に伴う条件は、以下のような内容になるだろう。ます、ゴーリキー自動車は、債務再構成のために、シンジケートローンを調達する。金利の支払いは半年後、債務本体の返済は2年後からとなる見通しである。シンジケートローンの金利は17%で毎年見直されるだろう。17%相当の金利であれば、債務償却に支障が出ることはないものと考えられる。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の2009年末時点における目標適正価格は22.6ドル/株(およそ710ルーブル)。

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:2億7163万8390ドル

普通株の株価:14ドル/株(およそ440ルーブル)
週間変化率:7.7%
月間変化率:-30%
年間変化率:-91.5%

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2009_07_09L


 


 

ソレース(SVAV)、政府がロシア自動車業界に対して追加的支援

 政府の追加的支援策によって、ロシアの自動車販売台数は、5万5000台-6万台程度の増加が見込まれる。FINAMの試算によると、ロシア自動車業界の中で、優遇貸付条件の変更により、もっとも利益を得るのはソレースである。優遇枠が拡大されたことにより、同社では4車種が対象になる。これは、ソレースが生産している自動車のおよそ半分に相当する。

 7月6日、ロシア政府は、優遇貸付政策の規模拡大を図った。これにより、自動車の購入者には、3分の2の金利で融資が提供される。今回、限度額も、3万5000ルーブルから6万ルーブルに拡大された。この他、頭金も30%から15%に引き下げられ、貸付期間は3年に延長された。さらに、追加的支援策の対象には、商用車の購入も含むことが決定された。

 FINAMは、今回の措置によって、ロシアの自動車販売台数は伸びるものと考える。FINAMの試算では、ロシアの上場自動車会社の中で、優遇貸付条件の変更により、もっとも利益を得るのはソレースであると考えている。優遇枠が拡大されたことにより、同社では4車種が対象となった。これは、ソレースが生産している自動車のおよそ半分に相当する。また、頭金の条件が引き下げられたことにより、消費者にとっては、自動車購入の機会にゆとりが生まれるため、需要動向にもポジティブな影響が期待できるだろう。自動車業界に対する支援策の規模が20億ルーブルであり、FINAMは、優遇貸付制度を利用して購入される自動車の平均価格は4万5000ルーブル相当と見込んでいる。現在の貸付金利は11.5%であり、今回決定された支援策が完全に実行されれば、ロシアの自動車販売台数は、5万5000台-6万台程度増加することが見込まれる。

 FINAMの計算によるソレース普通株の2009年末時点における目標適正価格は14.5ドル/株(およそ455ルーブル)。目標適正株価までの予想株価上昇率は124%。評価は「買い」。

《ソレースの会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。持株会社であり、ワズ(UAZA)、Zavolzhsky motor plant、ZMAの株式を保有。主に乗用車、オフロード車、トラック、バス等を製造。韓国のSsangYong、イタリアのFiat、日本のISUZUと共同で生産を行っている。

時価総額:2億1727万2808.06ドル

普通株の株価:6.34ドル/株(およそ200ルーブル)
週間変化率:-9.8%
月間変化率:-32.1%
年間変化率:-89.7%

20090707SVAV.gif

2009_07_08L


 


 

アフトワズ(AVAZ)、2008年決算を発表

 アフトワズの2008年決算は、第4四半期における売上高の急落、及び、上半期における鉄鋼価格の高騰を反映し、ネガティブな内容となった。また、管理費が急増したことも、収益に響いた。売上高の低迷、及び、原料資材の高騰は、2009年にも影響し、赤字となることが予測される。

 7月2日、アフトワズは、2008年決算を発表した。売上高は前年同期比5.2%増の77億ドルとなった。当該期は、104億ドルの営業損失、純損失は10億ドルとなった。

表1:アフトワズの主要財務指標(単位:100万ドル)

指標

2008

2007

変化率

売上高

7 723

7 340

5,2%

経費

7 024

6 194

13,4%

売上総利益

699

1 146

-39,0%

売上総利益率

9,1%

15,6%

- 6,5 %

管理費

784

626

25,3%

販売費

424

329

28,7%

営業利益

-1 041

323

ネガティブ

営業利益率

-13,5%

4,4%

- 17,9 %

純利益

-992

144

ネガティブ

純利益率

-12,8%

2,0%

- 14,8 %

 

 

 

 

 

 

 

出典:同社の資料

 FINAMは、アフトワズが発表した2008年決算をネガティブに評価する。鋼材・部品価格の上昇を背景に、製品原価の上昇は、増収率を上回った。これによって、総利益は39%減の6億9900万ドルに落ち込む結果となった。

 2008年決算の他のネガティブな要素は、管理費拡大の抑制が実施されなかったことである。そのため、管理費は、25.3%増加した。販売費も、およそ29%増と大幅に拡大した。

 ポジティブな要素としては、自動車の平均価格が上昇したことが挙げられる。FINAMの試算では、平均価格の上昇率は11.9%である。こうしたことを背景に、販売量は6%減少したものの、売上高は5.2%増となった。

 また、注意すべきは、固定資産の再評価によって、107億ルーブル相当(およそ4億3000万ドル相当)の損失が計上されたことである。同評価は、割引キャッシュフローモデルに基づいて実施された。割引率が大きく引き上げられ、残余価値が高い水準であったことから、固定資産簿価の損金処理が必要となった。

 FINAMは、アフトワズの2009年通期決算は赤字となる可能性が高いと考える。2009年1-5月期、同社の生産量は、前年同期比67%減となった。アフトワズ経営陣は、2009年上半期における原料・資材価格が、2008年下半期に比べて低下していないことを明らかにした。同社経営陣のデータに基づくと、2009年上半期における損失額は、100億ルーブル相当である(およそ3億2300万ドル)。

 FINAMの計算によるアフトワズ普通株の2009年末時点における目標適正価格は0.47ドル/株(およそ14.5ルーブル)。目標適正株価までの予想株価成長率は13%。評価は「中立」。優先株の目標適正価格は0.19ドル/株(およそ5.8ルーブル)。予想株価成長率は97%。評価は「買い」。

《アフトワズの会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に軽自動車を生産。以前は、VAZ商標のもとで「ジグリ」、「ニヴァ」、「オカ」車種の製造に従事。現在は、LADA商標のもとで自動車の製造を行っている。同時に、旧車種用を含めた部品の生産を実施。ロシア国内以外に、CIS諸国、エジプト、シリア、ギリシャ、ウルグアイに自動車・部品を輸出している。

時価総額:11億5935万2644ドル

普通株の株価:0.41ドル/株(およそ12.7ルーブル)
週間変化率:-3.7%
月間変化率:-24.2%
年間変化率:-74.4%

20090703AVAZ.gif優先株の株価:0.095ドル/株(およそ3ルーブル)
週間変化率:-0.6%
月間変化率:-20.4%
年間変化率:-86%

20090703AVAZp.gif

2009_07_06L


 


 

カマズ(KMAZ)、2008年決算を発表

 カマズの決算発表内容は予想通りネガティブであった。同決算は、第4四半期における販売台数の急落、及び、上半期における鉄鋼価格の高騰を反映している。また、売掛金が不良債権化したことにより、販売経費が大きく増加した。FINAMは、販売低迷の影響によって、2009年通期も赤字となるだろうと予測する。

 7月1日、カマズは、2008年決算を発表した(国際会計基準)。当該期、売上高は、前年比1.8%増の39億ドルとなった。営業利益は、前年比41%減の2億5300万ドルとなった。純利益は86%減の4300万ドルとなった。

表:カマズの主要財務指標(単位:100万ドル)

指標

2008

2007

変化率

売上高

3 874

3 805

1,8%

経費

3 183

2 959

7,6%

粗利益

663

846

-21,6%

総収益率

17,1%

22,2%

- 5,1%.

販売費

214

164

30,5%

管理費

239

230

4,0%

営業利益

253

428

-40,9%

営業収益率

6,5%

11,3%

- 4,8%

純利益

43

308

-86,1%

純利益率

1,1%

8,1%

- 7,0%

出典:カマズのデータ、FINAMの計算

 FINAMは、カマズが発表した2008年決算をネガティブに評価する。売上高は、自動車の生産台数が3.1%減少したことを背景に、ほぼ2007年と同等の水準に止まった(ドル換算では1.8%増、ルーブル換算では‐0.9%)。一方、経費は7.1%増となった。これは、鉄鋼価格上昇の影響を受けたためである。その結果、粗利益は21.6%減となった。

 その他のネガティブな要素としては、売掛金の不良債権化に備えて創設した準備金が響いて、販売経費が30.5%増となったことが挙げられる。また、2008年上半期におけるルーブル高によって、輸入車との競合が厳しくなったことも、販売経費の増加に影響した。

 一方、ポジティブな要素としては、管理費の抑制が挙げられる。当該期、管理費は、前年比わずか4%増に止まった。

 FINAMは、販売台数が急落したことによって、2009年としても、同社は赤字を計上するだろうと予測する。もっとも、鉄鋼価格の下落は製品原価の抑制に寄与することが見込まれる。2009年第1四半期、カマズの売上高は、前年比60.7%下落した。

 FINAMの計算によるカマズ普通株の目標適正価格は1.31ドル/株(およそ40.8ルーブル)。目標適正株価までの予想株価上昇率は38%。評価は「買い」。

《カマズの会社概要》
ロシア大手自動車会社。主にトラック、トレーラー、バス、トラクター、自動車部品を生産。主要な企業はタタールスタン共和国のNaberezhnye Chelnyに位置。ロシア以外に、ポーランド、カザフスタン、アゼルバイジャン、ウクライナ、エチオピア、ベトナムにおいて生産活動を展開。製品は40カ国に輸出されている。

時価総額:7億6217万5146.78ドル

普通株の株価:0.97ドル/株(およそ30.2ルーブル)
週間変化率:-0.02%
月間変化率:-31.7%
年間変化率:-82.5%

20090702KMAZ.gif

2009_07_03L


 


 

ゴーリキー自動車(GAZA)、ほぼ全債務を再構成することで合意

 ゴーリキー自動車がほぼ全ての銀行と債務の再構成で合意したことは、同社財務基盤の向上につながるだろう。しかし、アルファ・バンクは再構成に応じておらず、ネガティブな影響が懸念される。ゴーリキー自動車の社会的地位を勘案すると、同社が破綻する可能性は低いと考えられる。

 7月1日、ゴーリキー自動車のZanozin代表取締役は、アルファ・バンクを除く全ての銀行が債務の再構成に合意したことを発表した。アルファ・バンクは、同社に対して、15億5000万ルーブル(5000万ドル)の返済を求める訴訟を起こしている。債務の再構成は、次のスキームで実施される。まず、利子の支払いについては、半年後からとなる。また、借入金の返済は2年後からとなる。

 FINAMは、今回のニュースをポジティブに評価する。しかし、アルファ・バンクとは合意に至っていないため、全債務の再構成に要する期間は長期化する可能性がある。2009年第1四半期時点におけるゴーリキー自動車の負債総額は、450億ルーブル(14億ルーブル)である。従って、アルファ・バンクが訴訟を起こして、返済を求めているのは、負債総額の3.4%である。

 FINAMは、現在の状況からすると、ゴーリキー自動車が資産を売却したとしても、全債務を満たすことはできないため、破綻を選択するよりも、全債務の再構成を実施したほうが得策であると考える。ゴーリキー自動車の社会的地位を勘案すると、同社が破綻する可能性は低いだろう。ゴーリキー自動車は、審理期間の延長を目的に、アルファ・バンクを相手に反訴している。

 FINAMの計算によるゴーリキー自動車普通株の2009年末時点における目標価格は20.2ドル/株(およそ626ルーブル)。

《ゴーリキー自動車の会社概要》
ロシア大手自動車生産会社。主に乗用車、ミニバス、バンを生産。バス、トラック、特殊建設機械の製造も手がける。「ヴォルガ」、「ガゼリ」、「パズ」等のブランド名が有名。国内とイギリスに18の製造工場を保有。主要株主はRusskie Mashini。

時価総額:2億5311万8130ドル

普通株の株価:13ドル/株(およそ405ルーブル)
週間変化率:-8.8%
月間変化率:-45.8%
年間変化率:-92.4%

20090702GAZA.gif

2009_07_03L