金融・不動産業界: 2009年1月
ズベルバンク(SBER)、2008年1‐9月決算は好調
FINAMは、ズベルバンクが発表した2008年1-9月決算(国際会計基準準拠)をポジティブに評価する。当該期の業績は、小幅ではあるが、堅調な成長を示し、主要部門の収益率も向上した。また、ポジティブな要素として、不良債権比率が安定的に低い水準で維持されたことが挙げられる。しかし、FINAMは、今後半年間、同行貸付ポートフォリオが劣化するだろうと予側する。貸付ポートフォリオの劣化を抑えるため、内部留保の拡大が必要となることから、純利益にネガティブな影響が出る可能性がある。
1月26日、ズベルバンクは、2008年1-9月連結決算(国際会計基準準拠)を発表した。当該期、同行の資産は18.0%増の5兆8000億ルーブルとなった。総貸付高は23.8%増の5兆ルーブルに達した。2008年第3四半期末時点における同行自己資本は、2007年末期比10.9%増の7060億ルーブルとなった。
表:ズベルバンク銀行の2008年9ヶ月主要財務指標(2007年との比較、単位:10億ルーブル)
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指標 |
2008年9ヶ月 |
2007年9ヶ月 |
変化率 |
|
資産 (期末時点) |
5 814 |
4 929 |
18,0% |
|
総貸付高 (期末時点) |
4 994 |
4 033 |
23,8% |
|
自己資本 (期末時点) |
706,4 |
637,2 |
10,9% |
|
ROAE |
17,9% |
22,5% |
- 4,6 % |
|
ROAA |
2,2% |
2,5% |
- 0,3 % |
|
金利利鞘 |
7,2% |
6,2% |
+ 1,0 % |
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コスト/収益 |
51,7% |
55,4% |
- 3,7 % |
|
自己資本比率 |
12,7% |
13,9% |
- 1,2 % |
出典:同行の資料、及び、FINAMによる計算
FINAMは、上記の決算内容をポジティブに評価する。当該期、 ズベルバンクの成長率は、金融セクターの業種別平均をやや下回る結果となった。同行の資産増加率は、業種別平均の21.4%に対して、18.0%であった。また、貸付ポートフォリオの増加率は、業種別平均の31.4%に対して、23.8%となった。しかし、2008年第4四半期、ズベルバンクは、国家から劣後ローンとして供与された5000億ルーブル相当の資金を市場に供給したため、同期の財務指標は改善するものと期待される。
表:ズベルバンクの2008年9ヶ月損益計算書(単位:10億ルーブル)
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指標 |
2008年9ヶ月 |
2007年9ヶ月 |
変化率 |
|
利子収入 |
441,3 |
304,1 |
45,1% |
|
支払利子 |
173,7 |
127,1 |
36,7% |
|
純利子収入 |
267,6 |
177,0 |
51,2% |
|
内部留保 |
36,1 |
4,0 |
795,1% |
|
純手数料収入 |
60,1 |
45,7 |
31,6% |
|
業務純益 |
284 |
225 |
26,4% |
|
有価証券ポートフォリオによる損益 |
-16,3 |
0,3 |
- |
|
人件管理費 |
165,7 |
133,8 |
23,9% |
|
純利益 |
90,2 |
69,9 |
29,1% |
出典:同行の資料
ポジティブな要素の中でも、主要事業の収益増は重要視される。純金利利鞘は1.0%増の7.2%となり、収益増につながった。また、2008年、ローン金利を引き上げたことにより、利子収入の増加率は支払利子の増加率を上回った。貸付ポートフォリオのデュレーションが2年を超えることから、ローン金利の上方修正は継続されるだろう。
その他、ポジティブな要素としては、第3四半期、人件費が前期の水準を維持したことが挙げられる。同行経営陣は、今後1年間における人件費の削減を図っている。しかし、第3四半期の管理費は7.7%増加した。
貸付ポートフォリオに占める不良債権比率は、2008年第2四半期には1.47%であったが、第3四半期には1.52%と若干の増加を示した。ズベルバンクは、貸付ポートフォリオの劣化に備え、2008年9ヶ月の内部留保を前年同期比9倍に拡大した。これを背景に、同行の純利益は減少した。
しかし、同行の総貸付高に占める内部留保比率は2.88%に止まっている。この数値からすると、近いうちに、ズベルバンクは内部留保額のさらなる急激な拡大を余儀なくされ、純利益の低下につながるだろう。
有価証券ポートフォリオに関して、同行経営陣は、新たな評価基準(有価証券区分の変更)を採用せず、有価証券の実現損益、並びに、未実現損益を損益計算書に計上することを決定した。つまり、ズベルバンクの財務指標は、有価証券ポートフォリオの時価変動を適格に反映していると言える。
現在、FINAMは、ズベルバンク株に対する評価の見直しを行っている。
ズベルバンクの時価総額:114億6521万2960ドル
普通株の株価:0.52ドル/株(およそ17.1ルーブル)
週間変化率:0.05%
月間変化率:-32.6%
年間変化率:-85.8%

優先株の株価:0.24ドル/株(およそ7.9ルーブル)
週間変化率:-1.5%
月間変化率:-24.5%
年間変化率:-89.9%

2009_01_28L
VTB(外貿銀行)(VTBR)、2008年1-9月の決算を発表
VTB(外貿銀行)(VTBR)、2008年1-9月の決算を発表
VTB(外貿銀行)が発表した2008年1-9月の決算から、同行が業種別平均を上回る成長率を示し、主要事業である貸付業務からの収益が大きく増加したことがわかる。今後のリスクとしては、不良債権の増加とそれに伴う内部留保の強化が挙げられる。
1月22日、VTB(外貿銀行)は、2008年1-9月の決算(国際会計基準・未監査)を発表した。当該期、同行の資産は22.1%増加し、1131億ドルとなった。総貸付高は39.6%増の817億ドルとなった。同行自己資本は、前年同期比5.2%減の156億ドルとなった。
表:VTB(外貿銀行)の主要財務指標(単位:10億ドル)
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指標 |
08年1-9月 |
07年1-9月 |
変化率 |
|
資産(第3四半期期末時点) |
113,1 |
92,6 |
22,1% |
|
総貸付高(第3四半期期末時点) |
81,7 |
58,5 |
39,6% |
|
自己資本(第3四半期期末時点) |
15,6 |
16,5 |
-5,2% |
|
ROAE |
2,5% |
12,3% |
- 9,8 % |
|
ROAA |
0,4% |
2,2% |
- 1,8 % |
|
純利益率 |
4,8% |
4,4% |
+ 0,4% |
|
コスト/収益 |
77,2% |
53,6% |
+ 23,6% |
出典:VTB(外貿銀行)のデータ、FINAMの計算
FINAMは、VTB(外貿銀行)が発表した決算を中立的に評価する。同行は、業種別平均を上回る成長率を示した。特に、同行資産の増加率は、業種別平均である21.4%を上回る22.1%となり、貸付ポートフォリオの増加率は、業種別平均の31.4%に対して、40.7%であった。
表:VTB(外貿銀行)の損益計算書(単位:100万ドル)
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指標 |
08年1-9月 |
07年1-9月 |
変化率 |
|
利子収入 |
6 879 |
3 643 |
88,8% |
|
支払利子 |
3 524 |
1 911 |
84,4% |
|
純利子収入 |
3 355 |
1 732 |
93,7% |
|
内部留保 |
1 380 |
355 |
288,7% |
|
純利子収入 |
484 |
414 |
16,9% |
|
業務純益 |
2 606 |
2 570 |
1,4% |
|
有価証券ポートフォリオによる損益 |
-450 |
163 |
- |
|
人件管理費 |
1 948 |
1 289 |
51,1% |
|
純利益 |
316 |
1 051 |
-69,9% |
出典:VTB(外貿銀行)のデータ、FINAMの計算
注目されるのは、純利益率が0.4%向上し4.8%になったことである。2008年は、貸付金利の引き上げにより、利子収入が大きく伸びた。また、資産に対する貸付率が72.3%まで増加したことも(前年第3四半期末時点では63.2%)、純利益率に寄与した。また、第3四半期、従業員数自体は3.2%増加したが、営業経費の伸び率は第2四半期に対して抑制された。同行が経費削減計画を効果的に実施していることがうかがえる。こうした対策は、支店の2%が閉鎖されたことにも表れている。
ネガティブな要素としては、不良債権比率が増加したことが挙げられる。2008年上半期末時点では、貸付ポートフォリオに占める不良債権比率は1.7%であったが、第3四半期末には2.1%に増加した。今後も、不良債権比率の上昇が見込まれていることから、同行内部留保は、2007年第3四半期末に対して、3.9倍に強化された。内部留保の強化により、純利益、及び、純利益率はネガティブな影響を受けている。
FINAMは、今後半年程度、不良債権の急激な増加が見られるだろうと考える。銀行セクター全体としても、不良債権比率は増加しており、第4四半期初めに1.5%であった不良債権比率は、2008年末時点で3.8%に上昇している。
また、第3四半期、有価証券ポートフォリオによる損失額は2億7300万ドルであった。VTB(外貿銀行)は、有価証券損失額を減少させるため、リスクヘッジシステムを利用している。また、保有する有価証券の一部について、有価証券区分の変更を実施したことも、損失の低減につながっている。
FINAMの計算によるVTB(外貿銀行)普通株の2009年末時点における目標価格は0.0029ドル/株(およそ0.1ルーブル)。目標株価までの予想株価成長率は307%。評価は「買い」。
VTB(外貿銀行)の時価総額:47億689万6956.31ドル
普通株の株価:0.00071ドル/株(およそ0.02ルーブル)
目標株価:0.0029ドル/株(およそ0.1ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:-25.3%
月間変化率:-40.3%
年間変化率:-83.1%
2009_01_26L
Vozrozhdenie銀行(復興銀行)(VZRZ)、2008年第4四半期に1億3380万ルーブルの損失計上(ロシア会計基準)
Vozrozhdenie銀行(復興銀行)(VZRZ)、2008年第4四半期に1億3380万ルーブルの損失計上(ロシア会計基準)
Vozrozhdenie銀行(復興銀行)は、1億3380万ルーブルの損失を計上した。これは、内部留保の充実、及び、2008年のボーナス支給額増加によるものである。FINAMは、2009年上半期にも、貸付ポートフォリオの劣化が見込まれることから、損失補填に充当するための内部留保は強化されるだろうと考える。
1月20日、Vozrozhdenie銀行(復興銀行)は、2008年第4四半期に1億3380万ルーブルの損失を計上したことを公表した。損失計上の要因は、貸付ポートフォリオの劣化による損失補填を目的とする内部留保の積み増しである。同行資料によると、2008年第4四半期、内部留保は貸付総額の3.5%から5%に増加した。FINAMの評価によると、2008年第4四半期、内部留保に回された資金は16億ルーブル相当である。また、2008年のボーナス支給額も、収益を落とす要因となった。
FINAMは、2009年上半期にも、貸付ポートフォリオの劣化が見込まれ、内部留保は強化されるだろうと考える。同行の事前評価によると、2008年第4四半期、同行の不良債権比率は2.3%から3-3.5%に上昇した。
FINAMの計算によるVozrozhdenie銀行(復興銀行)普通株の2009年末時点における目標適正価格は23.3ドル/株(およそ778.5ルーブル)。
Vozrozhdenie銀行(復興銀行)の時価総額:1億5144万6662.91ドル
普通株の株価:7.14ドル/株(およそ238.5ルーブル)
週間変化率:-17.4%
月間変化率:-28%
年間変化率:-89.6%

2009_01_22L
VTB(外貿銀行)(VTBR)、2009年の発展計画を発表
VTB(外貿銀行)(VTBR)、2009年の発展計画を発表
VTB(外貿銀行)が発表した2009年の貸付強化計画からは、同行の収益向上が期待される。しかし、FINAMは、株式の追加発行による増資が実施される可能性が言及されたことについては、現在、VTB(外貿銀行)株の市場価格がファンダメンタル価格を大きく下回っているため、ネガティブに評価する。増資が検討されているということは、同行が貸付ポートフォリオの大幅な劣化を見込んでいることの証明であると考えられる。
1月16日、VTB(外貿銀行)のKostin総裁は、記者会見の席で、2009年の発展計画を発表した。それによると、同行は、ロシアの実体経済に対する公的資金の拠出窓口を担っているため、少なくとも、貸付ポートフォリオを33%以上増加させたいとしている。また、同行は、新事業として、国営企業に対するサービスにも力を入れる方針である。さらに、Kostin総裁は、株式の追加発行、及び、劣後ローンによる2009年中の増資について、ロシア政府と協議を行っていることにも言及した。
FINAMは、貸付強化が望めるVTBの国営企業向け事業計画をポジティブに評価する。また、FINAMは、2009年における貸付ポートフォリオの増加率をドル換算で22%相当と予測している。FINAMの試算によると、2009年末時点におけるルーブル相場は、2008年末比で9%下落することが見込まれる。これを考慮に入れると、貸付ポートフォリオの増加率は、Kostin総裁が示した値と同等になる。
今回、株式の追加発行による増資が実施される可能性も言及されたが、これに関しては、FINAMは、ネガティブに評価する。現在、VTB(外貿銀行)株の市場価格は、適正価格を大幅に下回っている。従って、株式の追加発行は、VTB株のファンダメンタル価値にネガティブな影響を及ぼす恐れがある。VTBは、金融セクターでも最大規模の時価総額を誇っている。同行が増資を検討しているということは、経営陣が貸付ポートフォリオの劣化を予測していることを物語るものであると考えられる。
FINAMの計算によるVTB(外貿銀行)普通株の2009年末時点における目標価格は0.0029ドル/株(およそルーブル)。目標株価までの予想株価上昇率は196%。評価は「買い」。
VTB(外貿銀行)の時価総額:67億2413万8509ドル
普通株の株価:0.00095ドル/株(およそ0.03ルーブル)
目標株価:0.0029ドル/株(およそ0.09ルーブル)
週間変化率:-14.4%
月間変化率:-18.1%
年間変化率:-79.2%
2009_01_20 L
ロシアには、将来、世界金融センターの一角となるチャンスが大いにある
アーンスト・アンド・ヤング
パートナー A.Ivlev氏
グローバリゼーションという流れには、抗えない。単独で機能し、国際的な流れに影響を受けない市場は、事実上、存在しない。そのため、アーンスト・アンド・ヤングのパトナー A.Ivlev氏は、国際的措置を取った場合、経済は、政治よりも大きな役割を果たすようになったと考えている。
国際企業は、大分以前から、各地域の枠に限定しない発展構想を立てている。そうした企業には、もはや、アメリカ企業・フランス企業・ドイツ企業といった括りはまったくない。また、近年は、新興国で事業を興した企業が先進国に進出して国際優良企業になるといった逆パターンのグローバリゼーションも多く見受けられる。ロシア・インド・ブラジル・中国(BRIC諸国)を始めとする新興国の経済は、成長率が高いため、新興国市場に対する先進国の関心は増しており、一極集中型であった世界経済は、多極化の方向に向かっている。これは、グローバリゼーションによる結果の1つである。従って、世界的金融危機からの脱却も、経済先進国ばかりがその鍵を握っているわけではない。新興国がいかに早く金融危機の影響を克服し、課題となっている経済改革を成し遂げ、環境の変化にビジネスを適応させていくかということが、非常に重要になってくるだろう。
金融危機のプラス面
恐らく、BRIC諸国は、その他諸国よりも、容易かつ早期に、金融危機後の苦境から復興することができるだろう。歴史的にも、新興国市場は、経済危機に対して、より柔軟な対応策を取ってきた。新興国の企業は、市場環境が刻々と変わる先行きの読めない状況で、仕事をすることに慣れている。また、金融危機下で、種々の難題が持ち上がってきているが、そうした困難に対しても、新興国の政府諸機関、及び、企業、国民は、心理的に軽く受け止めていると言えるだろう。
A.Ivlev氏は、今回のことで、BRIC諸国の1国であるロシアには、この先、経済改革を実施していく上で、特別な機会がもたらされたと捉えている。ロシアには、充実した労働資源があり、ロシア企業で働く従業員の技能は、他国の労働者に引けを取っていない。近年、ロシアの労働市場は加熱傾向にあったが、健全な状態に戻ってきている。これは、労働生産性向上の土台となるだろう。また、ロシアは資源大国であり、それが大きな強みであることも忘れてはならない。この他、近年は、インフラの刷新が積極的に実施されており、政府は、金融危機下においても、こうした方針を撤回することはないとしている。
また、ロシアには、従来、戦略的投資価値があるということも非常に重要である。大手の機関投資家は、投資計画を見直してはいるものの、ロシアから撤退してはいない。もっとも、これは、他国も同じである。
Ivlev氏は、金融危機によって、ロシアが国際金融センターの一角となるための土台は強くなると考えている。金融危機がロシア銀行セクターの統合を後押しし、金融システムを再構築する好機となったことは、すでに明らかである。それに加えて、ロシアには、他の国際金融センターの実績のみならず、金融危機のおかげで露呈されたその短所からも学べるチャンスが生まれた。こうした教訓を生かすことで、同じ失敗を繰り返さずに済む。国際金融センターの一角になるという計画を実現するには、高度な資本市場の構築のみならず、事業推進に必要不可欠なインフラ整備も必要となるが、これは、また別の問題である。
世界経済の要所へ
現状の好転に10年も見込む必要はない。1990年代半ばのことは思い出すだけで十分だ。それほど、ロシアの成長は明らかである。1990年代当時と現在とでは雲泥の差があり、ロシアビジネスのクオリティも新たな水準に進化している。国内外で効率的に事業を推進しているロシア企業は、今や、最先端の営業・経営ノウハウを身につけている。ビジネス然り、国全体としても、ロシアは、新たな成長段階に移行した。
しかし、まだ、解決すべき問題は山積している。イノベーション・経済多角化・汚職撲滅・新技術導入・インフラ整備、これらは政府が最重要課題としてあげているものである。これまでの9年間で成し遂げてきたのと同様、こうした課題が達成できれば、ロシアが世界経済の1拠点となることも不可能ではないだろう。
こうしたことから、Ivlev氏は、2025年までに、ロシア、及び、その他の新興国によって、世界経済の勢力図は変わるだろうと考えている。世界の経済ネットワークは、よりバランスが取れ、突出した経済大国は少なくなるだろう。
2009_1_19
VTB(外貿銀行)(VTBR)、記録的な収益を計上(ロシア会計基準))、保有有価証券評価方法の変更による
VTB(外貿銀行)(VTBR)、記録的な収益を計上(ロシア会計基準)
VTB(外貿銀行)が発表した2008年決算(ロシア会計基準準拠)によると、同行の法人事業部門は業種別平均を上回った。その理由は、同行が実体経済に対する公的資金供給の窓口となっているためである。また、2008年における同行の純利益は記録的な水準に達した。FINAMは、11月半ばに、ロシア中央銀行が、有価証券区分の遡及的変更を認めたことが大きく影響したと考える。
1月14日、VTBは2008年決算(ロシア会計基準準拠)を発表した。それによると、総資産は1兆5070億ルーブルから69%増の2兆5520億ルーブルに増加した。法人貸付ポートフォリオは86%増の1兆4700億ルーブルとなった。一方、純利益は、前年比46%増の263億ルーブルに達した。
当該期の決算内容(ロシア会計基準)からは、VTBグループ全体として、法人事業部門が発展を遂げていることがわかる。FINAMは、法人貸付ポートフォリオ、及び、資産が増加したことをポジティブに評価する。同行の資産増加率は業種別平均を大幅に上回った。しかし、VTBは、国営銀行として、実体経済への公的資金供給を行っているため、このような増加は当然である。
一方、2008年1-10月、わずか26億ルーブルに止まった純利益は、予想外の伸び率を示した。これは、有価証券の区分変更によるものと考えられる。2008年11月17日、ロシア中央銀行は、有価証券の区分変更を承認する政令を公布した。これによって、ロシアの銀行は有価証券区分変更を行うことが可能となり、有価証券の損益を計上することが不要となった。また、2008年7月1日以前に取得された有価証券に関しては、2008年7月1日をもって区分変更が行われる(同日、ロシア市場指数は最高値を記録した)。しかし、旧来の区分に基づくと、2008年1-9月における有価証券ポートフォリオの評価損は178億ルーブルとなる。
FINAMは、VTB法人事業部門の業績を肯定的に評価する。同行の主要リスクとしては、貸付ポートフォリオの劣化が考えられる。
FINAMの計算による2009年末時点におけるVTB普通株の目標価格は0.0029ドル/株(およそ0.09ルーブル)。目標価格までの予想株価上昇率は、171%。評価は「買い」。
VTB(外貿銀行)の時価総額:67億2413万8509.02ドル
普通株の株価:0.00097ドル/株(およそ0.03ルーブル)
目標株価0.0029ドル/株(およそ0.09ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:-14.9%
月間変化率:-19.2%
年間変化率:-79.3%

ズベルバンク(SBER)、12月の預金増加額は6%増
ズベルバンク(SBER)、12月の預金流入額は6%増
12月におけるズベルバンクの預金流入額増大は、予想を超えるうれしいニュースとなった。しかし、こうした傾向については、期待通りであったと言える。FINAMは、今後も、ズベルバンクは、国営銀行としての強みを生かして、個人預金部門の市場シェア拡大を図るものと考える。
1月12日、ズベルバンクは、2008年12月における個人預金流入額が1680億ルーブルに達したことを発表した。2008年10月に、980億ルーブルの記録的な預金流出があったことは記憶に新しい。また、2008年通期の預金増加率は15%超となった。
2008年12月は、ズベルバンクにとって、極めて好調な月となり、10月の過去最大規模の預金流出を、完全に取り戻した。FINAMは、12月初頭から預金流入額が増大した理由について、預金金利の引き上げ、適切なマーケティング、及び、季節的要因によるものであると考える。
12月におけるズベルバンクの預金流入増大は、予想を超えるうれしいニュースとなったが、これは、おおよそ、期待通りであった。FINAMは、今後も、ズベルバンクが、国営銀行としての強みを生かして、個人預金部門の市場シェア拡大を図るものと考える。しかし、個人預金事業全体としての先行きは、経済情勢、並びに、国内通貨の安定性次第となるだろう。
FINAMは、現在、ズベルバンク普通株・優先株の目標価格について、見直しを行っている。
ズベルバンクの時価総額:164億9021万1000ドル
普通株の株価:0.75ドル/株(およそ23.2ルーブル)
週間変化率:-3.8%
月間変化率:-5.5%
年間変化率:-82.7%
優先株の株価:0.3ドル/株(およそ9.3ルーブル)
週間変化率:-3.5%
月間変化率:-10.8%
年間変化率:-89.7%

