金融・不動産業界: 2010年4月
【分析レポート】ズベルバンク(SBER)、中央銀行からの劣後ローン返済を計画
ズベルバンク経営陣は、今後数週間のうちに、債務の返済に関する問題の解決を図ろうとしている。FINAMは、同行が中央銀行からの劣後ローン返済を計画していることをポジティブに評価する。これは、同行が多額の資金を低コストで調達することが可能であることを示唆している。また、株式追加発行の時期が近づいていることも投資家に好感されるだろう。
4月27日のマスコミ報道によると、ズベルバンクは、2008年第4四半期に中央銀行から供与された劣後ローンの返済を計画している。劣後ローンの総額は5000億ルーブルで、償還期間は11年である。同行経営陣は、数週間のうちに、債務の返済に関する問題の解決を図ろうとしている。
同行経営陣によると、この劣後ローンは、最もコストの高い借入である。同行の平均借入利率が5%を若干超える程度であるのに対し、同ローンの年利は8%である。
ズベルバンクが劣後ローンを返済するとなると、自己資本比率は13%の水準まで下がる見通しである。貸付残高の伸びに関する保守的な予測では、この程度の自己資本比率があれば問題はない(中央銀行が定める自己資本比率の基準は10%)。しかし、貸付需要が回復した場合、2011年にも、増資が必要となる可能性がある。
FINAMは、ズベルバンクが劣後ローンの返済を計画していることをポジティブに評価する。これは、同行が多額の資金を低コストで調達することが可能であることを示唆している。また、増資のための株式追加発行時期が近づいていることも、投資家に好感されるだろう。
FINAMの計算によるズベルバンク普通株の12ヵ月後における目標価格は3.89ドル/株(およそ113ルーブル)。優先株の目標価格は2.18ドル/株(およそ63ルーブル)。
《ズベルバンクの会社概要》
ロシア最大手銀行。銀行業務全般に関するサービスを提供。個人顧客部門におけるリーダー的地位を保持。総預金残高の約半分は個人による資金。ロシア最大級の支店網を保有する。支店総数は20,000店。個人及び法人向け貸付が主要収入源である。主要株主はロシア連邦中央銀行であり、株式の約60%を保有。
時価総額:646億9214万9200ドル
普通株の株価:2.9ドル/株(およそ84ルーブル)
目標株価:3.89ドル/株(およそ113ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:-2.4%
月間変化率:1.6%
年間変化率:258.2%
優先株の株価:2.09ドル/株(およそ60ルーブル)
目標株価:2.18ドル/株(およそ63ルーブル)
評価:「中立」
週間変化率:-5.5%
月間変化率:-8%
年間変化率:441.8%

2010年4月28日 L
【分析レポート】ズベルバンク(SBER)、2010年1-3月の決算を発表(ロシア会計基準)
ズベルバンクが発表した3月の決算は、貸付業務の拡大、及び、純利益の堅調な増加を示す内容であり、市場に好感されるだろう。一方、ネガティブな要素として挙げられるのは、純金利収入の減少、及び、不良債権比率の増加である。ズベルバンクにファンダメンタルズ的な魅力はあるものの、少なくとも、短期的な株価の上昇材料には欠けている。
4月15日、ズベルバンクは、2010年第1四半期の決算(ロシア会計基準)を発表した。それによると、当該期の純金利収入(貸倒引当金繰入前)は前年同期17%増となった(1210億ルーブル)。営業経費は9%増(460億ルーブル)、貸倒引当金繰入額は91%減(81億ルーブル)となった。第1四半期の純利益は過去最大の432億ルーブルまで拡大した。
ズベルバンクは、3月の貸倒引当金繰入額が減少した理由として、子会社への資産売却を挙げている。この資産売却は、連結財務指標には影響しない。
ポジティブな要素としては、以下の点が挙げられる。
• 3月の個人・法人共に貸付高が数ヶ月ぶりに増加し、銀行セクター全体としての景気浮揚を反映する形となった。ズベルバンク経営陣の代表は、3月に個人向け貸付高が伸びたことは改善の兆候であるとした。
• 2010年1-3月の純利益は前年同期比約150倍の432億ルーブルと過去最大の規模に増加した。
• ズベルバンクの自己資本比率は21%であり、中央銀行の規定を2倍以上上回る高水準に保たれている。これは、今後も、同行事業の成長を支える要素となろう。
ネガティブな要素としては、以下の点が挙げられる。
• 2010年第1四半期の純利鞘が6.7%に低下した(2009年は7.5%だった)。
• 不良債権比率が増加したことも、期待はずれであった。第1四半期末には、貸付高に占める不良債権比率が5.1%まで増加した。2月末の同値は4.7%であった。
ズベルバンクが発表した3月の決算は、貸付業務の拡大、及び、純利益の堅調な増加を示す内容であり、市場に好感されるだろう。一方、ネガティブな要素としては、純金利収入の減少、及び、不良債権比率の増加が挙げられる。
FINAMの計算によるズベルバンク普通株の12ヶ月における目標価格は3.89ドル/株(およそ113ルーブル)。目標価格までの予想株価成長率は26%。評価は「買い」。
優先株の目標価格は2.18ドル/株(およそ63ルーブル)。下落率可能性は9%。評価は「売り」。
《ズベルバンクの概要》
ロシア最大手銀行。銀行業務全般に関するサービスを提供。個人顧客部門におけるリーダー的地位を保持。総預金残高の約半分は個人による資金。ロシア最大級の支店網を保有する。支店総数は20,000店。個人及び法人向け貸付が主要収入源である。主要株主はロシア連邦中央銀行であり、株式の約60%を保有。
時価総額:686億3193万360ドル
普通株の株価:3.07ドル/株(およそ88ルーブル)
目標株価:3.89ドル/株(およそ113ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:1.9%
月間変化率:-0.2%
年間変化率:248.3%
優先株の株価:2.36ドル/株(およそ68ルーブル)
目標株価:2.18ドル/株(およそ63ルーブル)
評価:「売り」
週間変化率:0.4%
月間変化率:-3%
年間変化率:489.8%

2010_04_19L
【分析レポート】VTB(外貿銀行)(VTBR)、監査評議会が2009年の配当額を決定
VTB監査評議会が提案した配当額は1株当たり0.058コペイカで、現在の株価から計算した配当利回りは0.7%である。今回のニュースによって、同行株価が影響を受けることはないだろう。
4月14日、VTB監査評議会が行われ、2009年配当金が決定された。同行監査評議会は、株主総会に対して、0.058コペイカ/株の配当を提案する。権利落ち日は2010年4月16日。株主総会は、2010年6月4日に召集される。
FINAMは、今回の配当金に関するニュースを中立的に評価する。2009年配当金は前年比29%増となったが、配当利回りは、依然として低い水準にある(現在の株価から算出して0.7%)。VTBが予定している2009年配当は、ロシア会計基準純利益の25.5%に相当する(237億5000万ルーブル)。国際会計基準による決算では、同行は596億ルーブルの損失を計上している。
FINAMの計算によるVTB普通株の12ヵ月後における目標価格は0.00298ドル/株(およそ0.09ルーブル)。評価は「中立」。
《VTBの概要》
ロシア大手銀行。国内銀行部門のリーダーであり、長い歴史を誇る。ロシア大手企業向けにサービスを提供。子会社のVTB24は個人顧客を専門とする。外国貿易に関する決済サービスが充実。主要株主はロシア政府であり、株式の77%を保有。
時価総額:201億7241万5527.06ドル
普通株の株価:0・003ドル/株(およそ0.09ルーブル)
目標株価:0.0029ドル/株(およそ0.09ルーブル)
評価:「中立」
週間変化率:5%
月間変化率:7.7%
年間変化率:204.1%
2010_04_16L
【分析レポート】Vozrozhdenie銀行(復興銀行)(VZRZ)、2009年の決算を発表(国際会計基準)
Vozrozhdenie銀行が発表した2009年通期の決算(国際会計基準)は、第4四半期における不良債権増加率の低下、貸付ポートフォリオの拡大、並びに、効率的な経費管理を示す内容となった。しかし、第4四半期における純利鞘の大幅な縮小は懸念される。
3月31日、Vozrozhdenie銀行(復興銀行)は、2009年の連結決算(国際会計基準)を発表した。当該期、同行資産は3.1%増の1456億ルーブルとなった。総貸付高は4.7%減の946億ルーブルとなった。2009年末時点における同行の自己資本は、前年末の値を8.1%上回る163億ルーブルであった。
表1:Vozrozhdenie銀行の主要財務指標(単位:100万ルーブル)
|
指標 |
2009 |
2008 |
前年比 |
2009 3Q |
変化率 |
|
資産(期末時点) |
145 603 |
141 211 |
3,1% |
134 958 |
7,9% |
|
総貸付高(期末時点) |
94 644 |
99 332 |
-4,7% |
93 604 |
1,1% |
|
自己資本(期末時点) |
16 286 |
15 065 |
8,1% |
15 919 |
2,3% |
|
不良債権比率 |
9,9% |
3,4% |
+ 6,5% |
9,4% |
+ 0,5% |
|
収入対支出 |
48,7% |
52,7% |
-4,0% |
47,7% |
+ 1,0% |
|
純利鞘 |
6,0% |
6,6% |
-0,6% |
6,0% |
0,0% |
|
自己資本比率 |
19,0% |
16,4% |
+ 2,6% |
18,6% |
+ 0,4% |
FINAMは、Vozrozhdenie銀行が発表した2009年決算の内容をややポジティブに評価する。プラス要素としては、以下の点が挙げられる。
• 不良債権の増加ペースは大幅に鈍化した。2009年第4四半期、貸付高に占める不良債権の比率は前期末の値をわずか0.5%上回る9.9%となった。これによって、第4四半期の貸倒引当金繰入額は、前期比54%減となった。
• 同行は、貸倒引当金の不良債権カバー率を100%の水準に維持しており、第4四半期には、同値は101%であった。
• 貸付ポートフォリオは拡大基調へ転じた。第4四半期には、貸出金総額は1.1%増の946億4000万ルーブルとなり、資産も7.9%増加した。同行資産の構造が変化したことによって、2010年には貸付額の増加が可能となる。
• 営業経費は効率的に管理されている。2009年の営業経費は、前年比10.0%減となった。2009年第4四半期も、営業経費は前年同期比4.4%減となった。
表2:Vozrozhdenie銀行の主要損益計算書事項(単位:100万ルーブル)
|
指標 |
2009 |
2008 |
前年比 |
2009 4Q |
2009 3Q |
変化率 |
|
利子収入 |
16 954 |
14 511 |
16,8% |
3 966 |
4 173 |
-5,0% |
|
支払利子 |
8 628 |
6 017 |
43,4% |
2 066 |
2 134 |
-3,2% |
|
純利子収入 |
8 326 |
8 494 |
-2,0% |
1 900 |
2 039 |
-6,8% |
|
貸倒引当金 |
4 752 |
2 199 |
116% |
587 |
1 270 |
-53,8% |
|
純手数料収入 |
3 729 |
4 128 |
-9,7% |
984 |
942 |
4,5% |
|
営業収益 |
8 244 |
11 131 |
-25,9% |
2 493 |
1 804 |
38,2% |
|
営業管理費 |
6 325 |
7 029 |
-10,0% |
1 946 |
1 467 |
32,7% |
|
純利益 |
1 217 |
3 137 |
-61,2% |
375 |
200 |
87,5% |
出典:同行のデータ
ネガティブな要素として挙げられるのは、2009年第4四半期の純利鞘が同年前期6.0%から5.4%に低下したことである。その理由としては、貸出金利の引き下げ幅が預金金利の引き下げ幅よりも大きくなっていることが考えられる。従って、2010年も、利鞘への圧迫が続くだろう。
この他、2009年の純手数料収入は、前年比9.7%減となった。
Vozrozhdenie銀行株は成長余力を有しているが、利鞘の圧迫は同行株の短期的な悪材料となるだろう。
FINAMの計算によるVozrozhdenie銀行普通株の12ヶ月後における目標価格は52.1ドル/株(およそ1536ルーブル)。目標価格までの予想株価成長率は26%。評価は「買い」。
《Vozrozhdenie銀行の概要》
ロシア大手民間銀行。主要顧客は中小企業及び個人である。1991年、旧ソ連農工業銀行のモスクワ支店をベースに設立。現在、170の拠点を保有。資産運用・住宅ローン・クレジットカードを含む銀行サービス全般を提供。
時価総額:8億9630万6234.52ドル
普通株の株価:42.18ドル/株(およそ1243ルーブル)
目標株価:52.1ドル/株(およそ1536ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:2.6%
月間変化率:-9.8%
年間変化率:398.8%
優先株の株価:16.32ドル/株(およそ482ルーブル)
目標株価:22.9ドル/株(およそ675ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:-0.5%
月間変化率:0.5%
年間変化率:328.5%

2010_04_02L