連邦反独占局の決定によって、塩化カリウムの国内価格引き上げ幅が大幅に圧縮されることは、アクロン、及び、ドロゴブージにとって、大きな好材料となるだろう。しかし、現在のところ、実現性は不透明であるため、FINAMは、アクロン、ドロゴブージについて、控えめなシナリオを用いている。
連邦反独占局の化学・農業分野監督課テイムラズ・ハリトナシィリ課長の発言を基にしたインターファックス通信の報道によると、同局は、2010年における塩化カリウム国内価格の引き上げ幅を最大4340ルーブル/トンとすることが妥当としている。反独占局が経済的に妥当とした2009年の塩化カリウム価格である3755ルーブル/トンと比較すると、値上げ幅は15.5%である。また、2009年の塩化カリウム実勢価格と比較すると、上昇幅は9.7%である。
連邦反独占局は、昨年12月に、塩化カリウムの国内実勢価格(3955ルーブル/トン)を非適正価格とし、2010年の塩化カリウム価格を産出する際に3755ルーブル/トンを基準とすることを決定した。シルビニトは、この決定を不服として裁判に訴える意向を伝えており、この問題に関して最終的な判決が出るまでは、反独占局の決定に法的拘束力はない。Uralchemとアクロンを除く大手複合肥料生産者は、すでに、シルビニトやウラルカリー化学と2010年における塩化カリウム供給契約を4750/トンの価格で締結している。
2010年の塩化カリウム国内価格の上昇幅は、シルビニト及びウラルカリー化学にとって、それほど重要ではない。FINAMの評価によると、国内市場で販売される塩化カリウムは、2010年における全生産量の20%以下である。一方、複合肥料の生産者側からすると、値上げ幅は極めて重要な問題である。塩化カリウムの価格は、ガス、燐灰石精鉱の価格と同様、国外市場における競争力やマージンに直接関係してくるからである。EurochemやPhosagroと異なり、リン酸資源の自社調達ができないアクロンやUralchemは、塩化カリウムの国内価格により大きな影響を受ける。そのため、上記2社は、2010年の塩化カリウム価格の引き上げ幅を最大限に圧縮することに、全力を尽くすだろう。
FINAMの予測では、2010年における塩化カリウム国内価格を前年比20%増の4750ルーブル/トンとしている。連邦反独占局の決定によって、塩化カリウム価格の上昇幅が大きく抑制されれば、アクロン及びドロゴブージにとっては、非常にポジティブである。しかし、現段階では、その実現性は不透明であるため、FINAMは、アクロン及びドロゴブージに対して控えめな評価を用いる。
現在、FINAMは、アクロン株に対する適正価格及び評価を引き上げ方向で見直している。
《アクロンの会社概要》
ロシア大手肥料製造会社。アンモニア、メタノール、ホルマリンを含め40種の化学製品を製造。多くの製品が海外に輸出される。グループ主要企業:Acron、Dorogobuzh、North-Western Phosphorous Company、Verkhnekamsk Potash Company、Shandong Hongri Acron Chemical(中国)。製品供給会社の株式を保有:Apatit-7.73%、Silvinit-6.08%、Sibneftegaz-21%。
時価総額:16億6906万6000ドル
普通株の株価:35ドル/株(およそ1045ルーブル)
週間変化率:9.4%
月間変化率:24.8%
年間変化率:211.1%

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