ロシア進出支援とロシア株専門の証券会社、ARUJI GATE証券(アルジゲート証券)

通信・IT業界: 2010年6月

【分析レポート】モバイル・テレシステムズ(MTSS)、2010年第1四半期の決算を発表

 モバイル・テレシステムズが発表した2010年第1四半期の決算は、主要業務が好調で、良好な財務指標を示す内容となった。総加入者数が6%増加するとともに、加入者1人当たりの平均売上高、及び、通信量が共に伸びたことは高く評価される。同社の収益率も好調に推移している。そのうち、営業利益率は25.9%、純利益率は14.6%となった。

 6月8日、ロシア国内携帯電話分野のリーダー的企業であるモバイル・テレシステムズは、2010年第1四半期の営業実績、及び、決算(米国会計基準準拠)を発表した。それによると、当該期の売上高は前年同期比23%増の26億ドルとなった。増収要因としては、営業実績の好調な推移が挙げられる。2010年第1四半期、加入者1あたりの平均売上は237ルーブルとなった(前年同期は234ルーブルだった)。加入者1あたりの通信量は、205分から211分まで増加した。総加入者数は、6%増の1億240万人となった。

 OIBDAは4%の増加となった。一方で、OIBDA利益率は1%低下し、44.1%となった。通信業界として、これは良好な数値である。2010年第1四半期に、同社は、3億8100万ドルの純利益を計上している(前年同期は5300万ドルの損失計上となった)。これは、7700万ドルの為替差益が計上されたためである(2009年第1四半期には、4億8900万ドルの為替差損が発生した)。

 今回の決算は、好調な営業実績、及び、良好な財務指標の推移を示す内容となった。同社の純利益は、FINAMの予側値(3億3800万ドル)より13%大きい数字となった。

 FINAMは、モバイル・テレシステムズは、将来的に、同社事業の高成長性を維持することができると考える。同社が計画している次世代通信網の構築による加入者数のさらなる拡大が、事業成長を支える要素となるだろう。

 FINAMの計算によるモバイル・テレシステムズ普通株の2010年末時点における目標価格は13.9ドル/株(およそ440ルーブル)。評価は「買い」。

《モバイル・テレシステムズの会社概要》
ロシア・CIS諸国最大手携帯通信会社。主にGSM規格で携帯通信サービスを提供。ロシアのほぼ全地域において事業を展開。その他、国内48地域において固定通信サービスを提供することが出来るライセンスを取得。合計8500万人に携帯・通信サービスを提供。主要株主は持株会社システマであり、50%以上の株式を保有。

時価総額:144億2629万9258.55ドル

普通株の株価:7.24ドル/株(およそ230ルーブル)
目標株価:13.9ドル/株(およそ440ルーブル)
評価:「買い」
週間変化率:-2.5%
月間変化率:-11.2%
年間変化率:21.4%

20100609MTSS.gif

2010年6月10日 L


 


 

【分析レポート】ロステレコム(RTKM)、予想を若干下回った09年決算

ロステレコムの2009年連結営業収入と純利益は、それぞれ2%、72%の減少となった。大幅減益は前年に計上した特別利益の影響によるものである。同社はファンダメンタルズの点ではそれほど悪くなく、株価は中期的にスヴャジインベスト資産の統合に関するニュースによって維持されるであろう。

昨日、長距離通信大手ロステレコムが2009年決算を発表した(国際会計基準、確定値)。営業収入は前年比2%減の655億ルーブル。都市間通信による収入が12%減少したほか、国際通信による収入も発信が6%減の113億ルーブル、着信が3%減の62億ルーブルとなったことが響いた。長距離通信部門では減収となったが、データ通信部門が66%の増収(90億ルーブル)となったことで一部相殺された。営業経費の増大と減収により、営業利益も37.5%の減益となった。営業利益率は前年実績の10.2%から6.5%に低下した。純利益は72%減の35億ルーブルとなった。同社は2008年、ゴールデンテレコム社株式の売却益を計上しており、それを差し引いた場合の減少幅は40%となる。その場合の利益率は2008年の8.8%に対し、5.4%だった。

国際会計基準による2009年決算(単位:100万ルーブル)

指標

2008

2009

前年比

営業収入

66,629

65,510

-1,7%

OIBDA

14,274

12,491

-12.5%

OIBDA

21.4%

19.1%

-

営業利益

6,820

4,264

-37.5%

営業利益率

10.2%

6.5%

-

純利益

12,182

3,456

-71.6%

純利益率

18.3%

5.3%

-

修正純利益

5,844

3,522

-39.7%

修正純利益率

8.8%

5.4%

-

発表された決算はFINAMの予想を下回っており、ややネガティブに評価される。2009年の減少幅は営業収入で2%、純利益で26%が予測されていた。コスト削減が甘かったと考えられる。事業状況を端的に示す営業収入に関しては、長距離通信部門による収入が一貫して減少する一方、インターネットなどの新しいサービスによる収入が 伸びており、営業収入を押し上げているという現在の市況と完全に一致している。

今回の決算はややふるわなかったものの、減益は前年の特別利益によるものであり、中期的にはスヴャジインベスト資産の統合に関するニュースにより株価は維持されると考えられる。

 

《会社概要》
ロステレコムはロシア最大手固定通信会社。主要事業はエンド・ユーサーへの国内・国際電話サービス及び行政機関、テレビ・ラジオ放送局、インターネットプロバイダーへの通信サービスの提供である。国外では、72カ国100社以上の通信会社と直結した国際通信を有し、30以上の国際ケーブルシステムに加入。主要株主は国営持株会社Svyazinvest。

時価総額
30億4824万3846.20ドル

普通株の株価:3.40ドル
普通株の目標株価:5.1ドル

週間変化率:8.0%
月間変化率:-19.5%
年間変化率:-54.9%

 

02_06_2010_RTKM.gif優先株の株価:2.34ドル
優先株の目標株価:3.2ドル

週間変化率:7.4%
月間変化率:-10.6%
年間変化率:46.4%

 

02_06_2010_RTKMP.gif2010年6月2日 O