消費・小売業界: 2010年4月
【分析レポート】マグニト(MGNT)、2009年配当を決定
FINAMは、2009年配当金を支払うマグニトの方針をポジティブに評価する。もっとも、配当利回りが低水準であることを勘案すると、同ニュースがマグニトの株価に与える影響は限定的であると考えられる。
4月26日、マグニト取締役会は、2009年配当に関して、2010年6月24日に召集される年次株主総会に、1普通株あたり10.06ルーブルとする会社提案を提出した。権利落ち日は2010年5月7日。
FINAMは、マグニトが配当金の支払いを継続し、配当額を2008年の約7倍に増加する方針をポジティブに評価する。配当利回りは低いものの、マグニトは、同社経営陣が以前発表した計画に沿って、純利益の15%を配当に充当してきている。
2009年配当金の支払総額は、2009年純利益の10.2%に相当する2800万ドルとなる見通しである。
マグニトは、2008年配当金として1株あたり1.46ルーブルを支払った。2009年第1四半期の中間配当は、1株あたり4.76ルーブルであった。
FINAMの計算によるマグニト普通株の目標適正価格は67.5ドル/株(およそ1980ルーブル)。
《マグニトの会社概要》
ロシア大手食品・日用品小売会社。国内630都市に2000以上の店舗を保有。南部・中央・沿ヴォルガ連邦管区において事業を展開。7つの配給センターを含む自社物流システムを持つ。
時価総額:61億9200万ドル
普通株の株価:86ドル/株(およそ2520ルーブル)
週間変化率:-0.9%
月間変化率:-1.2%
年間変化率:164.6%

2010年4月30日 L
【分析レポート】薬局チェーン36.6(APTK)、2009年第4四半期及び通期の営業実績を発表
薬局チェーン36.6が発表した業績は不振であった。2009年における来店者数が30%減少した最大の理由は、小売販売の減少によるものと考えられる。2009年における小売販売売上高は23%減となり、グループ全体としての売上高も19%減となった。
薬局チェーン36.6は、2009年第4四半期及び通期の営業実績(速報値)を発表した。同社グループの第4四半期連結売上高は前年同期比22.5%減の50億ルーブルとなった。2009年通期の連結売上高は前年比19%減の211億ルーブルとなった。連結売上高の76%相当を占める小売販売事業部の売上高が23%減少した。一方、製薬部門であるヴェロファルムの2009年通期売上高は2%増の44億ルーブルとなった。非中核部門の売上高は、前年の9億400万ルーブルから6億8200万ルーブルに低下した。これは、2008年5月にヨーロッパ・メディカルセンターを売却したことが影響している。
表:薬局チェーン36.6の主要指標 (単位:100万ルーブル)
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指標 |
2008年 4Q |
2009年 4Q |
前年同期比 |
2008年 |
2009年 |
前年比 |
|
小売販売 |
5 072 |
3 622 |
-28,6% |
20 837 |
15 989 |
-23,3% |
|
ヴェロファルム |
1 225 |
1 180 |
-3,7% |
4 301 |
4 395 |
2,2% |
|
その他売上高 |
193 |
227 |
17,5% |
904 |
682 |
-24,6% |
|
合計 |
6 490 |
5 029 |
-22,5% |
26 043 |
21 065 |
-19,1% |
2009年末時点で、薬局チェーン36.6が有している薬局は1019件である。そのうち、既存店舗の850件が薬局チェーンの売上高に占める割合は88%相当である。2009年通期の既存店売上高は17%減、来店者数は25%減となった。
薬局チェーン36.6の営業実績は非常に不振なものとなった。2009年における小売売上高が減少した要因としては、来店者数の低下(前年比30%減)と美容商品に対する購買力の減退が挙げられる。今後発表される2009年決算にも期待は持てないだろう。FINAMは、同社の2009年純損失を9億4500万ルーブル、2010年純損失を2億5000万ドルと見積もっている。
FINAMの計算による薬局チェーン36.6普通株の適正価格は、現在の市場株価を62%下回る1.9ドル/株(およそ55ルーブル)。評価は「売り」。
《薬局チェーン36.6の会社概要》
ロシア大手美容・健康商品小売会社。ロシア国内29地域、90都市において事業を展開。1224店舗を保有。ロシア美容・健康商品取扱企業中、最初にIPOを実施。5年以内に、美容・健康商品小売市場の15%を占める戦略を策定している。
時価総額:4873万5000ドル
普通株の株価:5.13ドル/株(およそ148ルーブル)
週間変化率:0.1%
月間変化率:-12.7%
年間変化率:41.2%

2010_04_19L
【分析レポート】バルチカ・ビール(PKBA)、飲料水の生産を開始
新たなノンアルコール飲料、及び、飲料水の市場投入によって、バルチカ・ビールは、製品ラインナップの多様化を図ることが可能になる。ロシアビール市場が縮小傾向にあり、政府の規制強化が検討されている中での製品多様化は重要であり、3%相当の増収も見込まれる。
バルチカ・ビールは、今年5月、飲料水「Zhivoj ruchej」を市場に投入する。同製品の価格は中価格帯となり、販売代理店によると、「Aqua Minerale」という商品名で販売されている同種の飲料水よりも15%程度割安な価格で販売される。2010年には、ロシアのヨーロッパ寄り地域で新商品が販売される予定であり、その後、他地域への販売拡大が検討される見通しである。
こうしたバルチカ・ビールの事業推進は、合理的かつ時宜を得たものであると考えられる。同社は高収益製品による商品の拡充を図ることができる。ロシアビール市場が縮小傾向にあり、政府の規制強化が検討されている中での製品多様化は重要である。もっとも、飲料水市場はすでに細分化が進んでいるため、飲料水の販売による増収効果は限定的となるだろう(FINAMの予想では、中期的に5%程度のシェア獲得が可能)。FINAMの評価では、飲料水の販売による増収効果は3%程度である。
FINAMは、今回のニュースをややポジティブに評価する。
《バルチカ・ビールの会社概要》
ロシア最大手ビール製造会社。ロシアビール市場の約37%を占める、ヨーロッパビール製造市場における有数の企業である。10のビール製造工場を保有。主要商標:Baltika、Tuborg、Carlsberg、FOSTER'S、Nevskoe、Arsenalnoe,Yarpivo、Don等。1993年より主要株主はCarlsberg Groupが保有するBaltic Beverages Holdingである。
時価総額:53億5511万7451.2ドル
普通株の株価:31ドル/株(およそ900ルーブル)
週間変化率:1.6%
月間変化率:-1.6%
年間変化率:72.2%
優先株の株価:31.08ドル/株(およそ900ルーブル)
週間変化率:0.9%
月間変化率:-0.7%
年間変化率:114.6%

【分析レポート】マグニト(MGNT)、2010年第1四半期の営業実績を発表
FINAMは、マグニトが発表した2010年第1四半期の営業実績をポジティブに評価した。しかし、新規出店による大幅増収は、すでに現在の株価に織り込まれていると考えられる。
マグニトは、2010年第1四半期の営業実績を発表した。同社の営業実績は好調である。ルーブル建ての増収率は28.4%と高水準を維持した。特に、ハイパーマーケット部門では、分母が小さかったこともあり、増収率が68.7%超となった。2010年第1四半期における総売上高の8.5%をハイパーマーケット部門が占めている。
表:マグニトの主要指標
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指標 |
2009年 3月 |
2010年 3月 |
前年 同期比 |
2009年 1-3月 |
2010年 1-3月 |
前年 同期比 |
|
売上高(100万ドル) |
389,4 |
600,7 |
54,2% |
1124,9 |
1657,1 |
47,3% |
|
スーパーマーケット部門 |
363,7 |
548,0 |
50,7% |
1052,4 |
1516,6 |
44,1% |
|
ハイパーマーケット部門 |
25,7 |
52,7 |
104,7% |
72,5 |
140,4 |
93,6% |
|
売上高(100万ルーブル) |
13506,5 |
17759,1 |
31,5% |
38168,0 |
48992,1 |
28,4% |
|
スーパーマーケット部門 |
12614,3 |
16202,1 |
28,4% |
35706,9 |
44840,0 |
25,6% |
|
ハイパーマーケット部門 |
892,2 |
1557,0 |
74,5% |
2461,1 |
4152,2 |
68,7% |
|
総店舗数 |
2676 |
3318 |
|
2676 |
3318 |
|
|
スーパーマーケット部門 |
2662 |
3293 |
|
2662 |
3293 |
|
|
ハイパーマーケット部門 |
14 |
25 |
|
14 |
25 |
|
|
新規店舗開設数(合計) |
56 |
47 |
|
94 |
90 |
|
|
スーパーマーケット部門 |
56 |
46 |
|
94 |
89 |
|
|
ハイパーマーケット部門 |
0 |
1 |
|
0 |
1 |
|
|
商業面積(1000㎡) |
854,3 |
1092,6 |
27,9% |
854,3 |
1092,6 |
27,9% |
|
スーパーマーケット部門 |
797,895 |
1009,047 |
26,5% |
797,895 |
1009,047 |
26,5% |
|
ハイパーマーケット部門 |
56,365 |
83,563 |
48,3% |
56,365 |
83,563 |
48,3% |
FINAMは、第1四半期におけるマグニトの実績をポジティブに評価する。しかし、好調な営業実績は、すでに現在の株価に織り込まれていると考えられる。
マグニトが大規模な投資計画(10億ドル規模)を立てていることは注目される。同社の計画によると、2010年にはハイパーマーケット30店、2011年にも同程度の新規出店が予定されている(ハイパーマーケットの増設によって、2010年の売上高は1.4‐1.5億ドル増加する見通し)。また、低価格政策も、来店者数の増加につながるだろう。2010年第1四半期の来店者数は0.6%の減少に止まっている(前年同期は1.5%減)。
FINAMの計算によるマグニト普通株の目標適正価格は64ドル/株(およそ1852ルーブル)。
《マグニトの会社概要》
ロシア大手食品・日用品小売会社。国内630都市に2000以上の店舗を保有。南部・中央・沿ヴォルガ連邦管区において事業を展開。7つの配給センターを含む自社物流システムを持つ。
時価総額:62億6400万ドル
普通株の株価:85ドル/株(およそ2480ルーブル)
週間変化率:-1.7%
月間変化率:16%
年間変化率:221.6%

2010_04_14L
【分析レポート】薬局チェーン36.6(APTK)、2009年第3四半期及び1-9月の決算を発表(国際会計基準)
2009年1-9月における薬局チェーン36.6の純損失は8億3100万ルーブルであった。これは市場にとって想定外の結果ではない。今回の決算が同社株価に及ぼす影響は限定的であると考えられる。従って、FINAMは、今回のニュースを中立的に評価する。
薬局チェーン36.6は、2009年第3四半期及び1-9月の決算を発表した(国際会計基準)。それによると、第3四半期の売上高は前年同期比26%減の46億ルーブル、1-9月の売上高は前年同期比18%減の160億ルーブルとなった。1-9月のEBITDAは前年同期比約2倍の9億7400万ルーブルになった。EBITDA利益率は2.5%から6.1%に増加した。同社は、2009年1-9月で8億3100万ルーブルの純損失を計上した。これは、営業経費を大幅に削減ができなかったこと(前年同期比14%減の56億ルーブル)、及び、金融費用が24%増の8億8800万ルーブルとなったことが影響した。
薬局チェーン36.6の業績は不振であるが、決算の一部には改善点も見られる。同社のデータによると、債務負担はまだ高いものの、以前よりは大きく低減されている(純負債/EBITDAは2008年の6.2から3.5に縮小)。同社は、今後も、2009年12月に実施した株式追加発行(23億ルーブル)、及び、今後予定している株式追加発行による調達資金を利用して、債務返済を行っていくだろう。
今回の決算内容は、市場予測と同等である。従って、決算発表が同社株価に及ぼす影響は限定的であると考えられる。従って、FINAMは、今回のニュースを中立的に評価する。
《薬局チェーン36.6の会社概要》
ロシア大手美容・健康商品小売会社。ロシア国内29地域、90都市において事業を展開。1224店舗を保有。ロシア美容・健康商品取扱企業中、最初にIPOを実施。5年以内に、美容・健康商品小売市場の15%を占める戦略を策定している。
時価総額:4816万5000ドル
普通株の株価:5.07ドル/株(およそ150ルーブル)
週間変化率:-11.9%
月間変化率:-19.1%
年間変化率:97%

2010_04_13L
【分析レポート】バルチカ・ビール(PKBA)、2009年純利益(国際会計基準)は51%増で高配当(2010年4月8日現在)
バルチカ・ビールの2009年純利益は51%増となり、純利益率は2008年の17%相当から25%に向上した。これは、事業効率の高さを示しており、投資家にとって魅力的である。バルチカ・ビール株の配当金が高いことも、投資家は好感するだろう。8日終値から算出した同社の普通株配当利回りは13.1%、優先株配当利回りは13%である。今後も同社の高配当には期待できるだろう。
バルチカ・ビールは、2009年における連結純利益(国際会計基準)が前年比50.7%増の234億ルーブルとなったことを発表した。売上高は前年比1.2%増の936億ルーブルに止まっている。純利益率は、2009年の16.8%から25%に向上した。利益率が向上した要因としては、製品ポートフォリオの最適化と主要地域における販売チャネルの整備が挙げられる。
純利益が倍増したことを背景に、年次株主総会では2009年配当金の支払いが採択された。普通株・優先株の配当金は128ルーブル/株となる(前年配当額と比較して50.4%増)。8日終値から算出した同社の普通株配当利回りは13.1%、優先株配当利回りは13%である。
FINAMは、バルチカ・ビールが発表した2009年決算をポジティブに評価する。昨年、同社は37億ルーブル相当をかけて生産の拡大及び近代化を図った。新たな技術の導入は、製品出荷量の増加のみならず、営業経費の低減にも寄与した。
現在、ロシア市場における同社のシェアは40%超であるが、生産能力の増強によって、さらにシェアが拡大する可能性もある。また、同社の高配当が今後も維持される見通しも、投資家は好感するだろう。FINAMは、ロシア消費セクターの中で、バルチカ・ビールの普通株・優先株は最も投資魅力のある銘柄であると考える。
FINAMの計算によるバルチカ・ビール普通株の適正価格は58.4ドル/株(およそ1716ルーブル)。予想株価成長率は92%。優先株の適正価格は43.8ドル/株(およそ1287ルーブル)。予想株価成長率は44%。
《バルチカ・ビールの会社概要》
ロシア最大手ビール製造会社。ロシアビール市場の約37%を占める、ヨーロッパビール製造市場における有数の企業である。10のビール製造工場を保有。主要商標:Baltika、Tuborg、Carlsberg、FOSTER'S、Nevskoe、Arsenalnoe,Yarpivo、Don等。1993年より主要株主はCarlsberg Groupが保有するBaltic Beverages Holdingである。
時価総額:52億7160万5484.35ドル
普通株の株価:30.5ドル/株(およそ900ルーブル)
週間変化率:0%
月間変化率:-3.2%
年間変化率:125.9%
優先株の株価:30.79ドル/株(およそ905ルーブル)
週間変化率:0.2%
月間変化率:-0.3%
年間変化率:120.7%

2010_04_12L