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インター統一電力(IRAO)、1000億ルーブル相当の国家保有電力資産が譲渡される可能性が浮上

 ロシア統一電力システムの再編に伴い、連邦送電会社と水力卸売電力の保有資産となった各卸売電力・地域電力企業の全株式、及び、その他の電力株をインター統一電力に譲渡する計画が持ち上がっている。上記資産の市場評価額は1000億ルーブル相当である。今回のニュースは、投資家に好感されることが予測されるため、インター統一電力株にとっては好材料になるだろう。
 
 コメルサント紙の情報によると、ロシア統一電力システムの再編に伴い、連邦送電会社と水力卸売電力が取得した各卸売電力・地域電力企業の持分全て、及び、国家保有のその他電力株が、インター統一電力へ譲渡される可能性が浮上している。上記株式の移管に関する提案は、インター統一電力会長を務めるセチン副首相がプーチン首相宛てに作成したもので、同首相からの承認を得ている。また、エネルギー省も、電力資産の移管に関して、審議中であると表明している。なお、資産の譲渡時期は明らかにされていない。
 
 セチン副首相は、連邦送電会社と水力卸売電力が引受先となるインター統一電力株式の追加発行を提案している。同提案では、連邦送電会社と水力卸売電力は、帳簿に計上される各卸売電力・地域電力企業の持分と引き換えに、インター統一電力の追加発行株式を取得する。同社の追加発行株は、連邦送電会社と水力卸売電力へ移管された後、国が直接保有することになる。
 
 各卸売電力・地域電力企業の持分に対するインター統一電力の評価額は明らかにされていない。しかし、セチン副首相が作成した提案には、インター統一電力が上記持分を取得する前の授権資本、及び、取得後の授権資本の計算が盛り込まれている(それぞれ1010億ルーブルと4040億ルーブル)。
 
 インター統一電力は、ロシア統一電力システムの再編に伴い、連邦送電会社と水力卸売電力が取得した各卸売電力・地域電力企業の持分の他、連邦送電会社が保有するサングトゥディンスカヤ水力発電所の株式14.4%、及び、バシキールエネルゴの株式21%を取得する予定である。また、ロシア連邦資産管理局が保有する第5地域電力の株式26.4%、及び、イルクーツクエネルゴの株式41%の取得も予定されている。上記持分の市場価格の合計は、1030億ルーブルとされる(非上場企業であるサングトゥディンスカヤ水力発電所の持分を含まず)。
 
 市場評価額が1000億ルーブル相当の持分を取得するために、インター統一電力は、3000億ルーブル相当の追加発行を行う計画を立てていることは不可解である。セチン副首相が電力会社の持分の適正価格を市場価格の3倍と評価しているか、若しくは、インター統一電力の少数株主持分が希薄化することが考えられる。もっとも、少数株主持分の希薄化は国家にとって不利である。インター統一電力は、近々、増資を実施する予定で、国家は、ロスアトム及び対外経済銀行を通して、インター統一電力授権資本の70%以上に相当する株式を引き受ける見通しである。FINAMは、セチン副首相が電力市場の長期的な価格、及び、条件によって大きく左右される電力株の適正価格を理解していないことはないと考える。
 
 いずれにしろ、今回のニュースは、投資家に好感されることが予想されるため、インター統一電力株にとっては好材料となるだろう。

《インター統一電力の会社概要》
ロシア国内外における一連の発電・配電資産を運営するインター統一電力は、ロシア国内の電力輸出入分野で支配的立場にある。同社は2008年、閉鎖型株式会社INTER RAO UES及びロシアの電力業界再編によりINTER RAO UESに譲渡された一連の発電会社を元に設立された。
主要事業
・ 電力の輸出入供給
・ 国内外の電力市場における活動
INTER RAO UESは14カ国、20以上の企業を傘下に収めている。総設備容量は7880メガワット。
長期的戦略として、ターゲット市場であるバルト3国、スカンジナビア諸国、中東欧、黒海沿岸諸国、中央アジア、極東における資産獲得により、2015年までに設備容量を3万メガワットまで高め、当該地域において確固たる地位を築くことを目指している。

 

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